概要:
構造物に生じる力と変形を理解し、構造物を安全かつ経済的にデザインするための力学基礎を学ぶ。構造力学は、第2学年から第4学年に進むにつれてより高度で複雑な問題に取り組むことになる。本授業の前半では、構造物に作用する外力の種類やつり合い計算、反力を学習し、構造力学で最も基本的な静定ばり(単純ばり、片持ちばり、張り出しばり、ゲルバーばり)の断面力図を描くことを目標とする。授業の後半では、間接荷重ばりおよび静定ラーメンの断面力図、静定トラスの部材力計算、外力が作用した任意形状の断面を有する骨組部材について、応力やひずみを計算する方法を学習する。
授業の進め方・方法:
1回の授業は、講義・演習(学習シートまたはレポートに記載)またはその両方から構成し、部分的に解説を織り交ぜる。時間内に終わらなかった問題は家庭学習とし、次回の授業までに解いてくること。構造力学は、1か所つまづくとそれ以降の内容についていけなくなるため、分からなかった項目については教科書や学習シート等を用いた自学自習による復習を必ず行い、教員に質問すること。
注意点:
レポートには、全員必ず提出するもの「必須レポート」の他に、自学自習を促進する目的で「任意レポート」(定期試験で自覚した苦手な単元の振り返りなど)がある。任意レポートの提出は自由であるため未提出による成績評価上の不利益は一切無いが、自身の弱点を克服するために自己学習した証として提出することにより、最終成績に若干(5%以下)考慮する場合がある。
成績評価:試験成績80%(中間試験40%、期末試験40%)、必須レポート20%を原則とする
合格基準:60点以上を合格とする。
再試験:実施する。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
構造力学ガイダンス |
構造力学とは? / 外力の種類 / 現象のモデル化 / 単位換算と接頭語を理解できる。
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2週 |
力の法則(合成・分解) |
作用・反作用の法則 / 力の合成・分解を理解できる。
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3週 |
モーメント(Varignonの定理) |
モーメントの中心・腕の長さ・作用線/Varignonの定理に基づく合力計算 / 曲げモーメントを理解できる。
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4週 |
力のつり合い |
力のつり合い3原則(ΣH=0、ΣV=0、ΣM=0)と応用例を理解できる。
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5週 |
支点の種類と反力計算 |
構造物の支え方 / 反力の数/力のつり合い3原則を用いたはりの反力計算を理解できる。
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6週 |
構造物の種類と断面力 |
部材の支え方と繋ぎ方による構造物の分類/断面力(軸力・せん断力・曲げモーメント)を理解できる。
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7週 |
断面力と自由物体図 |
外力・反力・断面力を記載した自由物体図の描き方/ はりの任意断面における断面力計算を理解できる。
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8週 |
前期中間試験 |
1~7週で学んだ内容を確認するための筆記試験を実施する。
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2ndQ |
9週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り 単純梁の断面力図(1) |
前期中間試験の内容を理解できる。 集中荷重を受ける単純ばりの断面力図を理解できる。
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10週 |
単純ばりの断面力図(2) |
集中荷重・分布荷重を受ける単純ばりの断面力図を理解できる。
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11週 |
片持ちばりの断面力図 |
集中荷重・分布荷重を受ける片持ちばりの断面力図を理解できる。
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12週 |
張り出しばりの断面力図 |
集中荷重・分布荷重を受ける一端/両端張り出しばりの断面力図を理解できる。
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13週 |
ゲルバーばりの断面力図(1) |
ゲルバーばりとは? / 中間ヒンジの役割 / 図解法を理解できる。
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14週 |
ゲルバーばりの断面力図(2) |
集中荷重・分布荷重を受けるゲルバーばりの断面力図を理解できる。
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15週 |
前期末試験 |
9~14週で学んだ内容を確認するための筆記試験を実施する。
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16週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り |
前期末試験の内容を理解できる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
間接荷重ばりの考え方と断面力図 |
間接荷重ばりの考え方および解法を理解し、断面力図を描くことができる。
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2週 |
静定ラーメンの断面力図(1) |
静定ラーメンの種類および解法を理解し、断面力図を描くことができる。
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3週 |
静定ラーメンの断面力図(2) |
静定ラーメンの種類および解法を理解し、断面力図を描くことができる。
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4週 |
静定ラーメンの断面力図(3) |
静定ラーメンの種類および解法を理解し、断面力図を描くことができる。
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5週 |
静定トラスの部材力計算(1)~節点法と断面法~ |
トラス構造の種類を理解し、節点法および断面法によって任意の部材に生じる部材力を計算できる。
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6週 |
静定トラスの部材力計算(2)~節点法と断面法~ |
トラス構造の種類を理解し、節点法および断面法によって任意の部材に生じる部材力を計算できる。
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7週 |
静定トラスの部材力計算(3)~節点法と断面法~ |
トラス構造の種類を理解し、節点法および断面法によって任意の部材に生じる部材力を計算できる。
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8週 |
後期中間試験 |
1~7週で学んだ内容を確認するための筆記試験を実施する。
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4thQ |
9週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り |
後期中間試験の内容を理解できる。
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10週 |
構造材料の力学的性質 ~応力・ひずみの基礎(1)~
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軸力を受ける部材の応力(軸応力)とひずみ(軸ひずみ)、弾性体におけるフックの法則を理解し、簡単な部材の許容応力度設計ができる。
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11週 |
構造材料の力学的性質 ~応力・ひずみの基礎(2)~ |
部材の指示条件と温度変化によって生じる応力とひずみの性質を理解し、簡単な部材の許容応力度設計ができる。
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12週 |
構造材料の力学的性質 ~応力・ひずみの基礎(3)~ |
せん断力によって生じる応力(平均せん断応力)とひずみ(せん断ひずみ)、ポアソン比を理解し、簡単な部材の許容応力度設計ができる。
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13週 |
構造材料の力学的性質 ~応力・ひずみの基礎(4)~ |
曲げモーメントによって生じる応力(曲げ応力)とひずみ(曲げひずみ)、断面係数を理解し、簡単な部材の許容応力度設計ができる。
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14週 |
演習 ~応力・ひずみの基礎~ |
グループワーク形式でレポート、学習シート、教科書等に記載の演習問題に取り組み、お互いに学び合うことができる。
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15週 |
後期末試験 |
9~14週で学んだ内容を確認するための筆記試験を実施する。
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16週 |
答案返却と解説 【任意レポート】答案直しと苦手な単元の振り返り |
後期末試験の内容を理解できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 3 | |
無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 3 | |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 3 | |
恒等式と方程式の違いを区別できる。 | 3 | |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。 | 3 | |
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。 | 3 | |
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
自然科学 | 物理 | 物理 | 物体に作用する力を図示することができる。 | 3 | |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 3 | |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 3 | |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 3 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる. | 3 | |
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | |
力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 4 | |
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。 | 4 | |
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。 | 3 | |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 4 | |
建築系分野 | 構造 | 力の定義、単位、成分について説明できる。 | 4 | |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 4 | |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 4 | |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 4 | |
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。 | 4 | |
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。 | 4 | |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 4 | |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 4 | |