到達目標
1. 流体の運動を支配するナビエ・ストークス運動方程式を理解し、それぞれの流れ場で運動方程式を立て、それぞれの項の意味するところを理解し、各種の流れ場において、どの項が重要な役割を演じるかが判別できる。
2.流体の流れ場を制御する場合、ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、どのような方法を用いることによって、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
運動方程式の理解 | 応用問題を含めた粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができる。 | 応用問題を含まない粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができる。 | 応用問題を含まない粘性流体の連続の式とナビエ・ストークスの運動方程式を用いて、流れ場を記述することができない。 |
流体の制御 | 応用問題を含めた実際の流れ場を制御する場合、 ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。 | 応用問題を含まない実際の流れ場を制御する場合、ナビエ・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができる。 | 応用問題を含まない実際の流れ場を制御する場合、ナビア・ストークス運動方程式の主要項を判断し、その流れ場を制御できるかについての方法を推測することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
到達目標C 1
説明
閉じる
JABEE d-1
説明
閉じる
教育方法等
概要:
流体の制御は、流体力学の応用となる。まずは、流体の運動を支配するナビエ・ストークス運動方程式の理解が必要である。それぞれの流れ場で運動方程式を立て、それぞれの項の意味するところを理解することが肝要である。それによって、各種の流れ場において、どの項が重要な役割を演じるかが判別できるようになる。この知識を基に流体を制御する場合、どの項について注目し、どのような方法を用いることによって、流れ場を制御できるようになるかを習得する。
授業の進め方・方法:
講義形式の授業ではあるが、個人ワーク、ペアワーク、グループワークを主体とした学習を中心とする。数学および物理の知識を元にした式の展開だけでなく、ICTツールを用いた流体の支配方程式の理解も深める。
注意点:
最終成績 = 課題 × 0.6 + 期末試験 ×0.4
この科目は学修単位科目のため,以下のような自学自習を必要とします。
・事前事後に該当範囲を学習する。(合計7時間)
・課題を授業時間外に行う。(合計8時間)
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
物体周りの流れ |
これまでに学んだ流れ場のほかに、工学的に重要な流れ場を理解できる.
|
2週 |
流体要素に作用する力 |
流体要素に作用する力を理解できる.
|
3週 |
ナビア・ストークス方程式の誘導 |
流体要素に作用する力のバランス式を立て、方程式を誘導できる.
|
4週 |
力学的相似 |
幾何学的な形状が相似な物体に作用する場合の相似則について理解できる.
|
5週 |
ナビアストークス方程式の簡単な流れ場への適用 |
ナビア・ストークス方程式を簡単な流れ場に適用して、実際に速度分布を導出できる.
|
6週 |
数値計算 |
ナビア・ストークス方程式を直接、数値的に解く方法の手法を理解できる.
|
7週 |
境界層 |
境界層の流れ場について理解できる.
|
8週 |
境界層方程式 |
境界層の特性を理解し、境界層の流れ場における運動方程式を導出できる.
|
4thQ |
9週 |
境界層の遷移 |
境界層の流れ場における遷移の促進および剥離の抑制方法について理解できる.
|
10週 |
境界層の制御 |
境界層の流れ場における遷移の促進および剥離の抑制方法について理解できる.
|
11週 |
乱流の取り扱い方 |
乱流状態の流れ場の取り扱い方およびその現象の理解ができる.
|
12週 |
レイノルズ方程式 |
乱流場での運動方程式の導出ができる.
|
13週 |
壁面乱流の制御 |
壁面を伴う乱流場での遷移の促進、抵抗軽減および混合促進の方法を理解できる.
|
14週 |
管内乱流の制御 |
管内流における抵抗軽減の方法を理解できる.
|
15週 |
自由混合層と自由噴流の制御 |
境界層を持たない混合層および自由噴流の混合促進を理解できる.
|
16週 |
試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | オイラーの運動方程式を説明できる。 | 5 | 後2 |
層流と乱流の違いを説明できる。 | 5 | 後7 |
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。 | 5 | 後10 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 100 |
専門的能力 | 40 | 60 | 100 |