都市計画

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 都市計画
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 都市計画学 学芸出版社 中島直人ほか共著【参考】都市計画教科書(第 3 版) 彰国社 都市計画教育研究会編 ,教員作成の学習シート,具体的な都市の都市計画図(周南市など),日端康夫著「都市計画の世界史」
担当教員 目山 直樹

到達目標

都市計画の体系を理解するとともに、地区レベル、都市レベル、国土レベルで計画するための知識を習得する。また、さまざまな都市データに関する知識を習得し、面的・空間的に計画・設計するための技術を理解する。演習課題では、都市計画の実務に立脚した課題を設定し、知識を生かして、考え、提案 する能力を養う。

1.都市計画の体系を理解し,法定都市計画に関する基礎知識を修得する。
2.土地利用計画に関する基礎知識を修得し,計画立案の手順を解説できる。
3.都市施設計画に関する基礎知識を修得し,計画立案の手順を解説できる。
4.市街地開発事業に関する基礎知識を修得し,計画立案の手順を解説できる。
5.都市空間の計画・設計に関する基礎知識を修得し,計画立案の手順を解説できる。
6.複合的な課題について,基礎知識に基づく調査を行い,具体的な提案や計画立案ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
都市計画の体系都市計画の体系や法定都市計画の知識を理解しね専門用語で説明できる。都市計画の体系について説明できる。都市計画の体系について基礎的な知識を理解していない。
土地利用計画土地利用計画の基礎知識を有し,具体的な計画立案ができる。土地利用計画について説明できる。土地利用計画の基礎的な知識を理解していない。
都市施設計画都市施設計画の基礎知識を有し,具体的に計画立案できる。都市施設計画について説明できる。都市施設計画の基礎的な知識を理解していない。
市街地開発事業市街地開発事業の基礎知識を有し,具体的に計画立案できる。市街地開発事業について説明できる。市街地開発事業の基礎的な知識を理解していない。
都市空間の計画・設計都市空間の計画・設計について具体的に提案できる。都市空間の計画・設計について説明できる。都市空間の計画・設計に関わる基礎的な知識を理解していない。
複合課題に対する提案 (プレゼン課題)複合課題に対し,都市計画の多面的な視点から具体的に提案し、実現性を示すことができる。複合課題に対して都市計画の基礎知識・専門知識をふまえて具体的に提案できる。複合課題に対する提案が未提出、未完成など、できていない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
建設技術者として必要な都市計画・地域計画の基本的な知識や考え方、都市計画の各分野における方法論、計画論を事例を通して 学習する。 講義と演習で構成する。講義には学習シートを使用する。必要に応じて参考資料を提示する。演習課題はレポート作成とプレゼン テーションを行う。
この科目では、かつて企業で都市計画立案業務に従事し、現在は都市計画審議会等で都市計画の実務に従事する教員が、その経験を活かして講義と演習形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
毎回、講義や視聴覚教育、演習(学習シート)を行いながら学習を進めることを基本とする。学習シートは、各項目ごとに理解度の確認のために 使用する。その内容を確実に身につけるために、予習復習が必要である。 事前の学習として,単元に対応した教科書の部分を読んでおくことを推奨する。事後の学習として、毎回、1ページ程度の演習課題(学習シート)を課すので、自宅で学習し、授業開始時または期限までに教員に提出し、評価を受けること。
注意点:
【関連科目】 建築計画(3 年)、道路工学 I(4 年)、建築法規(5 年・選択)、土木法規(5 年・選択)
成績評価 試験(60%)+レポート(20%)+プレゼン課題(20%)
     ※プレゼン課題は土木系と建築系でテーマを別ける予定である。
      プレゼン課題の評価はも事前提出(40%)+プレゼン(20%)+事後修正(40%)
      未提出のプレゼン課題は加点しない。
     ※レポート(学習シート)は、前期分と後期分で半々の配点とする。     

