構造力学基礎

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 構造力学基礎
科目番号 0041 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 土木建築工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 崎元達郎著、構造力学(上)、森北出版
担当教員 島袋 淳

到達目標

①いずれの静定ばりでもせん断力図、曲げモーメント図が描け、たわみの計算ができる。②静定トラスの部材力を計算することができる。③いずれの図形でも図心を求めることができ、図心軸回りの断面2次モーメントを求めることができる。④応力、変形について理解する。①~④を学ぶことで、構造力学の基礎となるべきことを習得し、複合分野の基礎となる基本的素養を身に着けることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1到達目標①~④について全て理解し、適切に問題を解くことができる。到達目標①~④についてほぼ理解し、問題を解くことができる。到達目標①~④について理解していない項目が多く、問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造物を安全かつ経済的に設計するための力学の基礎となる一般原理を理解することを目的にしている。以下の項目について講義を行い、各項目について演習を行う。(1)せん断力図と曲げモーメント図 (2)平面図形の性質 (3)静定トラス (4)はりの影響線 (5)主応力とモールの応力円 (6)はりの曲げ応力 (7)はりのたわみとたわみ角  (8)簡単な不静定ばり
以上、(1)~(8)を理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
上記(1)~(8)の項目に対して、理論→演習の流れで理解する。また授業外の学習として、後期以降は学習シートを活用し、その課題から理解を深めていく。
注意点:
2年生の時の基本がしっかりできていること。
最終成績=試験の平均*0.7+課題点(実力確認課題を含む(最大30点))※成績評価は課題等全て提出していることを前提とする

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造力学基礎の内容説明 シラバスに基づいて授業内容を説明。
2週 せん断力図と曲げモーメント(1)  微分方程式によるせん断力図、曲げモーメント図の描き方。単純ばり張り出しばりについて応用問題の解き方を理解する。
3週 せん断力図と曲げモーメント(2) 片持ちばり、間接荷重ばり、ゲルバーばりについて解き方を理解する。
4週 せん断力図と曲げモーメント(3) 主に静定ラーメンについて解き方を理解する。
5週 静定トラス(1)  トラス構造の種類、静定トラス、トラス構造の解き方を理解する。 
6週 静定トラス(2) トラス構造の解き方、節点法と断面法を理解する。
7週 平面図形の性質(1) 断面1次モーメント、断面2次モーメントの定義。図心の求め方を理解する。
8週 まとめ 理解が難しかったところなどを重点的に復習する
2ndQ
9週 中間理解度確認課題 1~8週の内容の確認を行う
10週 平面図形の性質(2) 図心まわりの断面2次モーメントの求め方を理解する。
11週 平面図形の性質(3) 応用問題を理解する
12週 はりの曲げ応力(1)  はりの曲げ応力度の公式の誘導を理解する。
13週 はりの曲げ応力(2) はりの曲げ応力度に関する問題の解き方を理解する。
14週 はりのせん断応力 はりのせん断応力度に関する問題の解き方を理解する。
15週 期末理解度確認課題 10~14週の内容の確認を行う。
(可能であれば、期末試験を行う可能性有)
16週 課題のチェック 課題を返却して解説する。
後期
3rdQ
1週 はりの影響線(1)  はりの影響線の概念、および影響線の描き方について解説。主に単純ばりについて演習を行いその解き方を理解する。
2週 はりの影響線(2) さまざまなはりについて影響線の描き方の演習。最大曲げモーメント、絶対最大せん断力の求め方を理解する。
3週 トラスの影響線(1) 平行弦トラスの影響線の描き方を理解する。
4週 トラスの影響線(2) さまざまなトラスの影響線の描き方を理解する。
5週 影響線についての総合演習 はりおよびトラスの影響線について総合演習を行う。
6週 主応力とモールの応力円(1) はりの主応力を求める式の誘導と解説を理解する。
7週 主応力とモールの応力円(2) モールの応力円の意味を示し簡単な演習を行う。
8週 中間試験 1~7週の内容
4thQ
9週 はりのたわみとたわみ角(1)  はりのたわみとたわみ角に関する微分方程式の誘導を理解する。
10週 はりのたわみとたわみ角(2)  微分方程式を用いて解く方法を理解する。
11週 はりのたわみとたわみ角(3) モールの定理の誘導とたわみ、たわみ角の求め方。共役ばりを理解する。
12週 はりのたわみとたわみ角(4) モールの定理を用いて解く方法の演習。
13週 簡単な不静定ばり 9~12週の応用で簡単な不静定ばりの解法を理解する。
14週 はりのたわみとたわみ角総合演習 理解が難しかったところなどを重点的に復習する
15週 期末試験 9~14週の内容
16週 答案返却など 試験問題を返却して学生の解答を分析。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
簡単な連立方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
角を弧度法で表現することができる。3後6,後7,後8
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前2,前3,前4,前9,後9,後10,後15
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3前2,前3,前4,前9,後9,後10,後15
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前2,前3,前4,前9,後9,後10,後15
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3前2,前3,前4,前9,後9,後10,後15
自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
力の合成と分解をすることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前12,前13,前14,前15
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
力のモーメントを求めることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
重心に関する計算ができる。3前7,前8,前9,前10,前11,前15
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前7,前8,前9,前15
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前10,前11,前15
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4前2,前3,前4,前9
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4前5,前6,前9
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4後1,後2,後3,後8
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4後4,後5,後8
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4前2,前3,前4,前9
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前12,前13,前14,前15
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4後9,後10,後15
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。2前1,後13,後15
建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前8,前9
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。4前10,前11,前15
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。4前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後15
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4前12,前13,前15
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4前12,前14,前15
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4前5,前6,前9
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4前5,前6,前9
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4前2,前3,前4,前9
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4前2,前3,前4,前9
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4後9,後10,後14,後15
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4後13,後15
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4後13,後15

評価割合

試験(理解度確認)発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000