概要:
鉄筋コンクリート構造建築物の構造設計に必要な基本的な知識、考え方、計算方法、製図方法を課題演習により習得および理解できる。
この科目では,企業で建築設計・建築計画業務に従事していた教員が,その経験を活かして課題演習形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
以下の項目について講義を行い、各項目の例題について演習を行う。(1)一般事項・準備計算 (2)鉛直荷重時ラーメン応力の算定 (3)水平荷重時ラーメン応力の算定 (4)はり・柱の断面算定 (5)小ばり・スラブ・基礎・基礎ばり・耐震壁の設計 (6)構造図の製図。
その内容を確実に身につけるために、授業時間外の作業が必須である。
注意点:
成績評価=構造計算書(70点満点)+提出図面(30点満点)
【関連科目】 本 科:建築構造設計(5年)、鉄筋コンクリート工学(4年)、専攻科:構造設計論(専攻科1年)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
一般事項 |
建築概要(伏せ図・ラーメン図)、仕上概要について理解できる
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2週 |
設計方針概要 |
使用材料、材料の許容応力度、許容地耐力度について理解できる
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3週 |
固定荷重・積載荷重の仮定計算 |
床荷重(固定荷重)、梁の自重、床荷重(積載荷重)、柱荷重、壁荷重、その他について理解でき計算できる
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4週 |
ラーメン材の剛比の計算 |
柱の剛比、梁の剛比について理解でき計算できる
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5週 |
鉛直荷重時のモーメント・剪断力の計算 |
鉛直荷重時固定端モーメント、自由端モーメント、自由端剪断力(荷重項)について理解でき計算できる。 【ノート提出1】
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6週 |
鉛直荷重時柱軸方向力の計算 |
各階柱軸方向力の負担面積によって、各階中央位置で計算できる。
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7週 |
地震時水平力の計算 |
地震時水平力は建築基準法施行令第88条によることについて理解でき計算できる。
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8週 |
鉛直荷重時ラーメン応力の計算 |
固定モーメント法理が理解でき計算できる。
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2ndQ |
9週 |
鉛直荷重時ラーメン応力図 |
鉛直荷重時ラーメン応力図が書ける。 【ノート提出2】
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10週 |
水平荷重時ラーメン応力の算定方法 |
鉄筋コンクリート構造耐震計算基準の解説が理解できる。
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11週 |
柱の横力分布係数Dおよび反曲点高比yの計算 |
武藤法による計算ができる。
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12週 |
各階D値の一覧 |
各階D値の一覧 が書ける。 【ノート提出3】
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13週 |
各階柱負担剪断力の計算 |
各階D値と地震力により各階柱負担剪断力を求めることができる。
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14週 |
柱曲げモーメントの計算 |
各階柱負担剪断力と反曲点高比を用いて柱頭、柱脚のモーメントを求めることができる。
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15週 |
水平荷重時ラーメン応力図 |
水平荷重時ラーメン応力図が書ける。 【ノート提出4】
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16週 |
大ばりの断面算定 |
主筋配筋計算ができる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
大ばりの断面算定 |
付着検定計算ができる。
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2週 |
大ばりの断面算定 |
剪断補強計算ができる。 【ノート提出5】
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3週 |
柱の断面算定 |
主筋配筋計算ができる。
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4週 |
柱の断面算定 |
付着検定計算、剪断補強計算ができる。 【ノート提出6】
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5週 |
小ばりおよびスラブの設計 |
小はりの設計、スラブの設計ができる。
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6週 |
耐震壁の設計 |
曲げモーメントに対する検討、剪断力に対する検討、開口部補強ができる。
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7週 |
基礎および基礎ばりの設計 |
基礎底面の直圧力および基礎底面形の算定、基礎スラブの設計ができる。
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8週 |
二次設計必要の有無の検討 |
二次設計必要の有無の検討ができる。 【ノート提出7】
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4thQ |
9週 |
各階ハリ伏せ図、断面図 |
CADによる各階ハリ伏せ図、断面図が製図できる。
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10週 |
柱の配筋断面表製図 |
CADによる柱の配筋断面表製図が製図できる。
