集積回路設計

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 集積回路設計
科目番号 0125 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 國枝博昭 「集積回路設計入門」 コロナ社
担当教員 栁澤 秀明

到達目標

集積回路設計における一連の流れを理解する。また、現在の集積回路の主流であるCMOSによる回路の解析と合成ができること、および、LSI設計における設計アルゴリズム(論理回路設計、レイアウト設計)の基本的な考え方が理解できることを求める。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
CMOS回路の動作について詳細に説明することができる。CMOS回路の動作について簡単に説明することができる。CMOS回路の動作について説明することができない。
CMOS回路を用いた回路設計について詳細に説明することができる。CMOS回路を用いた回路設計について簡単に説明することができる。CMOS回路を用いた回路設計について説明することができない。
論理設計について詳細に説明することができる。論理設計について簡単に説明することができる。論理設計について説明することができない。
配置配線について詳細に説明することができる。配置配線について簡単に説明することができる。配置配線について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE d-1 説明 閉じる
到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
集積回路を設計するために必要な、1)半導体デバイス、2)IC製造プロセス、3)CMOS回路設計、4)論理回路設計、5)レイアウト設計 について学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学の講義を基本とし、適時、課題を課すため、予習復習が必須である。
注意点:
ディジタル回路I・II(3年)、ディジタル回路応用(4年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 集積回路の基礎(1)
半導体デバイスの基礎
半導体デバイスの誕生までの歴史を振り返る。集積回路を構成する半導体デバイスの基本を復習する。
2週 集積回路の基礎(2)
集積回路の分類
集積回路の規模、製造方法、回路形式、設計方式による分類について学ぶ。
3週 集積回路の基礎(3)
MOS構造
集積回路でもっとも良く使われているMOS構造とその性質について学ぶ。
4週 集積回路の基礎(4)
MOSプロセスとレイアウト
MOS構造を用いたICのプロセスと個々の素子の配置の実際について学ぶ。
5週 集積回路の基本素子(1)
抵抗と容量
IC中の抵抗素子と容量素子の構造とその性質について学ぶ。
6週 集積回路の基本素子(2)
MOSトランジスタと回路
MOSトランジスタの構造とその動作機構およびそれを用いた回路について復習する。
7週 論理の転送(1)
集積回路における論理動作
MOSICにおける論理動作をMOSトランジスタと容量負荷の関係で説明する。
8週 中間試験 MOS素子の構造と動作および回路、集積回路設計の概要の理解度を確認する出題。
2ndQ
9週 論理の転送(2)
伝送ゲート
答案返却及び解答と解説を行う。pMOS伝送ゲート、nMOS伝送ゲート、CMOS伝送ゲートの動作について学ぶ。
10週 回路設計(1)
論理ゲートの評価基準
論理ゲートの入出力特性、多段接続、しきい値電圧と雑音余裕度について学ぶ。
11週 回路設計(2)
CMOSインバータ
CMOSインバータの動作を復習し、スイッチング特性、消費電力について学ぶ。
12週 回路設計(3)
CMOS論理ゲート
CMOSによるNANDゲート、NORゲートの動作について学ぶ。
13週 回路設計(4)
スタティック論理回路(1)
複合ゲートCMOS論理回路の解析法について学ぶ。
14週 回路設計(5)
スタティック論理回路(2)
複合ゲートCMOS論理回路の合成法について学ぶ。
15週 期末試験 CMOS基本回路および、複合ゲートCMOS回路の解析法と合成法の理解度を確認する出題。
16週 答案返却など 答案用紙を返却し、解答と解説を行う。
後期
3rdQ
1週 論理設計(1)
集積回路における論理設計
集積回路におけるトランジスタ、ゲート、PLAなどを用いた階層設計の概要について学ぶ。
2週 論理設計(2)
データパスと制御論理
データパスと制御論理回路の構成について学ぶ。
3週 論理設計(3)
算術論理演算
算術演算回路のICによる実現に適したブロック構成について学ぶ。
4週 論理設計(4)
メモリ機能とレジスタ
メモリ(レジスタ)機能をスタティックおよびダイナミックに実現する方法について学ぶ。
5週 論理設計(5)
PLA(1)
PLAの回路の実現方法と解析について学ぶ。
6週 論理設計(6)
PLA(2)
論理回路をPLAによって設計する方法について学ぶ。
7週 論理設計(7)
PLA(2)
続き。
8週 中間試験 主として、集積回路に適した算術演算回路の構成法、PLAの解析と合成の理解度を確認する。
4thQ
9週 レイアウト設計(1)
配置アルゴリズム(1)
答案返却及び解答と解説を行う。
ICにおけるレイアウト問題の概要と配置アルゴリズムの考え方について学ぶ。
10週 レイアウト設計(2)
配置アルゴリズム(2)
配置アルゴリズムの一つを取り上げ、それを用いた配置の方法について学ぶ。
11週 レイアウト設計(3)
配置アルゴリズム(3)
続き。
12週 レイアウト設計(4)
チャネル配線アルゴリズム(1)
論理セル間のチャネル配線問題の概要を学ぶ。
13週 レイアウト設計(5)
チャネル配線アルゴリズム(2)
チャネル配線アルゴリズムの一つを取り上げ、それを用いた配線の方法を学ぶ。
14週 レイアウト設計(6)
チャネル配線アルゴリズム(2)
続き。
15週 期末試験 ICにおける配置、配線アルゴリズムの理解を確認する問題を出題する。
16週 答案返却など 答案用紙を返却し、解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野情報基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。4
基本的な論理演算を行うことができる。4
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。4
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。4
論理式から真理値表を作ることができる。4
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000