流体制御工学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流体制御工学
科目番号 0011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械制御工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 中村育雄、大坂英雄「工科系流体力学」(共立出版)
担当教員 張間 貴史

到達目標

1. 流体の運動を支配するナビエ・ストークス運動方程式を理解し、それぞれの流れ場で運動方程式を立て、それぞれの項の意味するところを理解し、各種の流れ場において、どの項が重要な役割を演じるかが判別できる。
2.流体の流れ場を制御する場合、ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、どのような方法を用いることによって、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
運動方程式の理解応用問題を含めた粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができる。応用問題を含まない粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができる。応用問題を含まない粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができない。
流体の制御応用問題を含めた実際の流れ場を制御する場合、 ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。応用問題を含まない実際の流れ場を制御する場合、ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。応用問題を含まない実際の流れ場を制御する場合、ナビア・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標C 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
流体の制御は、流体力学の応用となる。まずは、流体の運動を支配するナビエ・ストークス運動方程式の理解が必要である。それぞれの流れ場で運動方程式を立て、それぞれの項の意味するところを理解することが肝要である。それによって、各種の流れ場において、どの項が重要な役割を演じるかが判別できるようになる。この知識を基に流体を制御する場合、どの項について注目し、どのような方法を用いることによって、流れ場を制御できるようになるかを習得する。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業ではあるが、個人ワーク、ペアワーク、グループワークを主体とした学習を中心とする。数学および物理の知識を元にした式の展開だけでなく、ICTツールを用いた流体の支配方程式の理解も深める。
注意点:
最終成績 = 課題 × 0.6 + 期末試験 ×0.4

この科目は学修単位科目のため,以下のような自学自習を必要とします。
 ・事前事後に該当範囲を学習する。(合計7時間)
 ・課題を授業時間外に行う。(合計8時間)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物体周りの流れ これまでに学んだ流れ場のほかに、工学的に重要な流れ場を理解できる.
2週 流体要素に作用する力 流体要素に作用する力を理解できる.
3週 ナビア・ストークス方程式の誘導 流体要素に作用する力のバランス式を立て、方程式を誘導できる.
4週 力学的相似 幾何学的な形状が相似な物体に作用する場合の相似則について理解できる.
5週 ナビアストークス方程式の簡単な流れ場への適用 ナビア・ストークス方程式を簡単な流れ場に適用して、実際に速度分布を導出できる.
6週 数値計算 ナビア・ストークス方程式を直接、数値的に解く方法の手法を理解できる.
7週 境界層 境界層の流れ場について理解できる.
8週 境界層方程式 境界層の特性を理解し、境界層の流れ場における運動方程式を導出できる.
4thQ
9週 境界層の遷移 境界層の流れ場における遷移の促進および剥離の抑制方法について理解できる.
10週 境界層の制御 境界層の流れ場における遷移の促進および剥離の抑制方法について理解できる.
11週 乱流の取り扱い方 乱流状態の流れ場の取り扱い方およびその現象の理解ができる.
12週 レイノルズ方程式 乱流場での運動方程式の導出ができる.
13週 壁面乱流の制御 壁面を伴う乱流場での遷移の促進、抵抗軽減および混合促進の方法を理解できる.
14週 管内乱流の制御 管内流における抵抗軽減の方法を理解できる.
15週 自由混合層と自由噴流の制御 境界層を持たない混合層および自由噴流の混合促進を理解できる.
16週 試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。3
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。5
流線と流管の定義を説明できる。5
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。5
オイラーの運動方程式を説明できる。5
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。5
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。5
層流と乱流の違いを説明できる。5
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。5
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。5
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。5
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。5
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。5
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。5

評価割合

試験課題合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100