日本語表現法

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 日本語表現法
科目番号 0003 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械制御工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 焼山廣志・髙槻侑吾『日本語コミュニケーション講義録・演習レポート集 2023年〔改訂版〕』(オリジナルテキスト)
担当教員 髙槻 侑吾

到達目標

【目的】
本授業では、本科で学んだ知識や身につけた能力を基盤として、卒業研究論文よりもさらに高度な特別研究論文を執筆するうえで必要となる論理的な思考力・表現力や、技術者・社会人に求められる実践的な日本語運用能力を身につけることを目的とする。

【到達目標】
①アカデミック・ライティングの技法を理解し、その技法を用いて的確に文章を書くことができる。
②主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを論理的に述べることができる。
③自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を理解し、正しく実践することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
【評価項目①】アカデミック・ライティングの技法を理解し、その技法を用いて的確に文章を書くことができる。アカデミックライティングの技法を理解し、その技法を用いて文章を書くことができる。アカデミックライティングの技法を理解し、その技法を用いて文章を書くことができない。
【評価項目②】主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを論理的に述べることができる。主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを述べることができる。主張の裏づけとなる根拠(資料やデータ)を用いて、自分の考えを述べることができない。
【評価項目③】自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を理解し、正しく実践することができる。自分の考えを効果的に述べるプレゼンテーションの技法を理解し、実践することができる。自分の考えを効果的に述べるプレゼンテーションの技法を理解し、実践することができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
本授業では、本科で学んだ知識や身につけた能力を基盤として、卒業研究論文よりもさらに高度な特別研究論文を執筆するうえで必要となる論理的な思考力・表現力や、技術者・社会人に求められる実践的な日本語運用能力を身につけることを目的とする。そのためには、受講者自身による演習課題に対する真摯な取り組みが不可欠である。このことを念頭に置き、授業には主体的に参加してほしい。
 
授業の進め方・方法:
【授業の進め方】
1週に90分授業を1回実施し、後期(半期)で完結する。なお、シラバスに記載されている授業計画は、進度や受講者の興味・関心、理解度を踏まえて、事前に周知を行ったうえで変更する場合がある。

【授業内容・方法】
本授業ではオリジナルテキスト(教科書)を使用し、教員による講義と受講者主体の演習(文章作成)とを組み合わせる形で進める。適宜、教員との質疑応答や受講者間での意見交流(相互評価、相互文章診断)の機会を設けることで、講義内容に対する理解を深めるとともに、受講者が自立した書き手として自身の作成した文章を客観的に見る(自己診断する)ことができるようにする。なお、演習で作成した課題(下書き)は教員が文章診断を行い、翌週以降の授業で返却・フィードバックする。受講者は教員のコメントを踏まえて書き直し(清書)する。このような、「講義➡演習課題(下書き)➡演習課題(清書)」のサイクルを繰り返すことで内容や表現に磨きをかけ、完成度の高い文章を目指す。そのうえで、最終授業でプレゼンテーションを実施し、〈書くこと〉を通して身につけた日本語運用能力を〈話すこと〉にも応用する。なお、本授業は学修単位科目のため、事前・事後学習が必要である(下記参照)。

〔事前・事後学習について〕
・授業の予習と復習(各週1時間、計14時間)
・演習課題の下書きと清書(各週1時間、計14時間)
・プレゼンテーションの準備(発表原稿とスライドの作成)(5時間)
・レポート作成に向けた準備(文献・資料調査など)(10時間)
・レポート作成(17時間)
 
注意点:
【成績評価方法】
①期末レポート:30%
②演習・課題  :60%
③プレゼンテーション:10%
(①~③の合計:100%)
上記の割合で算出し、総合評価で60点以上を合格とする。

【準備物】
国語辞典(電子辞書も可)、A4判クリアファイル2枚(1枚は配付物を保管するため。もう1枚は返却された課題をポートフォリオにするため)

