電子情報通信システム実験

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子情報通信システム実験
科目番号 0133 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電子通信システム系実験指導書、情報システム系実験指導書
担当教員 原田 徳彦,浦上 美佐子

到達目標

最終学年で,情報技術及び電子通信技術を包含する技術をすべての学生が受講する.各テーマに従って,設計・実装を行うことで総合的な実践技術を身につけることができる.
実験結果をわかりやすくプレゼンテーションするとともにレポートにまとめることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子システム系電子通信システム系回路の動作を理解し、基本的な設計・製作ができる。電子通信システム系回路の動作を理解している。電子通信システム系回路の動作を理解していない。
情報システム系情報システム実験課題の動作をよく理解するとともに、効率的な設計・実装ができる.さらに,発展課題を自ら考案し,設計・実装ができる.情報システム実験課題の動作について理解するとともに、設計・実装ができる情報システム実験課題についてわずかに理解している。なんらかの設計・実装を行うことができる
実験報告書実験結果を分析的に考察し,報告書にまとめることができる実験より得られた事実を報告書にまとめることができる実験より得られた事実を報告書にまとめることができない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 B 1 説明 閉じる
JABEE d-2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子通信システム系および情報システム系に関する総合的な各テーマに従って,実体験を通じ,その設計・実装技術を習得する。さらに,個人またはグループによる問題解決能力,レポート作成能力,プレゼンテーション能力を身につけることができる。
授業の進め方・方法:
電子通信システム系実験:
OSOYOOロボットカー初心者キット,NI ELVIS および LabVIEW を用いて,電子通信システム系実験のテーマ「ライントレースカー」および「オペアンプフィルタ」について、7週かけて実験を行う。実験で用いる専門用語および内容を事前に理解するために、実験指導書に記載している予習課題を実施する。
情報システム系実験:
ネットワーキングテクノロジーの包括的な教育・学習ソフトウェアを用いて,情報システム系実験のテーマ「ネットワークシステムの構築」に対して、7週かけて実験を行う。週ごとに実験内容は異なる。なお,1週目に内容説明等を行う。また、実験で用いる専門用語および内容を事前に理解するために、実験指導書に記載している予習課題を実施し、授業開始前に提出する.なお、予習課題の取組みや理解度を確認するために、授業開始時すぐにWebClassによる理解度チェックを行う.

授業時間:
各回の実験は240分で行う。ただし、時間割で実施日の最終時間に割り振りができなかった場合は、別に授業を行い時間を確保する。授業を欠席した場合は、担当教員と相談の上、日を改めて実験を行う。
注意点:
クラスを2つのグループに分ける。前半に「電子通信システム系実験」を行い,後半に「情報システム系実験」を行うグループと,前半に「情報システム系実験」を行い,後半に「電子通信システム系実験」を行うグループがある。

最終成績評価(100点評価):電子通信システム系実験(50点)+情報システム系実験(50点)
 電子通信システム系実験の最終評価=レポート70%+創作30%
 情報システム系実験の最終評価=レポート70%(各予習課題も含めた全課題レポート40%+予習課題取組み10%+理解度確認内容20%)+創作30%(評価方法は授業時に提示)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ライントレースカーの概要説明:ライントレースカーのハードウェア,機体の状態(ライン曲率,オフセット,角度),制御のしくみ ベイズの定理,パーティクルフィルタの原理を説明できる。
2週 センサと状態
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
任意の状態に対するセンサの値を示すプログラムを作成できる。
3週 状態遷移
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
左右の回転や直進による状態遷移を予測するプログラムを作成できる。
4週 プログラム開発
【事前事後学習の内容(2時間)】プログラミング
計測制御プログラムの作成と実走実験
5週 プログラム開発
【事前事後学習の内容(2時間)】プログラミング
計測制御プログラムの作成と実走実験
6週 発表会
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
イルカ形のコースを一周する時間を測定する。正確にスムーズにコースを回ることができる。
7週 オペアンプフィルタ:NI ELVIS計測器スイートを使用してローパス,ハイパス,バンドパスフィルタの特性を測定する。
【事前事後学習の内容(2時間)】レポート作成
回路コンポーネント値の測定,基本オペアンプ回路の周波数応答,ハイパスフィルタ,ローパスフィルタ,バンドパスフィルタ
8週 ネットワークシミュレータ利用準備と動作確認,ネットワーク用語や概念の理解
【事前事後学習の内容(1時間)】実験内容まとめ
・BYOD端末にネットワークシミュレータ環境を構築することができる
・ネットワークの用語・概念について説明できる(ネットワークトポロジ,ルータ,ハブ,OSI7層,TCP/IPの階層,IPアドレス,サブネットマスク,ゲートウェイ,ケーブルの種類,セグメント,pingコマンド,Tracerouteコマンド)
2ndQ
9週 ネットワーク構築1(Routerの機能と通信経路探索)
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
・ユーザ端末のネットワーク設定,Routerの設定を.CLIおよびGUIで行うことができる.
・ルーティングテーブル,通信経路探索について説明することができる.
10週 ネットワーク構築2(Hub,Switchの機能,パケットの可視化)
【事前事後学習の内容(2時間)】予習課題と実験内容まとめ
・HubとSwitchの設定を行うことができる.
・パケットの可視化を行い,HubとSwitchの機能の違いについて説明することができる.
11週 通信経路探索
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
・TCPとUDPプロトコルの違いを説明できる
・PDU,ヘッダ情報,ICMPのType/Codeの違いについて説明することができる
12週 各種サーバの構築とネットワークセキュリティの概念
【事前事後学習の内容(1時間)】予習課題と実験内容まとめ
・各種サーバを設定・公開することができる(DHCPサーバ,WWWサーバ,FTPサーバ、DNSサーバ).
・ユーザ端末と各種サーバ間で無線ネットワークを構築ことができる.
・複数のネットワークセキュリティ(非暗号化方式と複数の暗号化方式)機能を設定すること,説明すること,ができる.
・各種サーバ公開時のサーバサイドセキュリティの設定を改善し,その違いを説明することができる.
13週 Small Officeのネットワーク設計
【事前事後学習の内容(2時間)】予習課題と実験内容まとめ
小規模なネットワーク設計および各機器の設定を行うことができる.
14週 情報システム系実験の プレ� ・授業で実施した内容を基礎とし,創作課題として,独自にネットワーク設計し,各機器の設定と動作実行した内容について、発表することができる.
15週 レポート整理
【事前事後学習の内容(1時間)】レポート作成およびレポート訂正
レポート作成.必要に応じて,再実験やレポートの訂正を行う.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野(実験・実習能力)電気・電子系分野(実験・実習能力)増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4前7
情報系分野(実験・実習能力)情報系分野(実験・実習能力)与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4前9,前10,前11,前12,前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000