到達目標
複合分野の設計能力を身に付ける。具体的には、弾性力学に関する以下の能力を身に付ける。
1.弾性問題の支配方程式を理解し、応力関数を用いて簡単な弾性場の解を求めることができる。
2.応力場の概念を理解し、弾性問題を基本的な応力場の解の重ね合わせとして解くことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 弾性問題の支配方程式を理解し、応力関数を用いて簡単な弾性場の解を求めることができる。 | 弾性問題の支配方程式を理解し、応力やひずみの座標変換、主応力と主せん断応力、主ひずみを計算できる。 | 応力やひずみの座標変換、主応力と主せん断応力、主ひずみを計算できない。 |
評価項目2 | 応力場の概念を理解し、弾性問題を基本的な応力場の解の重ね合わせとして解くことができる。 | 応力場の概念を理解し、円孔周りの二次元応力場を一軸引張の応力場の解の重ね合せとして解くことができる。 | 円孔周りの二次元応力場を一軸引張の応力場の解の重ね合せとして解くことができない。 |
学科の到達目標項目との関係
到達目標C 1
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JABEE d-1
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教育方法等
概要:
材料に孔や切欠きなどの形状変化部がある場合、応力は局所的に高い分布を示し(応力集中)、形状変化部から遠ざかるにつれて集中応力は減衰する。このように、弾性力学では応力場の概念を理解することが重要である。本講義では、応力集中および応力場の概念を理解させることに努め、基本的な弾性問題の解を複雑な実際問題に応用し強度評価を行う手法について学習する。
授業の進め方・方法:
講義を主体とし、以下の「授業計画」に沿って授業を進めるが、進行状況によって適宜内容を変更する。
講義した内容の理解度を確認するために、数回の演習を実施する。受講生には、演習問題を自力で解けるように自学自習が必要となる。
この科目は学修単位科目のため、年間60時間の自学自習を必要とする。自学自習時間の目安は次の通りである。
事後学習(理解度チェックなど):52時間
試験勉強:8時間
注意点:
【評価方法】
中間試験及び期末試験の平均点で評価する。演習は講義の理解を深めるための手段とする。達成度が不十分な場合、再試験を行うこともある。
最終評価=(中間試験+期末試験)/2
【関連科目】
本 科:材料力学I(3年)、材料力学II(4年)、弾塑性論(5年)、計算力学(5年)
専攻科:材料強度学(2年)、CAE(2年)
【徳山高専学習・教育目標】C1 【JABEE基準】1(2)d-1
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
【材料力学の復習】 材料力学の基本的な事柄について復習する。 三次元応力状態の表現方法を理解する。 |
三次元応力の表現方法を説明できる。
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2週 |
【3次元問題における応力】 三次元問題における平衡方程式、応力の座標変換、主応力および主せん断応力について説明する。 |
三次元応力場が与えられた場合に、釣合い状態の確認、任意面に作用する応力、主応力と主せん断応力を計算できる。
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3週 |
【3次元問題におけるひずみ】 三次元問題における変位とひずみの関係、ひずみの座標変換、主ひずみおよび適合条件について理解する。 |
三次元ひずみ場が与えられた場合に、任意面に生じるひずみと主ひずみを計算できる。
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4週 |
【三次元問題における構成式と弾性破損の法則】 一般化されたフックの法則、相当応力について理解する。 |
三次元応力場が与えられた場合に、相当応力を計算し、弾性破損(降伏)するか調べることができる。
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5週 |
【円柱座標系における基礎式】 円柱座標系における弾性問題の基礎式について理解する。 |
円柱座標系における弾性問題の基礎式を説明できる。
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6週 |
【二次元問題における基礎式】 二次元問題における弾性問題の基礎式について理解する。 |
二次元応力場が与えられた場合に、任意面に作用する応力、主応力と主せん断応力を計算できる。
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7週 |
【エアリーの応力関数(1)】 応力関数を用いて、簡単な弾性場を導く手法を理解する。 |
xy座標系で表示された応力関数を用いて、簡単な弾性場を導くことができる。
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8週 |
【エアリーの応力関数(2)】 極座標系で表示された応力関数を用いて、厚肉円筒の解を導く手法を理解する。 |
極座標系で表示された応力関数を用いて、簡単な弾性場を導くことができる。
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4thQ |
9週 |
【中間試験】 応力やひずみの座標変換を利用した問題およびエアリーの応力関数を用いた問題について出題する。 |
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10週 |
【孔および切欠きによる応力集中】 円孔および切欠きを持つ板の応力集中を説明する。 |
円孔周りの二次元応力場を、一軸引張の応力場の階を重ね合せることで導くことができる。
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11週 |
【重ね合わせの原理に基づく応力場の近似計算】 基本的な問題の解を利用して、種々の実際問題へ応用する手法を理解する。等価だ円の概念を理解する。 |
重ね合わせの原理を用いて、種々の問題の応力集中係数を計算できる。
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12週 |
【き裂の応力場と応力拡大係数】 き裂先端の応力場を支配する応力拡大係数の物理的意味を理解する。 |
き裂先端の応力拡大係数を概算できる。
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13週 |
【一様断面棒のねじり】 一様断面棒のねじり問題の解法の概要について解説する。 |
一様な円形断面棒のねじりについて、プラントルの方法でせん断応力を求めることができる。
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14週 |
【直径が一様でない丸棒のねじり】 直径が一様でない丸棒のねじりについて概要を解説する。 |
フィレット部を有する丸棒のねじりについて、応力集中係数をチャートから選択できる。
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15週 |
【期末試験】 中間試験以降の内容について出題する。特に基本的な問題の解を用いて実際的な応用問題を解くことに重点を置く。 |
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16週 |
【まとめ】 試験問題を解説し、理解が不十分なところについて詳述する。 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | 後1 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | 後1,後2 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | 後1,後2 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後5,後6,後7,後8 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後5,後6,後7,後8 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 後1,後4,後5,後6 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | 後13 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | 後13 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 後2,後6 |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 4 | 後6 |
評価割合
| 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 |