環境衛生工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 環境衛生工学
科目番号 0074 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 山崎 慎一 /編著 PEL編集委員会/監修 「Professional Engineer Library 環境工学」実教出版
担当教員 段下 剛志

到達目標

①地球環境問題と問題解決に向けた取り組みについて理解し、環境社会検定試験と同等レベルの問題を70%以上正答できる。
②上水道工学および下水道工学の基礎知識を修得し、技術士第一次試験(上下水道部門)や公害防止管理者試験(水質部門)と同等レベルの問題を60%以上正答できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 環境問題の理解世界・日本における環境問題と持続可能な社会の形成に向けた取り組みを理解した上で、自分の考えを論理的に述べることができる。世界・日本における環境問題と持続可能な社会の形成に向けた取り組みを理解している。世界・日本における環境問題と持続可能な社会の形成に向けた取り組みに対する理解が不十分(60%未満)である。
評価項目2 下水道工学の基礎の理解下水道工学における基礎知識を修得した上で、装置の設計に関する計算ができる。下水道工学における基礎知識を修得している。下水道工学における基礎知識の修得が不十分(60%未満)である。
評価項目3 上水道工学の基礎の理解上水道工学における基礎知識を修得した上で、装置の設計に関する計算ができる。上水道工学における基礎知識を修得している。上水道工学における基礎知識の修得が不十分(60%未満)である。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
環境衛生工学では、大きく分けて以下の2点について学修する。
①:世界および日本が抱えている(きた)環境問題と問題解決に向けた取り組み
②:生命の源とも呼ばれる水に関する、上水道工学および下水道工学の基礎という観点での工学的知識の習得
①は授業内での演習課題、②は期末試験を中心として理解度を確認する。
地球が現在進行形で抱えている環境問題に対して、一人の土木建築技術者として、そして次の時代を生き抜かなければならない一人の人間として真剣に・工学的に考えるきっかけとなってほしい。
授業の進め方・方法:
授業は教科書、掲示資料、配付資料を用いた講義形式を中心とするが、講義中にグループワーク等によって、演習問題を実施することもある。
講義終了時に教室外学修を課す(内容はその都度説明)。教室外学修の成果は提出を求め、成績評価に含める。
注意点:
計算演習を行う場合があるので、電卓を持参すること。
所定の出席日数を満たした学生に対する最終成績は以下に基づいて決定する。
期末試験100点+演習課題50点+学修成果物50点、合計200点満点に対する得点率:(獲得点数)/200 x 100によって100点満点へ換算し、60点以上で合格とする。
ただし、学修成果物に関しては、取り組み状況に応じてこの限りではない。
なお、期末試験は教室外学修として課した内容を含める場合もある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・持続可能な開発目標 土木建築技術者として、持続可能な開発目標達成のためにどのように貢献できるか、意見を述べることができる。
2週 地球環境問題 各地球環境問題の発生メカニズムと関連性を説明できる。
3週 持続可能な社会 持続可能な社会をめざす国際的取り組みを説明できる。
4週 日本における公害問題と環境政策 日本で制定された公害・環境問題に関する法制度について理解し、国際的取り組みと対比しながらまとめることができる。
5週 物質循環 炭素循環、水循環、および窒素循環について、図示しながら説明できる。
6週 演習課題 第1週〜第5週で学修した内容を正しく理解し、自分自身の考えを述べることができる。
7週 水質指標 水環境の保全に重要な水質指標について説明できる。
8週 水質汚濁と富栄養化 水質汚濁の発生源と、汚濁負荷を計算できる。
2ndQ
9週 下水道の役割としくみ① 下水道の基本計画について説明できる。
10週 下水道の役割としくみ② 下水処理施設のしくみを説明できる。
11週 下水道の役割としくみ③ 標準活性汚泥法について理解し、操作因子に関する計算ができる。
12週 下水道の役割としくみ④ 高度処理について説明できる。
13週 上水道の役割としくみ① 上水道の基本計画について説明できる。
14週 上水道の役割としくみ② 浄水施設のしくみを説明できる。
15週 期末試験
16週 授業のまとめ 授業で学んだ内容を再度確認することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。2前2
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3前7
酸化還元反応について説明できる。3前5,前7
専門的能力分野別の専門工学建設系分野環境地球規模の環境問題を説明できる。4前2,前3
環境と人の健康との関わりを説明できる。4前4
過去に生じた公害の歴史とその内容(環境要因と疾病の関係)について、説明できる。4前4
水の物性、水の循環を説明できる。4前5,前7
水質指標を説明できる。4前7
水質汚濁の現状を説明できる。4前8
水質汚濁物の発生源と移動過程を説明でき、原単位、発生負荷を含めた計算ができる。3前8
水域生態系と水質変換過程(自浄作用、富栄養化、生物濃縮等)について、説明できる。4前8
水質汚濁の防止対策・水質管理計画(施策、法規等)を説明できる。4前9
物質循環と微生物の関係を説明できる。4前5,前11
水道の役割、種類を説明できる。4
水道計画(基本計画、給水量、水質、水圧等)を理解でき、これに関する計算ができる。3前13
下水道の役割と現状、汚水処理の種類について、説明できる。4
下水道の基本計画と施設計画、下水道の構成を説明でき、これに関する計算ができる。3前9
生物学的排水処理の基礎(好気的処理)を説明できる。4前10,前11
汚泥処理・処分について、説明できる。4前11
騒音の発生源と現状について、説明できる。3
廃棄物の発生源と現状について、説明できる。3
廃棄物の収集・処理・処分について、説明できる。3
廃棄物の減量化・再資源化について、説明できる。3
廃棄物対策(施策、法規等)を説明できる。3
環境影響評価の目的を説明できる。4
環境影響評価の現状(事例など)を説明できる。4
環境影響指標を説明できる。3
リスクアセスメントを説明できる。4
ライフサイクルアセスメントを説明できる。4
生物多様性の現状と危機について、説明できる。4
生態系の保全手法を説明できる。4
生態系や生物多様性を守るための施策を説明できる。4
土壌汚染の現状を説明できる。3
建築系分野環境・設備気候、気象について説明できる。4
気温、温度、湿度および気温と湿度の形成について説明できる。4
雨、雪による温度、湿度の関係について説明できる。4
ヒートアイランドの現象について説明できる。4
大気汚染の歴史と現象について説明できる。4
都市環境における緑の役割について説明できる。4

評価割合

試験演習ポートフォリオ相互評価授業態度その他合計
総合評価割合502525000100
基礎的能力551000020
専門的能力45201500080
分野横断的能力0000000