科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 倫理
科目番号 0075 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 第一学習社『改訂版 高等学校 倫理』/最新倫理資料集 新版テオーリア
担当教員 高橋 祥吾

到達目標

社会における基礎的な教養の一つとして哲学・倫理に関する知識を習得する

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1哲学史の理解を通して,哲学だけでなく,科学・学問一般に関する思想を理解し,説明でき,さらに批判的に吟味できる。哲学史の理解を通して,哲学だけでなく,科学・学問一般に関する思想を理解し,説明できる.哲学史の理解を通して,哲学だけでなく,科学・学問一般に関する思想を理解できていない.
評価項目2自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などに関わる思想を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明し,批判的に吟味できる。自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本思想を理解し、基礎的な政治・法のしくみを説明できる。自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【目的】
高校生レベルの基礎的学力を身に付けるため,そして社会人に必要な思考力を向上させるため,
社会における基礎的な教養の一つとして哲学・倫理に関する知識を習得する

【より具体的な目標】
教科書の内容が理解できるようになる
教科書以外の文章と教科書で学んだ内容を結びつけて考えることができるようになる
科学や社会の思想的基盤を学び説明(応答)できるようになる
 
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】
・基本的に板書をしていきます.板書が多いのでしっかりノートを取る必要がありますし,話を聞きながらになるので集中しましょう.教科書に書いてあることの解説とそれ以上の発展的内容を授業で学んでいく形になります.
・教科書の文章は授業前に自分で読んでいるという前提で授業を行います.その上で,教科書では不足している内容の解説.教科書とは異なる観点による解説を授業で行うことになります.
・教科書の内容・文章そのものとは違うことを語っている場合があるように思うかもしれませんが,基本的には教科書の内容と矛盾したことは述べません.矛盾しているようにみえるときは,よく考えてみましょう.分からない場合は,質問してみましょう.
・資料集ももってくるのを忘れないように.
・課題が与えられたときは必ず提出すること.
・途中グループワークによる学習も実施する予定があります.
「大福帳」という簡易ポートフォリオを使います.授業の最後に,その日の授業のポイントや疑問点などを記録してもらい,自分の理解度を示してもらいます.

※「大福帳」とは?(過去の大福帳の質問への回答から抜粋)
「大福帳」でGoogle検索をしてもらえば分かりますが,元々大福帳というのは江戸時代の金銭に関する帳簿のことです.この授業で使うポートフォリオ的な大福帳の作成者は,早稲田大学人間科学学術院の向後千春先生です.この方が,ホームページで公開されている大福帳を参考にこの授業の大福帳を作成したので,名前もそのまま使わせてもらいました.元々は,織田揮準という先生が考案されたそうです.成績や出席の記録を「閻魔帳」と言ったりするので,その逆ということで「大福帳」となったようです.

「大福帳 授業」でGoogle検索をすると,この先生のサイトが出てくるとおもいます.
参考URL :大福帳テンプレート

https://kogolab.wordpress.com/授業のデザイン/大福帳/大福帳テンプレート/

「大福帳」の使い方 (PDF)

http://kogolab.chillout.jp/jugyo/daifukucho-intro.pdf 

 
注意点:
【授業中の注意事項】
スマートフォン(携帯電話)など に関しては,必要に応じて許可する場合をのぞき,学校の規則に準じます.
授業中の私語は当然禁止です.授業で気になる点があって,となりの人と話したくなるときもあるかもしれませんが,私からは私語と区別がつかないことが多いです.ですので,不明な点があるときは,その場で質問して下さい.あなたがわからないことは,周囲のひともわかっていないかもしれないですから,その質問はみんなのためになります.

【授業の方針(ポリシー)】
特定の学生(たとえば成績不振者)に対して特別に課題をあたえるようなことはしません.課題を出す場合は,受講者すべてに対して出すようにしています.
提出が学生の意志に任されている場合に限らず,必須の課題であっても,提出を促したり,未提出の状況に対して忠告するようなこともしないです.その責任は学生が負うものであり,教員に促されて提出することは価値がないと考えています.また課題の評価には期限内に提出できることも含めています.わたしにしつこく急かされて提出するようでは,期限内に課題を提出する能力が身に付いていないと言わざるをえないですし,わたしが促してしまっては自発的に提出しようという能力が養われないと考えています.
逆に,提出が遅れたからといって,絶対に受け取らないということもあまりないです(受け取らない場合ももちろんあります).ただし,課題の評価は,期限内に提出できる能力も含めていますから,遅れたことに対する評価の低下はあります.

【再試験について】
再試験の試験範囲は前年度のシラバスに準じる.試験は9月の補講週間に実施予定.試験に関する詳細は掲示やメールで連絡するので,注意しておくこと.

【関連科目】 哲学、技術者倫理

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 倫理とは何か 授業の進め方と、倫理についての概要
2週 哲学の形成 ソクラテス以前の哲学者たち
3週 古代のギリシア ギリシアの政治体制とソフィスト
4週 ギリシアの哲学1 ソクラテスの思想とプラトンの哲学1
5週 ギリシャの哲学2 プラトンの哲学
6週 ギリシャの哲学3 アリストテレスの自然学と形而上学
7週 ギリシアの哲学4 アリストテレスの倫理学
8週 ヘレニズム時代の思想 ストア派,エピクロス派,懐疑派を学ぶ.
2ndQ
9週 中間試験 上記の内容から出題する
10週 中間試験の解答、解説
ヘレニズム時代の思想と科学
試験の解答と解説を行う
ヘレニズムの思想の続き.新プラトン主義の思想と科学について学ぶ.
11週 キリスト教1 イエスの教えを中心にキリスト教の成り立ちを学ぶ
12週 キリスト教2 キリスト教の展開とアウグスティヌスら教父の哲学を学ぶ
13週 イスラームと12世紀ルネサンス イスラームの成り立ちや仕組み・信条などを理解する.
イスラームの科学がヨーロッパにどのような影響を及ぼしたのかを理解する.
14週 神について考える 神の存在証明を通して,合理的な思考を訓練する.
15週 期末試験 上記の範囲から出題する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う
後期
3rdQ
1週 ルネサンスと宗教改革 ルネサンスの人文主義とルターとカルヴァン
2週 科学革命 科学革命期の科学者たち
3週 科学の方法論とイギリス経験論 科学の方法論とフランシス・ベーコン
4週 経験論と合理論 経験論の哲学者たちとデカルトと合理論の哲学者について
5週 合理論 デカルトと合理論の哲学者たちの続き
6週 イギリスの社会契約論 ホッブズとロックの社会契約論の差異
7週 啓蒙思想とルソー ルソーの思想と啓蒙思想について学ぶ
8週 中間試験 これまでの内容から出題する
4thQ
9週 中間試験の解答、解説 試験の解答と解説を行う
10週 カント カントの超越論的観念論(認識論)の部分を学ぶ
11週 カント2 カントの道徳哲学について学ぶ
12週 アダム・スミス,功利主義1 アダム・スミスとベンサムの功利主義
13週 功利主義2 ミルの功利主義と消極的自由について
14週 現代の正義論 アメリカの正義論として,ロールズ(自由主義:リベラリズム)とノージック(自由至上主義:リバタリアニズム)を学ぶ
15週 期末試験 これまでの内容から出題する
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。2
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。2
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。2

評価割合

試験大福帳課題発表など合計
総合評価割合801055100
基礎的能力75105090
専門的能力00000
分野横断的能力500510