電気回路

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路
科目番号 0088 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 柴田尚志「電気回路I」コロナ社 、必要に応じて資料を配布する
担当教員 百田 正広,室谷 英彰

到達目標

1. 抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を理解し、正弦波交流回路の計算ができる。
2. 瞬時値、フェーザ、複素数表示を理解し、正弦波交流回路の計算ができる。
3. 交流電力と力率を理解し、計算することができる。
4. エネルギーの消費と地球環境について説明でき、現用発電方式と再生可能エネルギーについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。抵抗R、コイルL、コンデンサCの各素子における電圧と電流の関係を説明できない。
評価項目2瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。瞬時値、フェーザ、複素数表示を説明できない。
評価項目3 交流電力と力率を説明でき、応用レベルの問題を解くことができる。 交流電力と力率を説明でき、公式をあてはめる基礎的な問題を解くことができる。 交流電力と力率を説明できない。
評価項目4エネルギーの消費と地球環境について正しく説明でき、また現用発電方式と再生可能エネルギーについて正しく概要を説明できる。エネルギーの消費と地球環境について、または現用発電方式と再生可能エネルギーについて概要を説明できる。エネルギーの消費と地球環境について説明できない。また現用発電方式と再生可能エネルギーについて概要を説明でない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流回路の解析に必要な基礎的事項を理解する。特に抵抗、コイル、コンデンサの定性的な電気現象を理解する。また、交流電圧、交流電流の基本的概念と交流回路の動作を理解する。さらに、エネルギーの消費と地球環境について理解し、現用発電方式と再生可能エネルギーについても理解する。
授業の進め方・方法:
 座学の講義が主体であるが、随時簡単な実験や演習問題を解く機会を設ける。家での復習がなされていることを前提に講義を進める。適宜、レポート等により理解度を確認する。
注意点:
授業の進み具合によって計画が多少前後する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気回路について 電気回路を用いた家電製品には、どのようなものがあるか紹介できる。
2週 回路素子の基本的性質 電圧と電流の関係および直列・並列接続について説明できる。
3週 オームの法則 直流回路において、オームの法則を使って行う計算について説明できる。
4週 抵抗の直並列接続 直流回路において、抵抗が直列または並列接続された回路計算ができる。
5週 キルヒホッフの法則 直列回路において、第1法則、第2法則を理解し、回路計算ができる。
6週 演習 実験を行うことで各法則を確認し、説明できる。
7週 正弦波交流 正弦波交流を三角関数を使って表すことができる。
8週 前期中間試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
2ndQ
9週 平均値と実効値 瞬時値、最大値、p-p値、平均値、実効値等が説明できる。
10週 抵抗の作用 抵抗と交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
11週 コイルの作用 コイルと交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
12週 コンデンサの作用 コンデンサと交流電圧、交流電流の関係について説明できる。
13週 演習 実験でいろいろな波形を観測した後、理論値との関連について理解し、説明できる。
14週 演習 中間試験以降に学習したことの演習問題を解くことで、理解度を確認できる。
15週 前期末試験 指定した範囲で、理解度が確認できる。
16週 答案返却など 前期末試験の解答と解説から、再確認と修正ができる。
後期
3rdQ
1週 瞬時値を用いた回路計算(1) 並列回路での、交流電流、電圧の大きさと位相、共振について説明できる。
2週 瞬時値を用いた回路計算(2) 直列回路での、交流電流、電圧の大きさと位相、共振について説明できる。
3週 瞬時値を用いた回路計算(3) 並列・直列回路での、交流電流、電圧の大きさと位相、共振について説明できる。
4週 演習 位相差と共振について観測し、説明できる。
5週 フェーザを用いた回路計算 並列・直列回路での、交流電流、電圧の大きさと位相について説明できる。
6週 複素数を用いた回路計算 並列・直列回路での、交流電流、電圧の大きさと位相について説明できる。
7週 演習 前期末試験以降に学習したことの演習問題を解くことで、理解度を確認できる。
8週 後期中間試験 指定した範囲で、理解度を確認できる。
4thQ
9週 交流電力(1) 交流電力(有効電力、無効電力、皮相電力、力率)について説明できる。
10週 交流電力(2) エネルギーの消費と地球環境についての概要を説明できる。
11週 交流電力(3) 現用(水力、火力、原子力)発電方式による発電についての概要を説明できる。
12週 交流電力(4) 再生可能エネルギーによる発電についての概要を説明できる。
13週 演習 本年度学んだ内容すべてに関連する演習問題を解くことで、理解度を確認できる。
14週 演習 本年度学んだ内容すべてに関連する演習問題を解くことで、理解度を確認できる。
15週 後期末試験 指定した範囲で、理解度を確認できる。
16週 答案返却など 前期末試験の解答と解説から、再確認と修正ができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。2
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。1
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。3
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。3
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。3
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。3
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。3
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。3
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。3
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。3
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。3
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。3
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。3
電力水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
情報系分野その他の学習内容オームの法則、キルヒホッフの法則を利用し、直流回路の計算を行うことができる。3

評価割合

試験レポート等合計
総合評価割合8020100
基礎的能力502070
専門的能力30030
分野横断的能力000