応用物理

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理
科目番号 0095 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 小暮陽三、『高専の応用物理』(森北出版)
担当教員 中村 康晴

到達目標

以下を本科目の到達目標とする
(1)与えられた条件下で運動方程式を立て、微積分を使って数学的な解析できる
(2)エネルギーを計算し、エネルギー保存則から現象を理解することができる
(3)互いに相互作用する系について重心などを計算することができる
(4)並進の運動方程式と回転の運動方程式をたてて剛体の運動を計算できる
(5)波動方程式から波の運動を計算できる
(6)量子現象を含む計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
質点の運動方程式与えられた条件について質点の運動方程式を導出し、数学的に解析および物理的な考察ができる与えられた条件について質点の運動方程式を導出し、数学的に解析することができる与えられた条件のもとで質点の運動方程式を導出できない
ポテンシャルとエネルギーポテンシャルからエネルギーを計算することができ、保存力について説明ができるポテンシャルからエネルギーを計算することができる。ポテンシャルからエネルギーを導出できない
多体系物理学と積分の関係を理解し、与えられた条件から物理量を導出できる物理学と積分の関係を理解し、与えられた条件から物理量を計算できる物理学と積分の関係が理解できず、基本的な計算ができない
剛体の運動方程式与えられた条件について剛体の運動方程式を導出し、数学的に解析および物理的な考察ができる与えられた条件について剛体の運動方程式を導出し、数学的に解析することができる与えられた条件のもとで剛体の運動方程式を導出できない
振動と波動波動方程式について理解し、波の様々な性質について解析できる波動方程式について理解し、波の計算ができる波動方程式についての理解が不順分で、基本的な計算ができない
量子現象定常波のシュレーディンガー方程式から波動関数を計算し、量子現象について説明できる定常波のシュレーディンガー方程式から波動関数を計算することができる定常波のシュレーディンガー方程式から波動関数を計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理学は、身の回りの自然現象を解明するための基礎的な学問である。特に、力学はその最も基礎となるものである。1、2、3年で学んだ物理基礎、物理I、II の学習を基礎として、ニュートン力学を中心に、微積分を応用した物理学の方法について講義する。また、力学の他に、現代物理の基礎となる波動及び前期量子論、量子力学の基礎的な内容についても講義する。
授業の進め方・方法:
授業は基本的には教科書を中心として座学で行う。講義内容にはこれまでに勉強してきた数学や物理の知識を含むが授業内での復習は最小限に抑える。
通年の講義の中で学習内容についての演習を6回行う。この演習に関してレポート課題を出し、授業内では順番により決められた学生が黒板で問題を解き、その他の学生に対して説明をしてもらう。

この科目は学習単位であるので予習復習を自学・自修の内容として課する。
・予習と復習(毎回の授業に関してそれぞれ30分程度、計30時間)
注意点:
この科目ではこれまでに学んだ数学及び物理の知識が必要となる。その全てを授業で復習はできないので各自で自分に足りない部分を補うこと。
最終成績は全4回の定期試験の点数を70点分、演習およびレポートの点を30点分として計算する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、運動の表し方 ・本科目で学ぶことの確認
・速度や加速度などの基本事項の理解
2週 運動方程式(1) 速度・位置に依存しない力がある場合について運動方程式を立て、物理量を計算できる
3週 運動方程式(2) 速度・位置に依存する力がある場合について運動方程式を立て、物理量を計算できる
4週 演習1 第1~3週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
5週 仕事と保存力 仕事と力学的エネルギーについて理解し、エネルギーの計算をすることができる
6週 力学的エネルギーの保存 ・運動方程式からエネルギーを導出できるようになる
・保存力と非保存力について学び力学的エネルギー保存則を理解できる。
7週 演習2 /中間試験 第5,6週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
中間試験: 第1~6週までの講義内容の理解度を確認する
8週 作用・反作用の法則、運動量保存則 運動量を力積から計算できるようになり、運動量保存則を理解できる
2ndQ
9週 角運動量保存則 角運動量の概念を理解し、角運動量保存則から単純な回転運動を理解出来る。
10週 各種保存則と力学体系 これまで学んできた保存則を通して力学の体系を理解することができる
11週 演習3 第8~10週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
12週 2体系の運動(1) ・2体系の重心と換算質量を計算することができる。
・重心と相対の運動方程式を立てることができる
13週 2体系の運動(2) 2体系におけるエネルギーと角運動量について計算することができる
14週 演習4 第11,12週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
15週 期末試験 第9~14週までの講義内容の理解度を確認する
16週 答案返却など 試験についての解説、まとめ
後期
3rdQ
1週 剛体の性質 ・剛体の性質を理解することができる
・剛体の重心を計算することができる
2週 慣性モーメント ・慣性モーメントの概念を理解することができる
・慣性モーメントに関するいくつかの公式を使って慣性モーメントを求めることができる
3週 剛体の運動(1) 剛体の運動方程式を使って剛体の運動を解析することができる
4週 剛体の運動(2) 剛体のエネルギー保存則などを使って剛体の運動を解析することができる
5週 剛体を含む二体系の運動 剛体の衝突などについて理解し、計算することができる
6週 演習5/中間試験 第1~5週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
中間試験 : 第1~5週までの講義内容の理解度を確認する
7週 減衰振動と強制振動 ・抵抗力がある場合の振動に関して場合分けをして計算することができる。
・強制力がある場合についての解析ができる
8週 減衰のある強制振動と共鳴曲線 抵抗力と強制力がある場合について計算することができる
4thQ
9週 波動(1) ・波動方程式について理解する
・波の運動を計算することができる
10週 波動(2) ・境界条件を用いて定常波や干渉について計算することができる
・位相速度と群速度について理解する
11週 前期量子論 ボーアの量子条件やラザフォード模型など理解し、計算することができる。
12週 シュレーディンガー方程式と確率解釈 定常状態のシュレディンガー方程式と波動関数を導出できる
13週 不確定性原理、エーレンフェストの定理 ・不確定性原理について説明することができる
・エーレンフェストの定理を使って古典力学と量子力学の間の関係を考えることが出る
14週 演習6 第7~13週までの内容について、事前に配布した問題をもとに演習と解説を行う
15週 期末試験 第8~13週までの講義内容の理解度を確認する
16週 答案返却など 試験についての解説、まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3

評価割合

試験演習演習発表合計
総合評価割合70255100
基礎的能力025530
専門的能力0000
複合問題解析能力700070