力と変形

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 力と変形
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 テキスト兼学習シートを配布する
担当教員 島袋 淳,海田 辰将

到達目標

・モーメントの定義を理解し、シーソーや天秤等によるつり合い計算ができる。
・トラスやアーチといった代表的な構造形式の強さを感覚的に理解している。
・応力状態に応じた破壊や変形(破断、座屈、圧潰、せん断変形)があることを理解している。
・複数人で作品を作り上げることの楽しさとチームワークの大切さを知る。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標に総合的に判断して十分達している到達目標に総合的に判断して達している到達目標に総合的に判断して達していない

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
土木建築構造物の計画・設計・施工には様々な性能が求められますが、その中でも「安全性」が最も重要です。構造物に作用する力(外力)にはどんなものがあるでしょうか?構造物は、予想される外力に対して安全になるように建設します。これを実現するためには、構造物に作用する外力と、それによって生じる変形の関係を知り、両者の関係を数式で表す学問が必要です。これが2年生以上で学ぶ「構造力学」です。1年次の「力と変形」は、構造力学の導入科目として、目に見えない力と変形の関係や構造物の基本的な構造形式について、様々な模型実験や調査・プレゼンを行うことにより、体験的かつ楽しみながら力学の基礎を学びます。なお、本科目は3年次までに必ず修得してください。
授業の進め方・方法:
この授業では、毎回テーマについての簡単な説明を行った後、模型づくりまたは調査・プレゼンを行います。班のメンバーと協力して効率的に作業を進めてください。作業を進める中で、たくさんの「ふしぎ」や「なぜ?」に遭遇すると思います。これらの疑問については積極的に質問し、その内容を学習シートに記録してください。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ペーパーブリッジコンテスト 「曲げを受ける部材」の力とかたちの関係について感覚的に理解する。(学習シート1)
2週 力と変形(破壊)の種類 物のいろいろな変形性状や破壊形態を調査し、見本を使って表現する。(学習シート2)
3週 力のつり合いとモーメント 身の回りにある道具を使って、モーメントを体感しながらその定義を学ぶとともに簡単なつり合い計算を行う。(学習シート3)
4週 さまざまな構造形式 トラス、ラーメン、アーチ、シェル等の構造形式について調査し、模型によりプレゼンする(学習シート4)
5週 トラスタワーコンテスト
~TAKE1~
パスタと油粘土を使ったタワーを製作し、出来るだけ高く安定したタワーをつくる。作業を通じて自重を理解し、高さを増すための構造的な工夫や破壊現象を学ぶ。(学習シート5)
6週 トラス構造入門 トラス構造の特徴や部材名称などについて講義する。(学習シート6)
7週 トラスタワーコンテスト
~TAKE2~
前回(トラスタワーコンテスト~TAKE1~)の反省と勉強したことを活かし、より高いタワーの製作に取り組む。(学習シート7)
8週 ぷちデザコン(1) バルサ材で橋梁模型を製作し、静的荷重に対する強さを競う。(学習シート8)
2ndQ
9週 ぷちデザコン(2) グループ別の設計および作図作業
10週 ぷちデザコン(3) 部材の切り出し、組み立て作業
11週 ぷちデザコン(4) 部材の切り出し、組み立て作業
12週 ぷちデザコン(5) 部材の切り出し、組み立て作業
13週 ぷちデザコン(6) 部材の切り出し、組み立て作業
14週 ぷちデザコン(7) 載荷実験、後片付け
15週 期末試験 学習した内容について確認するための筆記試験を行う
16週 答案返却など 試験に関する解説。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。3
橋の構成、分類について、説明できる。2
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。2
建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。3
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。3
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。3
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。3
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。3
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合404000020100
基礎的能力0000000
専門的能力4000002060
分野横断的能力040000040