測量学特論

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 測量学特論
科目番号 0142 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 北野芳徳「測量の誤差と最小二乗法」(社)日本測量協会
担当教員 佐賀 孝徳

到達目標

誤差の分類を理解し、不定誤差の確立統計的取り扱いができること、さらに最小2乗法、誤差伝播法則、一般平均がいろいろな課題に適用でき、解決出来るようになる事を目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 誤差の分類理解と誤差伝播法則の活用誤差の分類を理解し、誤差伝播法則を十分活用できる。誤差の分類を理解し、誤差伝播法則を活用できる。誤差の分類を理解し、誤差伝播法則を活用できない。
評価項目2 最小二乗法(観測方程式)観測方程式を用いた最小二乗法を十分活用できる。観測方程式を用いた最小二乗法を活用できる。観測方程式を用いた最小二乗法を活用できない。
評価項目3 最小二乗法(条件方程式)条件方程式を用いた最小二乗法を十分活用できる。条件方程式を用いた最小二乗法を活用できる。条件方程式を用いた最小二乗法を活用できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE d-4 説明 閉じる
到達目標 C 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
測量における誤差の分類を行い、その原因不明の誤差(不定誤差)の取り扱い方法を学習する。主として、誤差の伝播、最確値を求める最小2乗法、一般平均について演習を行いながら学ぶ。
授業の進め方・方法:
測量における誤差論を講義形式で学習する。学習シートにより、その日の講義内容を示し、理解度チェックを行いながら、授業を進める。実習によって得られたデータより最確値を求めることを行う。その内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。
注意点:
関連科目   測量学(1年)、測量学(2年)、測量学(4年)、測量実習(2年)、測量実習(3年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 観測と誤差
最確値と最小2乗法の原理
観測方法の分類、誤差の3つの種類について復習した後、不定誤差の3原則による数学的表示を学習する。さらに、確立論から最確値が最小2乗法より求められる原理を学習する。
2週 誤差の伝播法則 独立観測の誤差が全体の誤差にどのような影響を及ぼすかを示す基礎式の理解と具体的な課題により学習を行う。
3週 誤差の伝播についての演習問題
算術平均と最確値
誤差伝播に関する演習問題を行う。
算術平均と最確値との関係導出、算術平均の平均二乗誤差を学習する。
4週 一般(質量)平均とその演習 精度の異なるデータより最確値を求める一般平均について学習する。演習により、その最確値、平均2乗誤差を求める。
5週 観測方程式による最小2乗法(等重量の場合) 観測方程式による最小2乗法(等重量の場合)の学習とその演習を行う。
6週 観測方程式による最小2乗法(重量の異なる場合 観測方程式による最小2乗法(重量の異なる場合)の学習とその演習を行う。
7週 観測方程式による最小2乗法(等重量、重量の異なるの場合) 観測方程式による最小2乗法(等重量、重量の異なる場合)の演習を行う。
8週 中間試験 誤差の伝播、最小2乗法について出題する。
4thQ
9週 条件方程式による最小2乗法 条件方程式による最小2乗法の学習を行う。
10週 条件方程式による最小2乗法(重量の等しい場合) 条件方程式による最小2乗法(等重量の場合)の学習とその演習を行う。
11週 条件方程式による最小2乗法(重量の異なる場合) 条件方程式による最小2乗法(重量の異なる場合)の学習とその演習を行う。
12週 実習1、角測量、水準測量を行う。(班別) 実習のデータより、最確値を求めるための最小2乗法の学習を行う。
13週 実習2、角測量、水準測量を行う。(班別) 実習のデータより、最確値を求めるための最小2乗法の学習を行う。
14週 観測方程式、条件方程式による最小二乗法の復習 観測方程式、条件方程式による最小2乗法の復習を行う。
15週 期末試験 最小2乗法について出題する。
16週 答案返却など 答案の返却と試験内容の解説、結果の講評を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
1元連立1次不等式を解くことができる。3
基本的な2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
関数のグラフと座標軸との共有点を求めることができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、三角関数表を用いて三角比を求めることができる。一般角の三角関数の値を求めることができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
通る点や傾きから直線の方程式を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。2
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。2
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。2
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
行列の和・差・数との積の計算ができる。3
行列の積の計算ができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
導関数の定義を理解している。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。2
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。4
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
微積分の基本定理を理解している。3
定積分の基本的な計算ができる。3
置換積分および部分積分を用いて、定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
いろいろな関数の偏導関数を求めることができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
2重積分を累次積分になおして計算することができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
基本的な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
専門的能力分野別の専門工学建設系分野測量区域の大小、順序、方法、目的および法律による分類について、説明できる。4
測量体系(国家基準点等)を説明できる。4
巻尺による測量で生じる誤差を説明でき、測量結果から計算ができる。4
光波・電波による距離測量を説明できる。4
単測法、倍角法、方向法を説明でき、測量結果から計算ができる。4
生じる誤差の取扱いを説明できる。4
種類、手順および方法について、説明できる。4
昇降式や器高式による直接水準測量を説明でき、測量結果から計算ができる。4
生じる誤差の取扱いを説明できる。4
測定結果から、面積や体積の計算ができる。4
地形測量の方法を説明できる。4
等高線の性質とその利用について、説明できる。4
単心曲線、緩和曲線、縦断曲線が説明できる。4
GNSS測量の原理を説明できる。4
有効数字、数値の丸め方を説明でき、これを考慮した計算ができる。4
最小二乗法の原理を説明でき、これを考慮した計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力200000020
専門的能力6000020080
分野横断的能力0000000