概要:
コンピュータの急速な発達により、数値解析法の変化はめざましいものがあるが、基本は変わっていない。その変化が激しいことから、基礎的なことが一層重要となる。すなわち、公式やアルゴリズムが導かれる数学的過程や考え方の理解が求められる。本授業では、これらの基礎的な事柄を理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
これまでに学習した数学を対象に講義を行う。講義前に、自作の資料を配布し講義を行う。適宜演習や、プログラミング演習を行うことで、アルゴリズムを理解する。指定した日時までに提出を求める。
注意点:
この科目は学習単位Ⅰであり、15時間の自学自習が必要である。
最終評価=0.7×(前期中間試験+前期末試験)÷2 +課題点(10点)+ レポート点(20点)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
数値計算誤差 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
数値計算で生じる誤差について説明できる。
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2週 |
代数方程式の解法 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
2分法、ニュートン法の説明と計算ができる。
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3週 |
連立方程式の直接解法と反復解法(1) 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
ガウスの消去法、掃き出し法の説明と計算ができる。
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4週 |
連立方程式の直接解法と反復解法(2) 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
LU分解法、ガウスザイデル法の説明と計算ができる。
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5週 |
演習 : 演習レポート作成を行う。(時間は2時間) |
LU分解法のプログラムを作成する。
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6週 |
固有値問題の解法 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
ヤコビ法などで、固有値・固有ベクトルの説明と計算ができる。
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7週 |
演習 演習問題を解く。再確認に1時間の復習を行う。 |
内容の再確認を行い、理解度を深めることができる。
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8週 |
中間試験 |
指定範囲において、理解度が確認できる。
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4thQ |
9週 |
補間法と関数近似(1) 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
ラグランジュの補間公式の説明と計算ができる。
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10週 |
補間法と関数近似(2) 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
スプライン補間と最小2乗法の説明と計算ができる。
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11週 |
数値積分 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
台形、シンプソンの積分公式の説明と計算ができる。
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12週 |
常微分方程式 内容の理解に1時間の復習(まとめ作成)を行う。 |
オイラー法とルンゲクッタ法の式を利用し計算ができる。
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13週 |
期末試験 |
指定範囲において、理解度が確認できる。
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14週 |
演習 : 演習レポート作成を行う。(時間は2時間) |
数値積分の課題プログラムを作成する。
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15週 |
演習 : 演習レポート作成を行う。(時間は2時間) |
常微分方程式の課題プログラムを作成する。
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16週 |
答案返却など 解答を再確認し理解を深める。(時間は1時間) |
期末試験の解答と解説から、再確認と修正ができる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | 後2 |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | 後9 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | 後3 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | 後3 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | 後3 |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | 後2,後3 |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | 後3 |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。 | 3 | 後3,後4,後5 |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | 後11 |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | 後11 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 後11 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | 後11 |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | 後10 |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | 後10 |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | 後10 |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | 後10 |
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後12 |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後12 |
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 後12 |
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。 | 3 | 後10 |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | 後10 |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | 後12 |
自然科学 | 物理 | 力学 | 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 4 | 後1 |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 4 | 後1 |
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | 4 | 後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12 |