コンピュータアーキテクチャ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャ
科目番号 0123 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子計算機工学
担当教員 栁澤 秀明

到達目標

コンピュータアーキテクチャについて、コンピュータシステムを構成するハードウェア構造と動作の理解を中心に、論理回路を用いた具体的な設計方法を学ぶ。また、ハードウェアとソフトウェアのインタフェースを考慮したコンピュータシステムの設計技術、高速化技法について習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
マイクロプログラムでの命令実行方法を詳細に説明することができる。マイクロプログラムでの命令実行方法を簡単に説明することができる。マイクロプログラムでの命令実行方法を説明できない。
ワイヤードロジックでの命令実行方法を詳細に説明することができる。ワイヤードロジックでの命令実行方法を簡単に説明することができる。ワイヤードロジックでの命令実行方法を説明することができない。
コンピュータシステムの性能を改善する方法について詳細に説明することができる。コンピュータシステムの性能を改善する方法について簡単に説明することができる。コンピュータシステムの性能を改善する方法について説明することができない。
算術論理演算回路の動作について詳細に説明することができる。算術論理演算回路の動作について簡単に説明することができる。算術論理演算回路の動作について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータアーキテクチャについて、コンピュータシステムを構成するハードウェア構造と動作の理解を中心に、論理回路を用いた具体的な設計方法を学ぶ。また、ハードウェアとソフトウェアのインタフェースを考慮したコンピュータシステムの設計技術、高速化技法について習得する。
授業の進め方・方法:
座学の講義を主体とする。授業内容を確実に身につけるために予習復習が必須である。授業の進行状況に応じて内容を変更することがある。
注意点:
基礎コンピュータ工学(1年)、コンピュータ工学(2年)、コンピュータシステム概論(3年)、ディジタル回路(3年)
学年末評価(最大100点)=前期中間20%+前期末20%+後期中間30%+後期末30%+課題点(10点)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス    
2週 CPUの構造 コンピュータシステムの中枢である中央処理装置(CPU)の構造を理解する。
3週 CPUの動作 コンピュータシステムの中枢である中央処理装置(CPU)の動作を理解する。
4週 アドレシングモード オペランドアドレスを指定する各種アドレシング方式について学ぶ。
5週 スタック型モデルコンピュータ1 スタック型モデルコンピュータの命令セットについて学ぶ。
6週 スタック型モデルコンピュータ2 スタック型モデルコンピュータの構成について学ぶ。
7週 スタック型モデルコンピュータ3 機械語命令の実行をマイクロプログラムによって実現する方法を学ぶ。
8週 中間試験 CPUの構造、動作およびマイクロプゴグラム制御方式についての理解を確認する。
2ndQ
9週 CISC型モデルコンピュータ1 CISC型モデルコンピュータの仕様と命令セットについて学ぶ。
10週 CISC型モデルコンピュータ2 CISC型モデルコンピュータの構成について学ぶ。
11週 CISC型モデルコンピュータ3 実行ステージに基づいて状態遷移図を作成する。
12週 CISC型モデルコンピュータ4 演算命令のための制御方法について学ぶ。
13週 CISC型モデルコンピュータ5 分岐命令やメモリアクセスのための制御方法について学ぶ。
14週 復習 CISC型モデルコンピュータについての復習を行う。
15週 期末試験 CPUの構造、動作制御方式についての理解を確認する。
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う。
後期
3rdQ
1週 パイプライン制御1 命令実行の高速化を図る命令パイプライン制御について理解する。
2週 パイプライン制御2 命令パイプライン制御の問題点と対策及び解決策を学ぶ。
3週 パイプライン制御3 命令パイプライン制御の問題点と対策及び解決策を学ぶ。
4週 階層記憶 記憶システムの基礎概念となる記憶の階層化を示し、現在のコンピュータの階層記憶の主な実現形態であるキャッシュメモリについて学ぶ。
5週 キャッシュメモリ キャッシュメモリの構成方式、動作原理について学ぶ。
6週 仮想記憶 仮想記憶システムの構成方式と特徴について学び、ページング方式の動作について理解する。
7週 復習 パイプライン制御、キャッシュメモリ、仮想記憶についての復習を行う。
8週 中間試験 パイプライン制御および階層記憶に関する理解について確認する。
4thQ
9週 入出力装置 入出力の概念および基本方式について学び代表的な入出力装置の動作について理解する。
10週 データ表現と論理回路 コンピュータ内部の数値表現法として固定小数点と浮動小数点を取り上げ、その表現法を理解する。また、論理関数と論理式について理解する。
11週 演算回路 加減算回路について学ぶ。
12週 乗算回路 乗算アルゴリズムに基づいて乗算回路を実現する。
13週 除算回路 除算アルゴリズムに基づいて除算回路を実現する。
14週 復習 データの表現法、演算回路、論理関数についての復習を行う。
15週 期末試験 データ表現、論理回路、演算回路について理解について確認する。
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。4前16,後9,後11
基数が異なる数の間で相互に変換できる。4後9,後10,後11
基本的な論理演算を行うことができる。4後9,後11
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。4後9,後11
論理式の簡単化の概念を説明できる。4後9,後10,後11
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。4後10
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。4後10
組合せ論理回路を設計することができる。4後10
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4前2,前3
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4前2,前3
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後3,後4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4後6,後12
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4前2,前3,後12

評価割合

試験課題合計
総合評価割合10010110
基礎的能力301040
専門的能力70070