【受講上の注意点・アドバイス】
①配付されたプリント類を整理し、返却された課題類は紛失しないよう保管すること。
②予習・復習(授業時に具体的に指示する)・課題提出(締切厳守)を必ず行うこと。
③自分なりの考えや問題意識を持ち、それを積極的に他者に表明しようと努めること。
④疑問は放置せず、辞書や情報機器で調べたり、教員に質問したりして解決すること。
⑤授業内容に関連する参考文献を紹介するので、興味・関心を持って触れてみること。
⑥本科・専攻科で学んだ知識や身につけた能力を積極的に活用しようと努めること。

【参考文献】
・木下是雄『理科系の作文技術』(中央公論新社、1981年9月)
・外岡秀俊『おとなの作文教室―「伝わる文章」が書ける66のコツ―』(朝日新聞出版、2018年4月)
・河野哲也『レポート・論文の書き方入門』(慶応義塾大学出版会、2018年7月)※第4版が最新
・戸田山和久『最新版 論文の教室―レポートから卒論まで―』(NHK出版、2022年1月)
※上記以外の参考文献については、適宜、授業内で紹介していく。

【授業担当教員とのコミュニケーション方法】
Teamsチャット、学内メール、直接対話(授業時、オフィスアワー)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
【第1単元】日本語の基礎知識(1)
「話し言葉」と「書き言葉」
半期の学びの見通しを持ち、学習目標・計画を立てることができる。
「話し言葉」と「書き言葉」の違いを正しく理解し、適切な「書き言葉」を用いることができる。
2週 【第2単元】日本語表現の基礎
「伝わる文章」を書く方法(1)
読み手に分かりやすく、正確に伝わる文章を書く方法を正しく理解し、実践することができる。
3週 【第2単元】日本語表現の基礎
「伝わる文章」を書く方法(2)
読み手に分かりやすく、正確に伝わる文章を書く方法を正しく理解し、実践することができる。
4週 【第2単元】日本語表現の基礎
「伝わる文章」を書く方法(3)
読み手に分かりやすく、正確に伝わる文章を書く方法を正しく理解し、実践することができる。
5週 【第3単元】就職活動準備講座
履歴書の書き方
履歴書の書き方を正しく理解し、作成することができる。
6週 【第3単元】就職活動準備講座
エントリーシートの書き方
エントリーシートの書き方を正しく理解し、作成することができる。
7週 【第3単元】就職活動準備講座
自己推薦書の書き方
自己推薦書の書き方を正しく理解し、作成することができる。
8週 【第4単元】日本語の基礎知識(2)
敬語の使い方(1)
敬語の種類と使い方を正しく理解することができる。
4thQ
9週 【第4単元】日本語の基礎知識(2)
敬語の使い方(2)
場面に応じた適切な敬語を用いることができる。
10週 【第5単元】アカデミック・ライティングの技法
順序立てて説明する
作文・レポート・論文の違い、パラグラフ・ライティングについて正しく理解し、説明することができる。
パラグラフ・ライティングにより、物事を順序立てて説明することができる。
11週 【第5単元】アカデミック・ライティングの技法
主張を理由と根拠で支える
パラグラフ・ライティングにより、主張を理由と根拠で支える文章を書くことができる。
12週 【第5単元】アカデミック・ライティングの技法
データの扱いに気をつける
アカデミック・ライティングにおけるデータの扱い方を正しく理解し、実際の文章作成で実践することができる。
13週 【第5単元】アカデミック・ライティングの技法
引用の方法、注・参考文献の書き方
アカデミック・ライティングにおける引用の方法、注・参考文献の書き方を正しく理解し、実際の文章作成で実践することができる。
14週 【第5単元】アカデミックライティングの技法
期末レポートの作成・提出
アカデミック・ライティングの技法を用いてレポートを作成し、提出することができる。
15週 【第6単元】プレゼンテーションの技法
3分でプレゼンテーションする
自分の考えを効果的に伝えるプレゼンテーションの技法を正しく理解し、実践することができる。
16週 期末レポートのフィードバック
授業全体のまとめと振り返り
返却された診断済みレポートを自分で修正することができる。
半期の学びを振り返り、自分の目標到達度と今後の課題を把握することができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。4後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。4後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16

評価割合

期末レポート演習・課題プレゼンテーション合計
総合評価割合306010100
基礎的能力306010100