測量学Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 測量学Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 実教出版 測量 他
担当教員 段下 剛志

到達目標

1 有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できる。
2 距離測量を理解し、定誤差を処理できる。また、チェーン測量を理解できる。
3 レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、誤差の処理ができる。
4 トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができる。また、誤差の分類ができ、消去方法を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できる。 有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類をほぼ理解できる。 有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できない。
評価項目2距離測量を理解し、定誤差を良好に処理できる。また、チェーン測量を十分理解できる。距離測量を理解し、定誤差をほとんど処理できる。また、チェーン測量をおよそ理解できる。距離測量を理解し、定誤差を処理できない。また、チェーン測量を理解できない。
評価項目3レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、誤差の処理ができる。レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事がほぼできる。また、野帳に記録し、誤差の処理がほとんどできる。レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができない。また、野帳に記録し、誤差の処理ができない。
評価項目4 トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができる。また、誤差の分類ができ、消去方法を理解できる。 トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事がほぼできる。また、誤差の分類ができ、消去方法をほとんど理解できる。 トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができない。また、誤差の分類ができず、消去方法を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測量は、社会基盤等の計画・設計・施工という行程の中で、多くの場面で用いられる。それ故に、測量学は土木工学・建築学両者に共通する、基礎であり不可欠な技術を学ぶ科目である。
土木建築工学科では、測量系の科目が体系的に構成されており、本科目はその導入の位置づけとなる。授業等を通して、基礎を十分理解してほしい。
授業の進め方・方法:
毎回の講義には、学習シートを用いて、その講義の目的(内容)を最初に示し、内容の理解度チェック項目をさまざま準備することで、理解度チェックを学生、教官双方向から可能とする。また、学生からの要望に対応できるようにする。必要に応じ測量機材の実習を理解度向上のために行う。
注意点:
関連科目 測量学II(2年)、測量学III(4年)、測量学特論(5年)、測量実習(2年)、測量実習(3年)
成績評価:試験成績80%(4回の試験は同等の評価)、学習シート等のポートフォリオ20%
合格基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 土木建築の技術の位置付け
測量学の位置付け
土木建築に関わる技術者の仕事を学習する。また、測量学は、そこでどのようなことを行うのかを学ぶ。
2週 測量の定義、作業
点の位置決定
測量の定義を理解し、次にその作業による分類と用語を学ぶ。点の位置決定を幾何学より学習する。
3週 測量の分類、測量の基準 目的および器械による測量の分類を学ぶ。地球の回転楕円体の形状、数値から日本経緯度原点、日本測地系、世界測地系を学習する。
4週 測量法、有効数字 測量に関する法規(測量士、測量士補他)を学ぶ。測量において重要である精度に関わる有効数字を学習する。
5週 数値の丸め方、演習
有効数字の四則計算
JISで規定されている五捨五入を学ぶ。また、その演習を行う。有効数字の四則計算を学習する。
6週 有効数字の計算演習 五捨五入、有効数字の四則計算を演習を用いて学習する。
7週 再復習、距離測量の概要 距離の定義、距離測量の分類、直接距離測量の方法、使用器具を学習する。
8週 前期中間試験 測量の定義、点の位置決定、測量の分類、有効数字、有効数字の四則演算の確認をする。
2ndQ
9週 巻尺の公差と検定巻尺、巻尺の特性値
許容誤差をJIS検定の種類別に学ぶ。基準巻尺との差である特性値を用い、正確な距離を求める方法を学習する。
10週 直接距離測量の方法 平坦地、傾斜地における直接距離測量の方法を降測法、登測法別に学ぶ。
11週 精密距離測量の概要と精度の表示方法
距離測量の誤差と補正方法(1)
精密距離測量の方法の概要を学び、精度の表示方法を学習する。誤差の種類を学びその補正方法を学習する。
12週 距離測量の誤差とその補正方法(2) 前回に引き続き、誤差の種類とその補正方法を学ぶ。また、重ね合せの法則を学習する。
13週 定誤差の種類とその補正方法のまとめと演習。 距離測量の定誤差の種類と補正方法についてまとめと演習を行う。
14週 チェーン測量の概要と方法、野帳の記入方法 チェーン測量の概要とその具体的な方法について学習する。見取り図式、縦欄式それぞれの野帳記入方法を学習する。
15週 期末試験 距離測量の方法、距離測量での誤差の補正方法。チェーン測量についての学習成果を確認する。
16週 答案返却など 試験の解答・解説を行う。
後期
3rdQ
1週 水準測量の概要 水準測量の定義、分類、用語、機材を学習する。
2週 レベルの基本構造、取り扱い方法(1) ワイレベルを用いてレベルの基本構造を学ぶ。取り扱い方法(内焦式望遠鏡、微動ねじ)を学習する。
3週 レベルの取り扱い方法(2) 据付け方法、焦準方法、自動補償機構を学ぶ。
4週 レベルの操作方法の実習 レベルの据付け方法、焦準方法、さらに、自動補償機構の補償範囲を学習する。
5週 直接水準測量の方法、野帳の記入方法
水準測量の誤差とその消去方法
直接水準測量の方法を学ぶ。野帳の記入方法の種類、誤差の種類とその消去方法を学ぶ
6週 野帳の記入方法(1)(2)と誤差の補正方法 昇降式の野帳の記入方法と誤差の補正方法を学ぶ。器高式の野帳の記入方法とその他の誤差の補正方法を学ぶ。
7週 試験の再復習、交互水準測量の概要 試験の再復習、交互水準測量を行う方法、誤差の消去方法の原理について学習する。
8週 後期中間試験 レベルに関する試験を行う。
4thQ
9週 角測量の概要 セオドライト(トランシット)を用いた角測量の概要(種類、セオドライトの機能)を学習する。
10週 セオドライトの据付け方法
単測法と野帳の記入方法
求心・整準の方法を学習する。単測法の方法と野帳の記入方法を学ぶ。
11週 倍角法と野帳の記入方法 倍角法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。
12週 方向法と野帳の記入方法 方向法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。
13週 角測量の実習 電子セオドライトを用いた角測量の方法の学習を行う。(セオドライトの据付け、倍角法、方向法)
14週 機械誤差の種類と消去方法、総復習 セオドライトの機械誤差の種類と消去方法を学習する。角測量の総復習を行う。
15週 期末試験 角測量を行うためにセオドライトが操作できるか、角測量の方法とデータ処理が出来るか確認するための出題し確認する。
16週 答案返却など 試験問題の解答、解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。2前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。2
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。2
角を弧度法で表現することができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後9,後10,後11,後12,後13,後14
2点間の距離を求めることができる。2前10,前11,前12,前13,前14
内分点の座標を求めることができる。2
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。4前1,前2
測量体系(国家基準点等)を説明できる。4前2,前3
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。3前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14
光波・電波による距離測量を説明できる。3前7,前9,前10,前11,前12,前13
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。3後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
生じる誤差の取扱いを説明できる。3後14
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6
生じる誤差の取扱いを説明できる。3後4,後5,後6
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力200000020
専門的能力6000020080
分野横断的能力0000000