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11週 |
はりの配筋断面表製図 |
CADによるはりの配筋断面表製図が製図できる。
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12週 |
ラーメン配筋図製図 |
CADによるラーメン配筋図製図が製図できる。
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13週 |
スラヴ配筋図製図 |
CADによるスラヴ配筋図製図が製図できる。
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14週 |
壁配筋図製図 |
CADによる壁配筋図製図が製図できる。
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15週 |
基礎配筋図製図 |
CADによる基礎配筋図製図が製図できる。
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16週 |
階段配筋図製図 |
CADによる階段配筋図製図が製図できる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 4 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 4 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 4 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 4 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建築系分野 | 構造 | 建築構造の成り立ちを説明できる。 | 4 | 前1 |
建築構造(W造、RC造、S造、SRC造など)の分類ができる。 | 4 | 前1 |
力の定義、単位、成分について説明できる。 | 4 | 前1 |
力のモーメントなどを用い、力のつり合い(合成と分解)に関する計算ができる。 | 4 | |
断面一次モーメントを理解し、図心を計算できる。 | 4 | |
断面二次モーメント、断面相乗モーメント、断面係数や断面二次半径などの断面諸量を計算できる。 | 4 | |
弾性状態における応力とひずみの定義、力と変形の関係を説明でき、それらを計算できる。 | 4 | |
曲げモーメントによる断面に生じる応力(引張、圧縮)とひずみの関係を理解し、それらを計算できる。 | 4 | |
はり断面内のせん断応力分布について説明できる。 | 4 | |
骨組構造物に作用する荷重の種類について説明できる。 | 4 | 前3 |
各種構造の設計荷重・外力を計算できる。 | 4 | 前3 |
はりの支点の種類、対応する支点反力、およびはりの種類やその安定性について説明できる。 | 4 | |
はりの断面に作用する内力としての応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)、応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)について説明することができる。 | 4 | |
不静定構造物の解法の基本となる応力と変形関係について説明できる。 | 4 | |
はり(単純ばり、片持ちはり)の応力を計算し、応力図を描くことができる。 | 4 | |
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)が出来、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。 | 4 | |
偏心圧縮柱の応力状態を説明できる。 | 4 | |
ラーメンやその種類について説明できる。 | 4 | 前1 |
ラーメンの支点反力、応力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その応力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)をかくことができる。 | 4 | 前9 |
静定基本系(例えば、仮想仕事法など)を用い、不静定構造物の応力と、支点反力を求めることができる。 | 4 | |
いずれかの方法(変位法(たわみ角法)、固定モーメント法など)により、不静定構造物の支点反力、応力(図)を計算できる。 | 4 | |
鉄筋コンクリート造(ラーメン構造、壁式構造、プレストレストコンクリート構造など)の特徴・構造形式について説明できる。 | 4 | 前1 |
構造計算の設計ルートについて説明できる。 | 4 | 前1 |
建物の外力と変形能力に基づく構造設計法について説明できる。 | 4 | |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 前16 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | |
主筋の算定ができる。 | 4 | 前16 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 前16 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 前16 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 後2 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 後2 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 4 | |
終局剪断力について説明できる。 | 4 | |
断面内の応力の分布について説明できる。 | 4 | 後3 |
許容曲げモーメントを計算できる。 | 4 | 後3 |
MNインターラクションカーブについて説明できる。 | 4 | 後3 |
主筋の算定ができる。 | 4 | 後3 |
釣合い鉄筋比について説明ができる。 | 4 | 後3 |
中立軸の算定ができる。 | 4 | 後3 |
許容せん断力を計算できる。 | 4 | 後3 |
せん断補強筋の算定ができる。 | 4 | 後3 |
終局曲げモーメントについて説明できる。 | 4 | |
終局剪断力について説明できる。 | 4 | |
基礎形式(直接、杭)の分類ができる。 | 4 | 後7 |
基礎形式別の支持力算定方を説明できる。 | 4 | 後7 |
マグニチュードの概念と震度階について説明できる。 | 4 | 後8 |
地震被害を受けた建物の破壊等の特徴について説明できる。 | 4 | 後8 |