材料強度学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料強度学
科目番号 0029 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械制御工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 日本材料学会編、「改訂 材料強度学」(日本材料学会)
担当教員 西村 太志

到達目標

複合分野にわたる知識を有機的に結びつける設計能力を身につけるために、
1.材料の強度に関する現象をミクロとマクロの視点から理解することができる。
2.疲労などの破壊現象を理解することができる。
3.機械の設計や安全性の保証に役立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
材料強度材料の強度に関する現象をミクロとマクロの視点から完全に理解し、確実に説明できる。材料の強度に関する現象をミクロとマクロの視点から理解できる。材料の強度に関する現象をミクロとマクロの視点から理解できない。
破壊現象疲労などの破壊現象を完全に理解し、確実に説明できる。疲労などの破壊現象を理解できる。疲労などの破壊現象を理解できない。
機械の設計材料強度学の知識を機械の設計や安全性の保証に確実に役立てることができる。材料強度学の知識を機械の設計や安全性の保証に役立てることができる。材料強度学の知識を機械の設計や安全性の保証に役立てることができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標C 1 説明 閉じる
JABEE c-3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物を安全でしかも経済的に使用するためには、材料の強度や破壊に関する現象をミクロとマクロの視点から理解して、機械の設計や安全性の保証に役立てることができるようになる必要がある。材料強度学では、本科で学んだ基礎的な科目をベースにもう一歩進み、材料の強度や破壊に関する現象を取り扱い、それらの現象をミクロとマクロの視点から理解して、機械の設計や安全性の保証に役立てることができるようにする。また、疲労などの破壊現象について物理的背景を明確にしながら理解する。
授業の進め方・方法:
授業は輪講形式で行う。その際、授業内容をまとめた資料を配布するとともにPowerPointを使用して説明することを求める。基本的に説明の時間は70分程度とし、後半の20分は質疑応答を行う。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、以下のような自学自修を必要とする。
 事前学習として教科書の該当ページの予習 毎回1.5時間(計21時間)
 担当箇所資料作成 9時間×2回(計18時間)
 事後学習として、理解不足として指摘した箇所の復習 毎回1.5時間(計21時間)
最終成績=期末試験成績×0.7+輪講資料・発表(30点満点)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション シラバスに基づき授業の目標と概要、授業計画ならびに評価方法について把握する。
2週 材料強度学の歴史
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書1〜7ページ
破壊事故の実例を知り、材料強度学の必要性が説明できる。
3週 破損の法則
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書8〜22ページ
応力とひずみの関係について復習し、破損の法則について説明できる。
4週 破壊力学の基礎
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書23〜38ページ
き裂の力学として強度評価に広く使われている破壊力学について説明できる。
5週 強度の基本的特性1
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書38〜61ページ
最も基本的な引張強度について理解し、二つの破壊形態の特徴が説明できる。
6週 強度の基本的特性2
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書61〜87ページ
多軸応力下の強度および破壊じん性について説明できる。
7週 疲労強度1
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書88〜105ページ
疲労破壊の重要性を認識し、疲労強度に及ぼす切欠効果や寸法効果、平均応力などの影響が説明できる。
8週 疲労強度2
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書106〜118ページ
低サイクル疲労および変動振幅応力下の疲労強度について説明できる。
2ndQ
9週 疲労強度3
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書118〜143ページ
疲労き裂の重要性を理解し、疲労機構について説明できる。
10週 高温強度
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書144〜169ページ
クリープおよび高温疲労について理解し、高温における寿命評価法が説明できる。
11週 応力腐食割れ
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書170〜189ページ
腐食の機構を理解し、応力腐食割れの特徴および機構が説明できる。
12週 腐食疲労
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書190〜204ページ
腐食疲労の特徴および機構が説明できる。
13週 強度設計
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書205〜229ページ
強度設計の基礎を理解し、その手法が説明でできる。
14週 事故解析
【事前・事後学習(各1.5時間)】教科書229〜238ページ
疲労強度学に基づく事故解析法が説明できる。
15週 期末試験 材料の変形や破壊について理解できているか確認する。
16週 まとめ 答案を返却し解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。5前3
応力とひずみを説明できる。5前3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。5前3
材料脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。5前4,前6
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。5前7,前8,前9
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。5前10

評価割合

期末試験輪講資料・発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000