構造力学基礎

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 構造力学基礎
科目番号 0095 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 土木建築工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 崎元達郎著、構造力学(上)、森北出版
担当教員 島袋 淳

到達目標

いずれの静定ばりでもせん断力図、曲げモーメント図が描け、たわみの計算ができる。静定トラスの部材応力を計算することができる。いずれの図形でも図心を求めることができ、図心回りの断面2次モーメントを求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1下記(1)~(8)について全て理解し、適切に問題を解くことができる。下記(1)~(8)について理解し、問題を解くことができる。下記(1)~(8)について理解していない項目が多く、問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
構造物を安全かつ経済的に設計するための力学の基礎となる一般原理を理解することを目的にしている。以下の項目について講義を行い、各項目について演習を行う。(1)せん断力図と曲げモーメント図 (2)平面図形の性質 (3)静定トラス (4)はりの影響線 (5)主応力とモールの応力円 (6)はりの曲げ応力 (7)はりのたわみとたわみ角  (8)簡単な不静定ばり
授業の進め方・方法:
上記(1)~(8)の項目に対して、理論→演習の流れで講義を進めていく。また後期以降は学習シートを活用し、課題を課し、理解を深めていく
注意点:
2年生の時の基本がしっかりできていること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 構造力学基礎の内容説明 シラバスに基づいて授業内容を説明。
2週 せん断力図と曲げモーメント(1)  微分方程式によるせん断力図、曲げモーメント図の描き方。単純ばり張り出しばりについて応用問題の解き方を理解する。
3週 せん断力図と曲げモーメント(2) 片持ちばり、間接荷重ばり、ゲルバーばりについて解き方を理解する。
4週 せん断力図と曲げモーメント(3) 主に静定ラーメンについて解き方を理解する。
5週 静定トラス(1)  トラス構造の種類、静定トラス、トラス構造の解き方を理解する。 
6週 静定トラス(2) トラス構造の解き方、節点法と断面法を理解する。
7週 平面図形の性質(1) 断面1次モーメント、断面2次モーメントの定義。図心の求め方を理解する。
8週 まとめ 理解が難しかったところなどを重点的に復習する
2ndQ
9週 中間試験
10週 平面図形の性質(2) 図心まわりの断面2次モーメントの求め方を理解する。
11週 平面図形の性質(3) 応用問題を理解する
12週 はりの曲げ応力(1)  はりの曲げ応力度の公式の誘導を理解する。
13週 はりの曲げ応力(2) はりの曲げ応力度に関する問題の解き方を理解する。
14週 はりのせん断応力 はりのせん断応力度に関する問題の解き方を理解する。
15週 期末試験
16週 答案返却など 試験問題を返却して学生の解答を分析。
後期
3rdQ
1週 はりの影響線(1)  はりの影響線の概念、および影響線の描き方について解説。主に単純ばりについて演習を行いその解き方を理解する。
2週 はりの影響線(2) さまざまなはりについて影響線の描き方の演習。最大曲げモーメント、絶対最大せん断力の求め方を理解する。
3週 トラスの影響線(1) 平行弦トラスの影響線の描き方を理解する。
4週 トラスの影響線(2) さまざまなトラスの影響線の描き方を理解する。
5週 影響線についての総合演習 はりおよびトラスの影響線について総合演習を行う。
6週 主応力とモールの応力円(1) はりの主応力を求める式の誘導と解説を理解する。
7週 主応力とモールの応力円(2) モールの応力円の意味を示し簡単な演習を行う。
8週 中間試験
4thQ
9週 はりのたわみとたわみ角(1)  はりのたわみとたわみ角に関する微分方程式の誘導を理解する。
10週 はりのたわみとたわみ角(2)  微分方程式を用いて解く方法を理解する。
11週 はりのたわみとたわみ角(3) モールの定理の誘導とたわみ、たわみ角の求め方。共役ばりを理解する。
12週 はりのたわみとたわみ角(4) モールの定理を用いて解く方法の演習。
13週 簡単な不静定ばり モールの定理を用いた簡単な不静定ばりの解法を理解する。
14週 はりのたわみとたわみ角総合演習 理解が難しかったところなどを重点的に復習する
15週 期末試験
16週 答案返却など 試験問題を返却して学生の解答を分析。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
自然科学物理力学物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
力のモーメントを求めることができる。3前2,前3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前2,前3
重心に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野構造力の定義、単位、要素について説明できる。4前1,前2,前3
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。4前2,前3
力の合成と分解について理解し、計算できる。4前2,前3
力のつり合いについて理解している。4前2,前3
構造物の種類やその安定について理解している。4前2,前3
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。4前2,前3
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前7
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4前10,前11
はりの支点の種類、対応する支点反力を理解し、はりの種類やその安定性について説明できる。4前2,前3
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。4前2,前3
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4前2,前3
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4前2,前3
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4前12,前13
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4前5,前6
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4後1,後2,後3,後4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4後1,後2,後3,後4
ラーメンやその種類について理解している。4前4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4前4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。4前12,前13
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4前12,前13
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。4後7
はりのたわみの微分方程式を理解している。4後9,後10
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4後9,後10
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4後11,後12
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4後13
建築系分野構造力の定義、単位、成分について説明できる。4前1
力のつり合いについて理解している。4前1
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。4前7
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。4前12,前13
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。4前14
トラスの種類を説明でき、トラスの部材力の意味について説明できる。4前5,前6
節点法や切断法を用いて、トラスの部材応力を計算できる。4前5,前6
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。4前2,前3
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。4前2,前3
応力と荷重の関係、応力と変形の関係を用いてはりのたわみの微分方程式を用い、幾何学的境界条件と力学的境界条件について説明でき、たわみやたわみ角を計算できる。4後9,後10
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。4後13
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000