到達目標
以下の正しい理解を到達目標とする:①リレーショナルデータベースにおける諸概念、②リレーショナルデータモデルとリレーショナル代数、③SQLによる基本操作、④設計論の流れと正規化の基本、及び⑤障害回復の基本的考え方と手法。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| 諸概念、モデル、リレーショナル代数を詳しく説明できる。 | 諸概念、モデル、リレーショナル代数の基本を説明できる。 | 諸概念、モデル、リレーショナル代数の基本を説明できない。 |
| 複雑な問合せをSQLで記述できる。 | 基本的な問合せをSQLで記述できる。 | 基本的な問合せをSQLで記述できない。 |
| データベースの正規化ができる。 | 簡単なデータベースの設計ができる。 | 簡単なデータベースの設計ができない。 |
| 障害回復について詳しく説明できる。 | 障害回復の基本的な手法を説明できる。 | 障害回復の基本的な手法を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE d-1
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到達目標 C 1
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教育方法等
概要:
情報技術の基盤の一つであるデータベース技術について、現在、主流となっているリレーショナルデータベースを中心に学習する。データベースシステムの内容は多岐・広範に渡るため、そのすべてを網羅することはできないが、特に、後にデータベースを使う、あるいは、設計するという立場からの必要となる基本・基礎事項を中心に学んでいく。
授業の進め方・方法:
理解を助けるために、適宜、学習シートを配布する。その内容は、授業で併用する重要事項のまとめや自学・自主用の演習問題などである。なお、本内容を確実に定着させるためには、予習・復習が必須である。
注意点:
【関連科目】 本 科:集合と論理(2年)、情報数学(3年)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
データベースの基本概念(1) データベースとは何か |
データベースとは何かおよびデータベースシステムにおけるデータ管理について学ぶ。
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2週 |
データベースの基本概念(2) データベース管理システム |
データを管理・運用するためのソフトウェア(二ドルウェア)であるデータベース管理システムの主機能について学ぶ。
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3週 |
データベースの基本概念(3) スキーマとインスタンス |
データモデルにおける枠組みであるスキーマと実データであるインスタンスについて学習する。
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4週 |
リレーショナルデータモデル(1) データモデルとデータ構造 |
代表的なデータモデルを概説した後、現在、主流であるリレーショナルデータモデルについて説明する。特に、このモデルには、3年の「情報数学」での“関係(リレーション)”の概念が用いられていることに注意して欲しい。
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5週 |
リレーショナルデータモデル(2) 整合性制約 |
リレーショナルデータモデルにおける整合性制約について学ぶ。特に、“キー”についての正しい理解が必要である。
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6週 |
リレーショナル代数(1) 集合演算 |
リレーショナル代数の説明の後、その中の集合演算について学ぶ。リレーションがタプルの“集合”であることを理解して欲しい。
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7週 |
リレーショナル代数(2) 関係演算・関係完備 |
前回に続き、リレーショナル代数特有の関係演算について学んだ後、リレーショナル代数式およびリレーショナル完備について学習する。
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8週 |
SQL(1) 基本概念、データ定義 |
データベース言語SQLの基本概念について学び、さらに、SQLによるスキーマ定義について学ぶ。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
1~7週についての理解をチェックする。
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10週 |
前期中間試験の解説及び SQL(2) 問合せの基本形 |
試験問題の解説の後、SQLにおける問合せ、いわゆるSELECT文の基本形について学ぶ。
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11週 |
SQL(3) 集計関数・副問合せ |
合計、平均といった集計計算のための関数を用いた問合せおよび入れ子の問合せである副問合せについて学ぶ。
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12週 |
SQL(4) 副問合せ・集合演算 |
より高度な副問合せおよび集合演算について学習する。
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13週 |
SQL(5) データ更新・ビュー |
SQLにおけるデータ更新および仮想の表であるビューの概念ならびにビューの更新問題について学ぶ。
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14週 |
SQL(6) 埋め込みSQL |
汎用プログラミング言語にSQL構文を記述する埋め込みSQLについて学ぶ。
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15週 |
期末試験 |
8、10~14週についての理解をチェックする。
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16週 |
答案返却など |
前期末試験の解説を行う。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
データベース設計論(1) 実体関連モデル・概念設計 |
2段階のデータベース設計の概略とその最初の段階である概念設計によく用いられる実体関連モデルについて学ぶ。
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2週 |
データベース設計論(2) 実体関連モデル・論理設計 |
実体関連モデルの続きについて学んだ後、データベース設計における論理設計および実態関連モデルをリレーショナルデータモデルへ変換する技法について学ぶ。
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3週 |
データベース設計論(3) 更新不整合・無損失分解結合 |
更新不整合の問題とこれを回避するための無損失結合分解について学ぶ。
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4週 |
データベース設計論(4) 関数従属性 |
これから学ぶ高次正規化理論において、大変重要な意味を持つ関数従属性について定義する。特に前期で学習したキーは関数従属性で表現できることを理解して欲しい。
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5週 |
データベース設計論(5) 分解 |
無損失結合分解可能であるための必要十分条件等について学習し、さらに従属性保存分解について学ぶ。
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6週 |
データベース設計論(6) 正規形 |
最も基本である第3正規形について学び、その中間的存在である第2正規形について学ぶ。
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7週 |
データベース設計論(7) 高次正規形 |
ボイス・コッド正規形について学び、さらに高次の正規形を紹介すると共に正規化の考え方についてまとめる。
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8週 |
後期中間試験 |
1~7週についての理解をチェックする。
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の解説及び トランザクションの概念 |
後期中間試験問題を解説した後、データベースシステムにおいて重要な意味をもつトランザクションの概念について学ぶ。
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10週 |
ACID特性 |
トランザクション処理において保障されるべきACID特性及びトランザクションの各状態について学ぶ。
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11週 |
データベースの障害回復(1) 障害の分類 |
データベースにおける障害の分類とバッファを介したディスクへの読み書きについて理解する。
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12週 |
データベースの障害回復(2) 障害回復の基本・ログ |
データベースにおける障害回復の基本及びその回復によく用いられるログについて学ぶ。
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13週 |
データベースの障害回復(3) ログ法 |
ログを用いた具体的な回復法について学習する。
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14週 |
データベースの障害回復(4) チェックポイント法 メディア障害回復法 |
ログ法を効率よく実行するためのチェックポイント法およびメディア障害における回復法を学ぶ。
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15週 |
期末試験 |
9~14週についての理解度をチェックする。
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16週 |
答案返却 |
後期末試験問題の解説を行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | その他の学習内容 | データモデル、データベース設計法に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | |
データベース言語を用いて基本的なデータ問合わせを記述できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |