特別測量学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 特別測量学
科目番号 0066 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 環境・都市システム教科書 測量学I 堤・岡林・山田著(コロナ社)、 環境・都市システム教科書 測量学II 岡林・堤・山田著(コロナ社)
担当教員 上 俊二,佐賀 孝徳

到達目標

1 有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できる。
2 距離測量を理解し、定誤差を処理できる。また、チェーン測量を理解できる。
3 レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、誤差の処理ができる。
4 トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができる。
また、誤差の分類ができ、消去方法を理解できる。
5 基準点測量[トラバース測量、三角測量]に関わる外業・内業を理解できる。
6 細部測量[平板測量]に関わる外業・内業を理解できる。
7 土量[体積]・地積[面積]に関わる外業・内業を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できる。有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類をほぼ理解できる。有効数字、数値の丸め方、有効数字の四則演算、点の位置決定、誤差の種類を理解できない。
評価項目2距離測量を理解し、定誤差を良好に処理できる。また、チェーン測量を十分理解できる。距離測量を理解し、定誤差をほとんど処理できる。また、チェーン測量をおよそ理解できる。距離測量を理解し、定誤差を処理できない。また、チェーン測量を理解できない。
評価項目3レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、誤差の処理ができる。レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事がほぼできる。また、野帳に記録し、誤差の処理がほとんどできる。レベルの操作方法を理解し、水準測量を行う事ができない。また、野帳に記録し、誤差の処理ができない。
評価項目4トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができる。また、誤差の分類ができ、消去方法を理解できる。トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事がほぼできる。また、誤差の分類ができ、消去方法をほとんど理解できる。トランシットの操作方法を理解し、角測量を行う事ができる。また、野帳に記録し、処理する事ができない。また、誤差の分類ができず、消去方法を理解できない。
評価項目5基準点測量の外業・内業が十分できる。基準点測量の外業・内業が概ねできる。基準点測量の外業・内業ができない。
評価項目6細部測量の外業・内業が十分できる。細部測量の外業・内業が概ねできる。細部測量の外業・内業ができない。
評価項目7土量・地積計算が十分できる。土量・地積計算が概ねできる。土量・地積計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測量学は、社会基盤の建設に携わる技術者には、必須で不可欠な技術を学ぶ教科である。計画、設計、施工という行程の中で、計画、設計段階での場所の測量から施工における測量など多く用いられる。そのため、5年次までに測量に関する科目(実習を含む)は、10単位ほど系統的に組み込まれており、1年ではその導入であり、その基礎を十分理解して欲しい。
授業の進め方・方法:
毎回の講義には、学習シートを用いて、その講義の目的(内容)を最初に示し、内容の理解度チェック項目をさまざま準備することで、理解度チェックを学生、教官双方向から可能とする。また、学生からの要望に対応できるようにする。必要に応じ測量機材の実習を理解度向上のために行う。
注意点:
関連科目 測量学III(4年)、測量学特論(5年)、測量実習(2年)、測量実習(3年)