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 都市計画ガイダンス 地域・都市・農村のとらえ方、都市計画の考え方、都市計画の理念等 を概説する。講義方針と演習課題を説明する。
2週 都市と都市計画の歴史 古代・中世・近世・近代の都市史・都市計画史について西洋、中国な どの事例を中心に概説する。現代の都市計画事例について、諸外国の 事例や日本の事例を概説し、今後の学習につながる部分について紹介 する。都市の歴史と技術の関係を理解できる。
3週 都市計画と国土の利用 国土の成り立ちと国土利用計画、国土の総合開発計画、大都市圏や地 方圏の開発計画、地域区分と広域生活圏レベルの計画について学習し,国土レベルの計画の流れを理解できる。
4週 都市の構成要素 1 道路とサーキュレーション 都市における道路や道路網の位置づけ、道路の段階構成、道路ネットワークなどについて理解できる。
5週 都市の構成要素 2 建築と敷地 建築の形態を規定する基本的要因、建築に関する都市からの規制につ いて学習し,その意義や役割を理解できる。
6週 都市の構成要素 3 緑と都市オープンスペース 緑地・オープンスペースの意味、機能、分類、段階構成について学習し、その意義や役割を理解できる。
7週 都市計画の調査方法 1 都市の 把握と解析 市街地規模や都市空間の捉え方を学習し、都市空間構成の実態把握、 計画及びその実現につなげることを理解できる。
8週 都市計画の調査方法 2 計画策定の計量モデル(人口フレーム) 都市と都市計画概念を理解し、都市の構成要素や都市の解析手法などを学び、具体的に人口フレームを立てることができる。
2ndQ
9週 前期中間試験 都市と都市計画の概念を理解し、都市の構成要素や都市の解析手法などを理解していることを確認できる。
10週 答案返却・解説
都市と居住 近隣住区論の適用
中間試験を解説し、今までの重要点への理解を確認する。
近隣住区論の学びから,都市と居住の関係を理解できる。
11週 都市空間構成の計画 市街地規模や都市空間の捉え方などを学び、都市空間構成の計画及び実現手法を理解できる。
12週 都市施設の計画 1 都市交通計画
都市交通の種類、交通機関等の概要、交通需要マネジメントについて学び、都市交通計画について理解できる。
13週 都市施設の計画 2 公園緑地計画 公園・緑地の概要、都市公園法など法制度の基本と、パークシステム ( 公園緑地系統 ) を学習し、公園緑地の配置計画や公園施設の内容について理解できる。
14週 都市施設の計画 3 その他の都市施設の計画 供給処理施設などの都市施設の計画を学習し,これらの都市施設計画について理解できる。
15週 前期期末試験 計画策定の計量モデル、都市と居住、都市の空間構成の計画、都市交通計画・公園緑地計画等の知識と理解について確認する。
16週 解答返却など 前期末試験の解答・解説とともに今までの重要点を確認する。
後期
3rdQ
1週 都市と環境、都市と防災 都市環境に関するキーワードや、都市災害の種類とその歴史、都市計画における防災対策の手法を理解できる。
2週 都市設計・都市デザイン 都市デザインの概念、都市設計のためのキーワード、都市設計の道具と技法等を理解できる。
3週 都市計画法と法定都市計画 都市計画の実現手段としての都市計画法について学び,土地利用、 都市施設、市街地開発事業の各視点から法定都市計画を理解できる。
4週 土地利用の規制・誘導 法定都市計画における土地利用規制の内容や、土地利用計画の立案事例を学習し、土地利用計画の基礎を理解できる。
5週 市街地開発事業 1 土地区画整理事業 土地区画整理事業の目的・概要・特徴・計画の流れ・換地・減歩方式を学習し、市街地開発事業の手法を理解できる。
6週 市街地開発事業 2 市街地再開発事業 市街地再開発事業の目的、区域、手法、計画と管理のあり方について学習し、市街地開発事業の手法を理解できる。
7週 住民参加によるまちづくりの検討・課題3 住民参加型まちづくりとして,身近なまちづくり課題を例に,ワークショップを実践し,意見等の取りまとめについて学習し,参加型まちづくりの手法について理解できる。
