物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物理Ⅰ
科目番号 0046 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『総合物理1-力と運動・熱-』(数研出版)、『総合物理2-波・電気と磁気・原子-』(数研出版)、『セミナー物理基礎+物理』(第一学習社)
担当教員 菊地 右馬

到達目標

(1) 力学,熱, 波動のそれぞれの現象に関する基本的な概念や原理・法則を理解することができる
(2) 物理現象について原理・原則をもとに考察することができる
(3) 授業内で学んだことに基づいて運動・現象を解析することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力学、熱、波動に関する概念が身についており,様々な事象について物理的に考察することができる。力学、熱、波動に関する基本的な概念が身についており,簡単な事象について物理的に考察することができる。力学、熱、波動現象に関する基本的な概念が身についておらず,原理・法則を説明できない。
評価項目2力学、熱、波動に関する発展問題を解くことができる。力学、熱、波動に関する基本問題を解くことができる。力学、熱、波動に関する基本問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期は1年次に学習した物理基礎の内容をもとに一般的な物理現象に関する知識を深める。1年次には解けなかった運動についても説明や解析を行えるようにする。
後期には熱と波動についての講義を行う。熱や温度、音や光などの分野において基本的な物理法則について理解し、現象を説明、解析できるようにする。
授業の進め方・方法:
シラバスに記載の内容に沿って授業を行う。方法としては座学を中心とする。進度については理解度の程度に応じて変更する可能性がある。
評価基準については「試験」に関しては中間と期末のテストの成績で評価する。また、単元毎にレポート課題を設定、提出をもって「演習・レポート」の評価とする。
注意点:
①授業及び学習について
授業内容を理解し、自分で問題が解けるようになることまでが重要なので、問題集などを用いて自学自習を行うようにすること。
②評価について
成績は中間期末試験の点数が80点、途中で配布するレポートの点数が20点の計100点満点で評価をする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス これから一年で学ぶ内容とその流れについて確認する。
2週 剛体のつり合い ・力のモーメントについて理解し、計算することができる。
・「力のつり合い」と「力のモーメントのつり合い」を用いて、剛体のつり合い条件を求めることができる。
3週 剛体の重心と転倒条件 ・剛体の重心について理解し、計算することができる。
・剛体の転倒する条件を数式を使って表すことができる。
4週 仕事 ・物理における仕事について理解し、公式を使って計算することができる・
・仕事率について理解し、簡単な問題を解くことができる
5週 力学的エネルギー : 運動エネルギー 運動エネルギーと仕事との関係について理解することができる。
6週 力学的エネルギー:位置エネルギー ・位置エネルギーと仕事の関係について理解することができる。
・非保存力と保存力の違いについて説明することができる。
7週 力学的エネルギーとエネルギー保存則 ・力学的エネルギー保存則を式を用いて表すことができる。
・運動に対してエネルギー保存則を使って解析することができる。
8週 中間試験 1〜7週の授業内容について理解度の確認を行う。
2ndQ
9週 力積と運動量 ・力積と運動量について理解し、公式を使って計算することができる。
・運動量及び運動量保存則を使って運動の解析をすることができる。
10週 反発係数, 衝突の解析 ・反発係数について理解し、簡単な問題を解くことができる。
・物体の衝突について運動量保存則と反発係数の式を使って計算することができる。
11週 等速円運動 ・角速度や向心力について理解することができる。
・円周上を運動する物体について運動方程式を立てることができる。
12週 慣性力 ・慣性力について説明することができる。
・慣性力がある場合の物体の運動を解析することができる。
13週 万有引力と天体の運動 ・重力と万有引力の関係を理解することができる。
・天体の運動について解析することができる。
・万有引力による位置エネルギーを計算することができる。
14週 単振動 往復運動する物体に関して位置、速度、加速度の間の関係を理解し、計算することができる。
15週 期末試験 9〜14週の授業内容について理解度の確認を行う。
16週 答案返却など 前期の内容をまとめる。
後期
3rdQ
1週 熱と温度 ・物理における熱と温度の概念を説明できる。
・比熱と熱容量を使って簡単な計算を行うことができる。
2週 熱と仕事 熱量の保存から物体から物体への熱の移動について説明することができる。
3週 気体の状態方程式 ・気体の従う状態方程式を理解し、ボイルの法則やシャルルの法則を導くことができる。
・気体分子の運動から気体全体の運動を計算することができる。
4週 熱力学第一法則 ・熱力学における内部エネルギーの概念を理解する。
・熱力学第一法則とエネルギー保存則の関係について説明できる。
5週 気体の状態変化 定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化の4変化について熱力学第一法則を基に計算することができる
6週 熱機関と熱効率 熱機関についてその熱効率を計算することができる。
7週 波の性質、正弦波 波が従う式を理解し、与えられた式から波の情報を抜き出すことができる。
8週 中間試験 1〜7週の授業内容の理解度の確認を行う。
4thQ
9週 波の性質 反射、干渉、屈折、回折などの波特有の現象を説明することができる
10週 ・音速や音の性質について理解できる。
・弦及び気柱の振動により生じる音の高低について理解し、計算できる。
11週 ドップラー効果 ドップラー効果について理解し、観測者が動く場合や音源が動く場合など与えられた条件に応じて計算することができる。
12週 光の屈折、全反射 ・光の屈折に関する公式を使って屈折角を計算することができる。
・光の全反射が起こる条件について理解し、簡単な計算を行うことができる。
13週 光の屈折、レンズ ・凹レンズと凸レンズの性質について理解し、物理的な説明を行うことができる
・レンズに関する式を使って焦点距離などを計算することができる
14週 光の干渉、回折 ・光の波長とスペクトルについて理解する。
・光の光路長を理解し、干渉を及び回折の現象について簡単な計算を行うことができる。
15週 期末試験 9〜14週の授業内容について理解度の確認を行う。
16週 答案返却など 後期の内容をまとめる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000