技術者倫理

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 技術者倫理
科目番号 0166 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 土木建築工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 社団法人日本技術士会倫理委員会「技術士の倫理」社団法人日本技術士会
担当教員 目山 直樹,河村 志朗

到達目標

常に中立公正を堅持し、公益性を確保しながら業務を行う技術者の立場とるべき姿勢を理解できる。
1.基礎的倫理能力について学び、知識として理解できる。
2.問題発見や問題可決能力を身に着け、レポート課題の中で具体的に解答できる。
3.座長として,班のメンバーの意見を聞き、その中から班としての意見や理解をとりまとめ、座長レポートとして作成し、発表することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 基礎的倫理能力技術者倫理の基礎知識、判断能力が高い技術者倫理の基礎知識、判断能力が通常レベルにある技術者倫理の基礎知識、判断能力が不足している
評価項目2 問題発見・解決能力オムニバス課題で問題発見・解決に高い能力を持つオムニバス課題で問題発見・解決に通常の能力を持つ問題発見・解決の能力がやや不足している
評価項目3 取りまとめ・プレゼン能力座長として意見をまとめ、プレゼンする高い能力を発揮している座長として意見をまとめ、プレゼンする能力を満たしている座長やプレゼンを担当する能力がする能力がやや不足している

学科の到達目標項目との関係

到達目標 A 2 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる

教育方法等

概要:
技術者は常に専門技術を磨き、資質を向上させ、責任を持って仕事を行わなければならない.また、仕事においては、良心に基づいて常に中立公正を堅持し,公益性の確保に努めなければならない。しかし、具体的にはどのようにすれば良いのかということは非常に分かりづらい。そこで、実務を遂行する際に現実に生じた事例をもとに、技術者の立場、とるべき姿勢を討議しながら理解を深めて行く。
この科目は、6つのオムニバス授業を、それぞれの担当分野の実務家が講師となり、自身の経験を踏まえた技術者倫理に関わる実例を講義形式で授業を行うものである。また、各オムニバス授業の講師ならびに本校担当教員は、すべて技術士として登録し、実務経験を有するものである。
授業の進め方・方法:
講義の第1回目に技術者倫理が必要とされる背景について考える。第2回目以降は事例研究として2回1テーマで6例のテーマを扱う。学生は各班6名程度のグループ(班)を構成する。オムニバス授業の1回目は各テーマごとに講師の説明の後に討議を行う。班員は交代で座長を努め討議を進める。班員は各自討議のまとめを行いレポートを作成する。座長は討議をとりまとめて座長レポート(報告書・スライド)を作成する。2回目は各班の座長レポートを座長が発表し、会場で質疑応答を行い,講師による解説を受け、理解を深めるものとする。第14回目に模擬試験(15問)を行い、第15回目に全体の講評とまとめを行う。学修内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。事前学習として、教科書を読んでおくこと。事後学習として、各オムニバスに対応した課題レポートを作成し、期限までにとりまとめ教員に提出する。
注意点:
全ての課題レポートを作成し、提出すること。未提出のレポートがある場合は、成績評価を行わない。そのため,公認欠席等で授業を休んだ場合にも、課題を自学自習し、レポートを作成し、提出し、評価を受ける必要がある。
成績評価 最初のレポート(10点)+オムニバスの個人レポート6回(10点×6回,60点)+座長レポートと発表(15点)+確認試験(15点)=100点
※公認欠席等、授業を欠席した際のレポートの提出期限を校内の担当教員に確認すること。オムニバス授業では、1回目の授業でレポートを課し、2回目の授業で課題の解説をするため、2回目の授業より後に提出した提出遅れのレポート(公認欠席などを除く)は、評価点を6割以下と場合があるので、注意すること。
外部から招へいする講師の専門性や都合により、シラバスに示す授業テーマの実施時期が前後する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション(全員) 技術者の倫理とは
なぜ技術者の倫理が問われているか(レポート)
2週 建設分野の技術者倫理(1) 建設と品質管理に関する事例(1)
3週 建設分野の技術者倫理(2) 建設と品質管理に関する事例(2)
4週 河川・水路分野の技術者倫理(1) 農業基盤建設に関する事例(1)
5週 河川・水路分野の技術者倫理(2) 農業基盤建設に関する事例(2)
6週 土木設計分野の技術者倫理(1) 設計と品質管理に関する事例その1(1)
7週 土木設計分野の技術者倫理(2) 設計と品質管理に関する事例その1(2)
8週 応用地質分野の技術者倫理(1) 地質災害・環境に関する事例 (1)
4thQ
9週 応用地質分野の技術者倫理(2) 地質災害・環境に関する事例 (2)
10週 橋梁設計分野の技術者倫理(1) 設計と品質管理に関する事例その2(1)
11週 橋梁設計分野の技術者倫理(2) 設計と品質管理に関する事例その2(2)
12週 上水道分野の技術者倫理(1) 上水道事業と管理者の立場に関する事例(1)
13週 上水道分野の技術者倫理(1) 上水道事業と管理者の立場に関する事例(2)
14週 技術士制度について 技術士制度の紹介と受験準備について学ぶ。
15週 確認試験(目山) 技術士1次試験レベル(適性科目)の模擬試験と解答
16週 まとめ(全員) 成績・授業評価・まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。4
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4

評価割合

試験発表レポート合計
総合評価割合151075100
基礎的能力150015
専門的能力007070
分野横断的能力010515