8週 後期中間試験 都市と防災、都市設計、都市計画法、土地利用計画、市街地開発事業,参加型まちづくりについての知識と理解を確認する。
4thQ
9週 答案返却・解答・解説
プレゼン課題の説明
後期中間試験の解答・解説とともに今までの重要点を確認する。
プレゼン課題の説明と解説を受け、自身が取り組む都市・地区あるいは路線を設定し、取組み視点などを明示したA4版1ページ程度のレポートを提出する。
10週 プレゼン課題の最初のレポートに対する指導・助言
課題の内容
(土木専攻)周南地域もしくは自身の出身地域の都市を事例に、都市交通プロジェ クトを企画し、導入する施策や技術を示し、提案内容をまとめる。
(建築専攻)自分の住んでいる都市の代表的な街路を設定し、地区計画や建築協定による街並みづくりを案し、出来上がる空間イメージを作成する。
11週 地区計画と建築協定 地区計画制度・総合設計制度・特定街区・建築協定について学習し、 都市空間の計画・設計手法を理解できる。
12週 都市の景観計画 景観法並びに都市の景観計画策定手法について、山口県下の事例 ( 岩国市など ) を通して学習し,都市の景観計画を理解できる。
13週 プレゼン課題のプレゼンテーション (土木系) プレゼン課題で立案した交通プロジェクトについて、各自でプレゼンテーションを行い、指摘事項をふまえて修正し、再提出する。
14週 プレゼン課題4 のプレゼンテーション (建築系) プレゼン課題で立案した美しい街並みづくりについて、各自でプレゼンテーション を行い、指摘事項をふまえて修正し、再提出する。
15週 後期期末試験
後期中間試験以降の単元,並びに全体を通した重要点から出題し、知識と技術の理解について確認する。
16週 解答返却など 後期末試験の解答・解説とともにに 1 年間の学習をふりかえる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野計画国土と地域の定義を説明できる。4
日本、世界における古代、中世および現代の都市計画の思想および理念と実際について、説明できる。4
都市計画法と都市計画関連法の概要について、説明できる。4
土地利用計画と交通計画について、説明できる。4
総合計画とマスタープランについて、説明できる。4
都市計画区域の区域区分と用途地域について、説明できる。4
交通流調査(交通量調査、速度調査)、交通流動調査(パーソントリップ調査、自動車OD調査)について、説明できる。4
交通需要予測(4段階推定)について、説明できる。4
緑化と環境整備(緑の基本計画)について、説明できる。4
風景、景観と景観要素について、説明できる。4
都市の防災構造化を説明できる。4
土地区画整理事業を説明できる。4
市街地開発・再開発事業を説明できる。4
交通流、交通量の特性、交通容量について、説明できる。4
計画の意義と計画学の考え方を説明できる。4
建築系分野計画・歴史現代社会における都市計画の課題の位置づけについて説明できる。4
近現代都市の特質と課題について説明できる。4
近代の都市計画論について説明できる。4
現代にいたる都市計画論について説明できる。4
市街地形成と都市交通のあり方について説明できる。4
街路計画の手法と理念について説明できる。4
日本の土地利用計画の仕組みについて説明できる。4
方法・制度の変遷について説明できる。4
景観形成・風景計画、用途・形態規制の仕組みについて説明できる。4
市街地を開発する仕組みについて説明できる。4
土地区画整理事業について説明できる。4
市街地再開発事業について説明できる。4
地区計画制度について説明できる。4
建築協定・緑化協定などの住民参加・協働のまちづくりの体制について説明できる。4
都市と農村の計画について説明できる。4
都市・地区・地域・建築物の規模に応じた防災に関する計画、手法などを説明できる。4

評価割合

試験レポートプレゼン課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力2010030
専門的能力30101050
分野横断的能力1001020