画像工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 画像工学
科目番号 0145 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 参考書:画像処理標準テキストブック編集委員会「画像処理標準テキストブック」財団法人画像情報教育振興協会
担当教員 杉村 敦彦

到達目標

テレビジョンなどの従来からの画像処理技術や、コンピュータを用いた画像処理の基礎的なことを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目テレビジョンなどの従来からの画像処理技術や、コンピュータを用いた画像処理の基礎的なことを十分に理解し説明できる。テレビジョンなどの従来からの画像処理技術や、コンピュータを用いた画像処理の基礎的なことを理解し説明できる。テレビジョンなどの従来からの画像処理技術や、コンピュータを用いた画像処理の基礎的なことを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
パーソナルコンピュータでも簡単に画像処理を行えるようになった。このことにより、先端技術を駆使した画像処理が盛んになってきている。一方で、テレビジョンなどの従来からの画像処理技術がある。画像技術について新旧の2つの面から、画像工学について学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期は講義が中心で、適時演習問題を行い理解度を確認する。後期も講義が中心であるが、各テーマごとに計算機を用いた演習を行い、理解を深める。
注意点:
授業中の演習やレポートには自発的に取り組むこと。また、授業内容を理解するためには、予習復習を必ず行うこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス シラバスを用いた授業説明。身近な映像機器やテレビジョンの歴史など。
2週 画像入力装置 真空管方式の画像入力装置や、CMOS、CCD、イメージスキャナ、ドラムスキャナなどの画像入力装置について。
3週 画像出力装置(1) CRT、液晶ディスプレイなどの、ソフトコピー方式の画像出力装置について。
4週 画像出力装置(2) 電子複写方式や加熱方式、インクジェット方式のプリンタなどのハードコピー方式の画像出力装置について。
5週 テレビジョンの歴史と将来 アナログテレビジョンの歴史や、これからのテレビジョンについて。
6週 画像の伝送(1) 画像の伝送方式や、画像通信の分類などについて。
7週 画像の伝送(2) 画像通信の形態やモデル、多重化(TDM、FDM、CDM)などについて。
8週 代表的な画像伝送方式 テレビジョン(NTSC、PAL、SECAM)や、JPEG、H.261、MPEGなどの代表的な画像伝送方式について。
2ndQ
9週 中間試験 画像入出力装置や画像通信方式、テレビジョン、画像の伝送などに関する出題。
10週 試験の解答 中間試験の解答と解説を行う。
11週 ファクシミリ ファクシミリのG1機からG4機について。
12週 画像データの圧縮 画像データ、画像符号化の手順、符号化の分類などについて。
13週 2値画像や濃淡画像の符号化 ランレングス符号化やチェイン符号化などの2値画像における符号化や、濃淡画像で用いられる予測符号化や変換符号化などについて。
14週 動画像の符号化、符号化技術の標準化 フレーム間予測や動き補償フレーム間予測などの動画像における符号化や、ハフマン符号化や修正ハフマン符号化、MR符号化、JPEGなどの符号化について。
15週 期末試験 ファクシミリ、画像の符号化、データの圧縮、多重化などに関する出題。
16週 答案返却など 前期末試験の解答と解説を行う。
後期
3rdQ
1週 コンピュータによる画像データの取り扱い(1) コンピュータによる画像処理の基本的なことについて理解する。画像データの構成やコンピュータ内での取り扱いについても理解する。
2週 コンピュータにによる画像データの取り扱い(2) 実際の画像ファイル(白黒濃淡画像)の取り扱いについて、ヒストグラムを求めることで理解を深める。[演習]
3週 平滑化と雑音除去(1) 移動平均(加重マトリクス)や、メディアンフィルタによる画像の平滑化や雑音除去について理解する。
4週 平滑化と雑音除去(2) 実際の画像ファイルで各種の移動平均やメディアンフィルタを実行してみることにより、理解を深める。[演習]
5週 エッジ抽出(1) 画像におけるエッジの種類や、微分操作によりエッジが検出できることを理解する。また、微分オペレータの種類やその特徴を理解する。
6週 エッジ抽出(2) ラプラシアン、ロバーツ、ソーベルオペレータによるエッジの抽出を実際に行うことで、理解を深める。[演習]
7週 2値化(1) 2値化画像について、その特徴と利用方法について理解する。濃淡画像から2値化画像を生成する場合に、閾値を固定する方法と可変にする方法について理解する。
8週 中間試験 コンピュータにおける画像データの取り扱いや、平滑化、エッジ抽出、2値化について理解しているかどうかを確認する出題。
4thQ
9週 2値化(2) 2値化処理について、固定閾値の求め方や、動的な閾値の求め方について演習を通して理解を深める。[演習]
10週 2次元フーリエ変換(1) 1次元を拡張する形で、2次元フーリエ変換、2次元離散フーリエ変換を理解する。
11週 2次元フーリエ変換(2) 2次元離散フーリエ変換、逆フーリエ変換を行うプログラムを作成することで理解を深める。[演習]
12週 周波数領域でのフィルタ処理 2次元離散フーリエ変換、逆変換を用いた空間周波数領域でのフィルタ処理について理解する。
13週 光と視覚 人間の視覚についての特徴や認知のしくみなどについて理解する。
14週 放射量と測光量、光の発生 光の物理量である、放射量や、人間が感知する測光量、光の発生などについて理解する。
15週 期末試験 基本的な画像処理や、画像の空間周波数領域への変換、逆変換や、周波数領域でのフィルタ処理などについて理解しているかどうかを確認する出題。
16週 答案返却など 後期末試験の解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4
少なくとも一つの具体的なオフィススイート等を使って、文書作成や図表作成ができ、報告書やプレゼンテーション資料を作成できる。4
メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
総合的能力80000020100