建築生産論

科目基礎情報

学校 徳山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 建築生産論
科目番号 0018 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境建設工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 松村秀一編著 建築生産 市ヶ谷出版社 ,教員作成の学習シート
担当教員 目山 直樹

到達目標

建築生産と社会・文化の係わり合いを考える素地を身につける。 とくに、建築プロジェクトの実例から学び、建築プロジェクト立案の演習課題を通じて建築生産の仕組みを学ぶ。
1.建築生産の一連の流れを理解し,プロセスの各段階について解説できる。
2.各単元での重要点を学習シートの項目で説明できる。レポート
3.建築企画の事例を学び,建築プロジェクトの企画から維持管理に至るプロセスを説明できる。演習1
4.特定の敷地を対象に建築企画を検討し,建築生産プロセス,コスト管理,維持管理の視点から実現性のある提案ができる。演習2

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1.建築生産プロセスの各段階について専門的に解説できる。建築生産プロセスの各段階について解説できる。建築生産の流れやプロセスの各段階を理解できない。
到達目標2.各単元の重要点を専門的に開設できる。各単元の重要点を学習シートに従って解説できる。学習シートの内容を理解できない。
到達目標3.建築プロジェクトの事例について,専門的に開設できる。建築プロジェクトの事例について平易に解説できる。建築プロジェクトの事例について理解できていない。
到達目標4.多面的な視点から,実現性のある建築企画の提案ができる。実現性を考慮した建築企画の提案ができる。実現性のある建築企画の提案ができない。

学科の到達目標項目との関係

到達目標 C 1 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建築生産(①企画・計画、②設計、③施工、④保全、⑤解体・廃棄)の一連の流れの中での計画、設計、施工の位置づけと各生産 工程の係わり合いおよび建築生産史について学習する。この科目は、企業において建築企画・都市開発企画の実務経験を有する教員が、その経験を活かして行う。建築生産全般について講義ならびに、演習とプレゼンを課すアクティブラーニングを行うものである。
授業の進め方・方法:
講義形式を主体とし、教科書と学習シートで内容を理解していく。学習シートでは、その週の講義の目的・内容を最初に示し、学生と教員の双方向型の授業の実現を目指す。学習内容を確実に身につけるために予習復習が必須である。事前の学習として単元ごとの教科書を読んでおくこと。事後の学習として毎回、学習シートを提示するのでレポートとして自宅学習を行うこと。レポートや演習課題は、次回の提出期限までに教員に提出し、評価を受けること。
注意点:
【関連科目】 建築施工法 ( 本科4年 )、建築法規 ( 本科5年 )、建築設計計画学 ( 専攻科2年 )、都市計画 ( 本科4年 )
成績評価 試験(50%)+レポート(10%)+演習1(20%)+演習2(20%)=100%
演習1および演習2の評価  事前提出(40%)+プレゼン(20%)+事後修正(40%)とする。事後修正についてはその内容に応じて評価点を与える。
※演習等の課題未提出の場合は,評価点を加点しない。  

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 建築生産とそれを取り巻く環 境の変化 建築生産の転換、ストック型社会の中での建築生産、環境問題と建築 生産等の概要について理解できる。
2週 建築プロジェクトの起こり方 建築活動の成果としてのストックの状況、既利用地および未利用地で の建築生産の起こり方について理解できる。
3週 経済行為としての建築プロ ジェクト 経済行為としての建築プロジェクトの特徴、成熟社会・人口減少社会 における建築プロジェクト等を説明できる。
4週 建築プロジェクトの編成と産業構造 建築プロジェクトの編成と産業構造の関係について説明できる。
5週 建築生産と社会規範 建築生産と法以外の諸規範および社会のニーズとの関係について理解できる。
6週 建築生産のプロセス
演習 1 企業による建築生産の 実例
企業による検知生産の実例を取材し,利用開始までのプロセス、維持保全と建築ストックの利用および解体 から再建築へのプロセスについて解説できる。
7週 企画
演習 2 特定エリアでの建築企画の提案課題
企画業務とその役割、企画業務の内容とプロセスについて理解できる。演習2では、1ha以上の敷地を選定し、具体的な建築企画を提案する。この中で、今回学んだことを駆使して、具体的かつ現実的な提案ができる。なお,演習2のプレゼンの時期は、14回までのいずれかの授業において行う。受講者の多寡により、回数を分ける場合がある。
8週 発注と契約 発注者の種類と役割、設計者・施工者の発注方式および選定、建設工 事の契約形態とリスク等について理解できる。
4thQ
9週 設計と監理 設計業務とその役割、設計業務の担い手、設計情報の表現方法、設計 情報の連携・統合について理解できる。
10週 コスト管理 コスト管理の重要性、積算、コスト管理手法、主要なコスト関連デー タについて理解できる。
11週 生産管理 建築生産と生産管理、PDCAサイクルとISOマネジメント、品質 管理、工程管理等について理解できる。
12週 ファシリティマネジメント (FMと略す) FMの概要、FMの主要課題、FMの業務体系、 FMの手法・技術等について理解できる。
13週 解体と資源循環 解体・廃棄・リサイクル、解体工事の内容、解体廃棄物、建築リサイ クル法について解説できる。
14週 建築生産の未来像
市場の規模と構成の変化、利用者との関係の変化、ITの進展と生産 環境の変化、専門技術と職務の変化等について理解できる。
15週 期末試験 1 回から 14 回までの授業の総合的な内容で筆記試験により、理解していることを確認する。
16週 まとめ 答案を返却し、問題の解説および模範解答の詳細を説明する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4
専門的能力分野別の専門工学建築系分野施工・法規現場組織の編成について説明できる。5
設計図書と施工図の関係について説明できる。5
各種書類の行政への届出先と期限について説明できる。5
ネットワーク工程表の計算ができる。5
バーチャート工程表について説明できる。5

評価割合

試験レポート演習1演習2合計
総合評価割合50102020100
基礎的能力1000010
専門的能力4010101070
分野横断的能力00101020