機械制御工学専攻総合演習

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械制御工学専攻総合演習
科目番号 0027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械制御工学専攻 対象学年 専2
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 担当教員が随時プリントを準備し、配布する。
担当教員 西村 太志,北村 健太郎

到達目標

機体諸元を決定し、計画図ならびに機体外観図の作成を通じ、機械制御工学を構成する3つの系の基本的能力を確実に身につけるとともに、企画から設計まで一貫して理解できるようになることを目標にする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
ミッションを達成するための必要な諸元を求め、工学的な課題に関する考察が行える。与えられたミッションに対して、必要な諸元を求めることができる。与えられたミッションに関する機体諸元を求めることができない。
設計に関する議論に関して、主体的に議論をリードすることができる。設計に関する議論の中で、自らの意見を適切に述べることができる。設計に関する議論に参加することができない。
設計した機体の妥当性を説明し、次の詳細設計における課題等を考察することができる。設計した機体に関する、妥当性を適切に説明することができる。設計した機体の妥当性を説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

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到達目標 C 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
メカトロ技術を代表する教材として小型ヘリコプターを取り上げ、知識と技術を併せ持つ技術者を育成する。演習では、模型ヘリコプターを用いて行った総合実験で得た知識をベースに、薬剤散布用無人ヘリコプターを対象に、与えられた仕様(サイズ、ペイロード、重量、エンジン出力、制御方法等)のもとでの企画から設計までを一貫して理解するとともに、与えられたミッションを遂行するためのヘリコプターを設計する。
授業の進め方・方法:
まず実機の組立実習を通じて構造全体を理解し、次に商品開発の進め方を学んだ後、機体各部の設計方法について学ぶ。それをベースに具体的に機体各部の諸元を決定しつつ計画図を作成し、機体の外観図も作成する。本授業は、すでに学んだ個々のメカトロ技術の知識を総合化するため、常に予習復習を行うことが求められる。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 小型ヘリコプタ構造実習
産業用無人ヘリ概要、R50組立実習、産業用無人ヘリの構成
冒頭、総合演習の全体像を説明した後、パソコンの資料を用いて、1時間技術的な概要を説明。
R50実機の構成を確認しながら組立実習
2週 商品開発の進め方、手順 商品コンセプトの決定、製品企画書の作成、試作機の製作、試作機の評価と改良設計、生産展開等の商品開発の進め方を学習し、商品開発の手順を明確にする
3週 概念設計(空力設計) 要求仕様を実現するために必要な主要諸元(全備重量、ローター径、エンジン出力など)の求め方を学習する
4週 概念設計(空力設計演習1) R50を例として与えられたミッションを遂行するために必要なヘリコプターの主要諸元の決定に関する演習を行う
5週 概念設計(空力設計演習2) 設計課題を提示し、与えられたミッションを遂行するために必要なヘリコプターの主要諸元の決定に関する演習を行う
6週 基本設計(メインローター設計、テールローター設計) マストやブレードの構造、加わる力、強度計算、材料選定方法、重量計算などについて学習する
7週 基本設計(動力伝達系設計、胴体構造設計) ミッションやクラッチ、テールロータ駆動方法などの動力伝達系設計及び胴体構造設計について学習する
8週 基本設計(制御系設計) メインローターからの反トルク変化に対するヨー軸姿勢制御コントローラの設計手法を学習する
2ndQ
9週 概念設計まとめ 設計課題に対する概念設計のプレゼン後、優れた設計二つを選び、それをベースに二グループにチームを編成
10週 機体諸元決定と計画図作成1 二つのチームごとに機体各部を役割分担(ロータ設計、動力伝達系設計、制御シミュレーション)して計画図を作成し、最終的に機体全体の組立図として3次元図にまとめる
11週 機体諸元決定と計画図作成2
12週 機体諸元決定と計画図作成3
13週 機体諸元決定と計画図作成4
14週 機体諸元決定と計画図作成5
15週 機体諸元決定と計画図作成6
16週 報告会、まとめ これまでにまとめた計画図や機体外観図の報告を行い、小型ヘリコプターの設計に関し、総合的に理解を深める。
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。5
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。5
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。5
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。5
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。5
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。5
共同教育共同教育クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。5
企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。5
品質、コスト、効率、スピード、納期などに対する視点を持つことができる。5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。5
地域や企業の現実の問題を踏まえ、その課題を明確化し、解決することができる。5
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。5
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。5
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。5
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。5
企業人としても成長していく自分を意識し、継続的な自己研さんや学習が必要であることを理解できる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。5
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。5
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。5
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。5
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。5
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。5
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。5
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。5
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。5
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。5
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 5
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。5
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。5
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。5
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。5
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。5
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。5
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。5
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。5
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。5
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。5
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。5
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。5
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。5
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。5
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。5
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。5

評価割合

空力設計発表最終発表空力設計レポート最終レポートグループ内相互評価その他合計
総合評価割合10202030200100
基礎的能力0000000
専門的能力10202030200100
分野横断的能力0000000