ディジタル信号処理

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 ディジタル信号処理
科目番号 0145 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 情報電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 萩原将文 「ディジタル信号処理(第2版・新装版)」森北出版社
担当教員 宮﨑 亮一

到達目標

複合分野の設計能力を身につけるため、
1.フーリエ変換の計算ができ、これに関する公式を適用できる。
2.ラプラス変換の計算ができ、アナログシステムの周波数応答を計算できる。
3.Z変換の計算ができ、これに関する公式を適用できる。
4.ディジタルシステムの周波数応答を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1フーリエ変換の複雑な計算ができ、公式を導出できる。フーリエ変換の計算ができ、公式を適用できる。フーリエ変換の計算ができず、公式を適用できない。
評価項目2ラプラス変換を利用し複雑なアナログシステムの伝達関数の計算ができ、周波数応答も計算できる。ラプラス変換を利用しアナログシステムの伝達関数の計算ができ、周波数応答も計算できる。ラプラス変換を利用したアナログシステムの伝達関数の計算ができず、周波数応答も計算できない。
評価項目3Z変換の複雑な計算ができ、これに関する公式を導出できる。Z変換の計算ができ、これに関する公式を適用できる。Z変換の計算ができず、これに関する公式を適用できない。
評価項目4ディジタルシステムの伝達関数、差分回路方程式、周波数応答を導出できる。ディジタルシステムの伝達関数、差分回路方程式、周波数応答を計算できる。ディジタルシステムの伝達関数、差分回路方程式、周波数応答を計算できない。
評価項目5フィルタの特性について理解し,複雑なIIRフィルタの設計ができる.フィルタの特定について理解し,IIRフィルタの設計ができる.フィルタの特定について理解し,IIRフィルタの設計ができない.

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ディジタル信号処理は、制御システムなど広範囲にわたる分野のシステムを実現するうえで必要な基礎知識である。各分野で必要に応じて信号処理が適用できるようになることを目的とし、信号処理の基礎技術として重要な連続時間系のフーリエ変換等や離散時間系のフーリエ変換、Z変換およびディジタルシステムの解析についても理解する。
授業の進め方・方法:
各回の授業では教科書1に沿ってスライドを用いた講義を行う.スライドはTeamで共有するが,復習や演習用にノートを準備することが好ましい.また,理解度を確認するために項目ごとに学習シートで課題を与える.【最終成績】学習シート:20%, 単元ごとの小テスト:80%
【関連科目】情報と論理(2年)、情報数学(4年)、数値解析(5年)

成績に関しては定期試験は実施せず,各単元の終了時に小テスト実施する.各単元の小テストの正答率が40%以上60%未満の学生に対しては,教員が指示する課題を提出することによって60%に引き上げる.
注意点:
【最終成績】学習シート:20%, 単元ごとの小テスト:80%
【関連科目】フーリエ・ラプラス変換(4年)、数値解析(5年)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
第1章:信号処理とは
第2章:フーリエ級数とフーリエ変換(1)
・フーリエ級数係数を求めることができる.
・複素フーリエ級数を求めることができる.
・フーリエ変換とフーリエ級数の違いを説明できる.
2週 第2章:フーリエ級数とフーリエ変換(2)
第3章:ラプラス変換(1)
・よく用いられる信号のフーリエ変換を求めることができる.
・フーリエ変換の性質を導出することができる.
・ラプラス変換とフーリエ変換の違いを説明できる.
・様々な関数のラプラス変換を求めることができる.
3週 第3章:ラプラス変換(2) ・様々なラプラス変換の性質を導出することができる.
・逆ラプラス変換を求めることができる.
・連続時間システムのアンテ性について説明できる.
4週 第4章:z変換(1) ・z変換とラプラス変換の関係を説明できる.
・信号処理でよく用いられる信号のz変換について説明できる.
5週 第4章:z変換(2) ・様々なz変換の性質を導出できる.
・逆z変換について理解し,様座な信号の逆z変換を求めることができる.
6週 第5章:離散フーリエ変換 ・離散フーリエ変換とフーリエ変換の関係を説明できる.
・様々な離散フーリエ変換の性質を導出できる.
・離散フーリエ変換の演算量について説明できる.
7週 第5章の単元テスト,第2章から第5章までの振り返り
8週 第6章:離散時間システム(1) ・サプリング定理について説明できる.
・システムの伝達関数を求めることができる.
・システムのインパルス応答を求めることができる.
2ndQ
9週 第6章:離散時間システム(2) ・FIRシステムとIIRシステムの違いについて説明できる.
・ディジタル信号処理での基本要素について説明できる.
・離散時間の畳込みを求めることができる.
10週 第6章:離散時間システム(3) ・システムの周波数応答について説明できる.
・離散時間システムの安定性について説明できる.
11週 第7章:高速フーリエ変換 ・高速フーリエ変換のアルゴリズムについて説明できる.
・窓関数の役割について説明できる.
12週 第8章:フィルタ ・フィルタの種類について説明できる.
・簡単なフィルタの設計ができる.
・周波数変換によって他のフィルタ特性へ変換することができる.
13週 第9章:ディジタルIIRフィルタ(1) ・インパルス応答に着目する方法でIIRフィルタを設計できる.
14週 第9章:ディジタルIIRフィルタ(2) ・双一次変換によってIIRフィルタを設計できる.
15週 第9章の単元テスト,第6章から第9章までの振り返り
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前2
簡単な連立方程式を解くことができる。3前4
角を弧度法で表現することができる。3前1
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前1
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前2
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前1
一般角の三角関数の値を求めることができる。3前1
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3前11
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3前11
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3前11
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3前13
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前4
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前4
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。3前1
自然科学物理波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3前1
波の重ね合わせの原理について説明できる。3前1
電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前4
専門的能力分野別の専門工学情報系分野その他の学習内容メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。4前11,前12,前13
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。4前12
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。4前5,前6

評価割合

学習シート単元ごとの小テスト合計
総合評価割合2080100
基礎的能力104050
専門的能力104050