水理学基礎

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 水理学基礎
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 土木建築工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大西外明「最新水理学I」 森北出版
担当教員 佐賀 孝徳

到達目標

静水力学では、物体に作用する全圧力、作用点、浮力、浮体の安定が計算できる。動水力学では、ベルヌーイの定理、連続の式、運動量保存則を管路等に適用し計算することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 静水力学静水力学では、物体に作用する全圧力、作用点、浮力、浮体の安定が計算できる。静水力学では、物体に作用する全圧力、作用点、浮力、浮体の安定が計算ほぼできる。静水力学では、物体に作用する全圧力、作用点、浮力、浮体の安定が計算できない。
評価項目2 動水力学動水力学では、ベルヌーイの定理、連続の式、運動量保存則を管路等に適用し計算することができる。動水力学では、ベルヌーイの定理、連続の式、運動量保存則を管路等に適用し計算することがほぼできる。動水力学では、ベルヌーイの定理、連続の式、運動量保存則を管路等に適用し計算することができない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
静水力学では、次元、次元式について学習した後、圧力の3性質、全圧力、圧力の作用点、浮力、浮体の安定、相対的静止を学習する。動水力学では、完全流体として、エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)、質量保存則(連続の式)、運動量保存則(運動量保存則)を基礎式の導出、問題演習を通して学習する。
授業の進め方・方法:
毎回の講義には、学習シートを用いて、その講義の目的(内容)を最初に示し、内容の理解度チェック項目をさまざま準備することで、理解度チェックを学生、教官双方向から可能とする。また、学生からの要望に対応できるようにする。必要に応じ測量機材の実習を理解度向上のために行う。
注意点:
関連科目  水理学(4年)、河海工学(5年)、水理科学(専攻科1年)、応用水理学(専攻科2年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水理学基礎のガイダンスを行う。 水理学、流体力学では何を学ぶのか。また、学んで、どのような現象が理解できるのかを学習する。
2週 次元、次元式、単位系を学習する。 物理量を次元式で表すことを学習する。LMT,LFT系の相違、絶対単位、工学単位についても学ぶ。
3週 流体の物理的諸性質を学習する。 流体の密度、単位重量、圧縮性、粘性について学習する。
4週 圧力体験を学習する。 プリントを用いて、圧力体験について学習する。
5週 静水圧を学ぶ。 静水圧の強さ、静水圧の性質、絶対圧、ゲージ圧の相違について学習する。
6週 鉛直な平面に作用する静水圧 鉛直な平板に作用する全静水圧、圧力の作用点を学習する。
7週 液柱計(マノメーター) いろいろな液柱計の圧力の計算を学習する。
8週 静水力学の総復習 第1~7週までの総復習、演習問題を行う。
2ndQ
9週 中間試験 次元式、圧力の性質、鉛直な平板に作用する力、液柱計の圧力を問う。
10週 解答と傾斜した平板に作用する静水圧 傾斜した平板に作用する全静水圧、作用点について学習する。
11週 曲面に作用する静水圧 曲面に作用する全静水圧、作用点について学習する。
12週 傾斜した平板、曲面に作用する静水圧の計算演習 傾斜平板、曲面に働く静水圧について演習により学習する。
13週 浮力、アルキメデスの原理 浮力の導出、アルキメデスの原理について学習する。
14週 浮体の安定計算の導出と演習 浮体の安定計算の基礎式の導出、演習について学習する。
15週 期末試験 傾斜した平板、局面に作用する全静水圧、作用点、浮力、浮体の安定について試験を行う。
16週 答案返却など 試験の解説をする。
浮体の安定計算を演習により学習する。
後期
3rdQ
1週 浮体の安定計算の演習その2 浮体の安定計算を演習により学習する。
2週 相対的静止の問題 流体静力学の基礎式と等圧面について学習する。
3週 相対的静止の問題の演習 加速度の加わる流体の水面形を演習により学習する。
4週 完全流体の流れの基礎 完全流体の分類、流線、流跡線、流脈線について学習する。
5週 水の流れ(質量保存則)を学習する。 流体の時空間の運動の取り扱いについて学習する。その中でも、質量保存則である「連続の式」を学ぶ。
6週 オイラーの運動方程式を導出する。 完全流体の運動方程式であるオイラーの運動方程式を導出する。
7週 ベルヌーイの定理(エネルギー保存則)を学習する。 オイラーの運動方程式を積分して、ベルヌーイの定理を導出する。また、その演習を行う。
8週 中間試験 相対的静止、完全流体の流れ、質量保存則、エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)について試験を行う。
4thQ
9週 貯水槽から排出する管の圧力分布ピトー管等 試験の解説をする。ベルヌーイの定理、連続の式よりいろいろな流れについて流速、圧力等を計算する。
10週 ベンチュリ管、演習 連続の式、ベルヌーイの定理について、演習により学習する。
11週 運動量保存則 流体の運動量保存則を導出する。
12週 運動量保存則の演習1 平板に作用する力を計算する。
13週 運動量保存則の演習2 局面に作用する力を計算する。オリフィス板に作用する力を計算する。
14週 運動量保存則の演習3 運動量保存則の総復習を行う。(ベルヌーイ、連続の式も同時に用いる。)
15週 期末試験 運動量保存則について、ベルヌーイ定理、連続の式も用いて理解度を確認する試験を行う。
16週 答案返却など 試験の解答と解説を行う。1年間の学習について質問時間を設ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力200000020
専門的能力6000020080
分野横断的能力0000000