成績評価:試験成績80%(各試験評価同等)、学習シート等のポートフォリオ評価20%
合格基準:60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 土木建築の技術の位置付け 測量学の位置付け
測量の定義、作業 点の位置決定
土木建築に関わる技術者の仕事を学習する。また、測量学は、そこでどのようなことを行うのかを学ぶ。測量の定義を理解し、次にその作業による分類と用語を学ぶ。点の位置決定を幾何学より学習する。
2週 測量の分類、測量の基準
測量法、有効数字
目的および器械による測量の分類を学ぶ。地球の回転楕円体の形状、数値から日本経緯度原点、日本測地系、世界測地系を学習する。
測量に関する法規(測量士、測量士補他)を学ぶ。測量において重要である精度に関わる有効数字を学習する。
3週 数値の丸め方、演習 有効数字の四則計算 有効数字の計算演習 JISで規定されている五捨五入を学ぶ。また、その演習を行う。有効数字の四則計算を学習する。五捨五入、有効数字の四則計算を演習を用いて学習する。
4週 再復習、距離測量の概要
距離の定義、距離測量の分類、直接距離測量の方法、使用器具を学習する。
5週 巻尺の公差と検定巻尺、巻尺の特性値
直接距離測量の方法
許容誤差をJIS検定の種類別に学ぶ。基準巻尺との差である特性値を用い、正確な距離を求める方法を学習する。
平坦地、傾斜地における直接距離測量の方法を降測法、登測法別に学ぶ。
6週 精密距離測量の概要と精度の表示方法
距離測量の誤差と補正方法
精密距離測量の方法の概要を学び、精度の表示方法を学習する。誤差の種類を学びその補正方法を学習する。
7週 定誤差の種類とその補正方法のまとめと演習
チェーン測量の概要と方法、野帳の記入方法
距離測量の定誤差の種類と補正方法についてまとめと演習を行う。チェーン測量の概要とその具体的な方法について学習する。見取り図式、縦欄式それぞれの野帳記入方法を学習する。
8週 中間試験 距離測量の方法、距離測量での誤差の補正方法。チェーン測量についての学習成果を確認する。
2ndQ
9週 水準測量の概要
レベルの基本構造、取り扱い方法(1)
水準測量の定義、分類、用語、機材を学習する。ワイレベルを用いてレベルの基本構造を学ぶ。取り扱い方法(内焦式望遠鏡、微動ねじ)を学習する。
10週 レベルの取り扱い方法(2)
レベルの操作方法の実習
据付け方法、焦準方法、自動補償機構を学ぶ。レベルの据付け方法、焦準方法、さらに、自動補償機構の補償範囲を学習する。
11週 直接水準測量の方法、野帳の記入方法
水準測量の誤差とその消去方法
直接水準測量の方法を学ぶ。野帳の記入方法の種類、誤差の種類とその消去方法を学ぶ
12週 野帳の記入方法(1)(2)と誤差の補正方法 昇降式の野帳の記入方法と誤差の補正方法を学ぶ。器高式の野帳の記入方法とその他の誤差の補正方法を学ぶ。
13週 角測量の概要
セオドライトの据付け方法
単測法と野帳の記入方法
セオドライト(トランシット)を用いた角測量の概要(種類、セオドライトの機能)を学習する。求心・整準の方法を学習する。単測法の方法と野帳の記入方法を学ぶ。
14週 倍角法と野帳の記入方法
方向法と野帳の記入方法
倍角法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。方向法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。
15週 期末試験 レベルに関する試験を行う。角測量を行うためにセオドライトが操作できるか、角測量の方法とデータ処理が出来るか確認するための出題し確認する。
16週 答案返却など 試験の解答・解説を行う。
後期
3rdQ
1週 トラバース測量の概要
測角の点検と角誤差 角誤差の配分
トラバース測量の特長、トラバースの種類、外業および内業について 閉合・結合トラバースの角誤差の計算方法を理解する。閉合・結合トラバースの許容角誤差、角誤差の配分方法を理解する。
2週 方位角・方位の計算
緯距・経距の計算
方位角・方位の計算方法を理解する。
閉合・結合トラバースの緯距・経距の計算方法、許容精度を理解する。
3週 閉合誤差、閉合比の計算
閉合誤差の調整 合緯距・合経距の計算
閉合誤差、閉合比の計算方法、許容精度を理解する。閉合誤差の調整計算方法、測点の座標値(合緯距、合経距)の計算方法を理解する。
4週 倍横距法による面積の計算
座標法による面積の計算
閉合トラバースの面積を求める方法(倍横距法、座標法)を理解する。
5週 間接距離測量の概要
スタジア測量・光波距離計による間接距離測量
巻尺を使用しないで距離を測定する方法について スタジア測量の原理、スタジア公式、スタジア測量の作業と注意事項を理解する。光波距離計の原理、測定方法を理解する。
6週 三角形(多角形)の面積の計算
支距法による面積の計算 座標法による面積の計算
三斜法、三辺法、二辺夾角法による面積の計算を理解する。台形法、シンプソンの第1・第2法則による面積の計算 座標法による面積の計算を理解する。
7週 その他の曲線で囲まれた面積の計算
プラニメーターによる面積の測定
断面法、点高法による体積(土量)の計算
不定形な図形の面積の計算方法 プラニメーターを用いた面積の測定方法を理解する。断面法(角柱公式、両端面公式、中央断面法)、点高法による体積の計算方法を理解する。
8週 中間試験 トラバース測量、間接距離測量、面積・体積の計算について確認するための筆記試験を実施する。
4thQ
9週 平板測量の目的、特徴、測定器具について
平板の据付(評定)平板測量の方法(1)
平板測量の概要 平板の据付方法(致心,整準,定位)を理解する。放射法、道線法を理解する。
10週 平板測量の方法(2)
平板測量の方法(3)
前方交会法、側方交会法を理解する。
後方交会法を理解する。
11週 平板測量の応用
平板測量の許容精度と許容誤差
平板測量によるスタジア測量、水準測量を理解する。平板測量による距離誤差・閉合誤差、平板の据付による許容誤差を理解する。アリダートの外心誤差・視準誤差、磁針による定位誤差を理解する。
12週 三角測量の偏心補正計算
三角測量の調整計算(1)
目標点および観測点に偏心要素がある場合の補正計算の方法を理解する。四辺形の調整計算の方法を理解する。
13週 三角測量の調整計算(2)
三角測量の調整計算(3)
三角鎖の調整計算の方法を理解する。
方位角を測定した場合の調整計算の方法を理解する。
14週 辺長計算、三角水準測量 三角測量による辺長、高低差(標高)の計算方法を理解する。
15週 期末試験 平板測量、三角測量に関する内容を確認するための筆記試験を実施する。
16週 答案返却など 試験問題の解答、解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力200000020
専門的能力6000020080
分野横断的能力0000000