コンピュータ構成学

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 コンピュータ構成学
科目番号 0059 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報電子工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:橋本昭洋「計算機アーキテクチャ」昭晃堂、David Money Harris, Sarah L. Harris,「Digital Design and Computer Architecture Second Edition」Morgan Kaufmann
担当教員 栁澤 秀明

到達目標

コンピュータの構成方式と設計技術について学び、さらに、高性能なコンピュータシステムについて理解する。モデルCPUの設計手法が理解でき、実行制御部と演算処理部を設計できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
CPUのアーキテクチャについて詳細に説明でき、性能評価をすることができる。CPUのアーキテクチャについて詳細に説明することができる。CPUのアーキテクチャについて詳細に説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE d-1 説明 閉じる
到達目標 C 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンピュータシステムのハードウェア構造と動作を理解する。
本科で学んだコンピュータアーキテクチャをベースに、コンピュータハードウェアの構成方式と設計技術について現実に即して解説し、ハードウェア記述言語(VHDL)による設計手法を修得する。また、コンピュータの高性能化のための構成技術と動作原理についても学習する。
授業の進め方・方法:
授業では、座学に適宜演習を交えながら、コンピュータを構成する各部の設計手法を習得する。授業内容を理解するためには予習復習が必須である。
注意点:
本科:コンピュータアーキテクチャ(4年)
専攻科:論理設計(1年)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
組み合わせ回路についての復習
2進数による数値の表現、算術演算、シフト演算をハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
2週 順序回路についての復習 カウンタなどをハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
3週 制御回路についての復習 制御回路をハードウェア記述言語(VHDL)で実現する。
4週 浮動小数点 浮動小数点形式の表現、演算を理解する。
5週 命令語の構成と命令の種類 命令語の構成、命令の種類とその動作を理解する。
6週 命令セットの仕様 実際のコンピュータの命令セットを理解し、モデルコンピュータの命令セットを提示する。
7週 演算ユニットの構成法 加減算、乗除算などを実行する演算ユニットの構成について理解する。
8週 演算ユニットの記述設計 演算ユニットをVHDL記述で設計し、動作を検証する。
2ndQ
9週 命令語とアドレス指定形式 命令語とアドレス指定形式ついて具体例を挙げながら解説する。
10週 データパスと実行制御部の構成 モデルCPUの命令実行に基づいてデータパスと実行制御部の構成を学ぶ。
11週 実行制御部の設計 実行制御の状態遷移図からワイアードロジック制御とマイクロプログラム制御による実行制御について理解する。
12週 実行制御部の記述設計 ワイアードロジック制御による実行制御部についてVHDL記述で設計する手法を学ぶ。
13週 パイプライン実行制御 CPUを高速化する手法であるパイプライン制御の構成方法を解説し、パイプライン制御による性能の向上について解析する。
14週 パイプラインハザードの回避 構造ハザード、制御ハザード、データハザードについて、問題と対策を解説する。
15週 期末試験 コンピュータハードウェアの構造と設計技術について理解できているかを確認する出題である。
16週 まとめ 試験の解答と解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。5
整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。5
基数が異なる数の間で相互に変換できる。5
基本的な論理演算を行うことができる。5
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。5
論理式の簡単化の概念を説明できる。5
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。5
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。5
組合せ論理回路を設計することができる。5
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。5
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。5
与えられた順序回路の機能を説明することができる。5
順序回路を設計することができる。5
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。5
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。5
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。5
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000