機械工作法Ⅰ

科目基礎情報

学校	宇部工業高等専門学校	開講年度	令和03年度 (2021年度)
授業科目	機械工作法Ⅰ
科目番号	12024	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	機械工学科	対象学年	2
開設期	4th-Q	週時間数	4
教科書/教材	機械工作法Ⅰ（朝倉健二・橋本文雄・共立出版）
担当教員	後藤 実

到達目標

到達目標レベルは、１）鋳造加工技術に関する基礎的事項を理解できること、２）塑性加工法の概要を理解できること、および３）鍛造加工技術の基礎的事項を理解できることである。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	最低限の到達レベルの目安（可）	未到達レベルの目安
評価項目1	鋳造加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた基礎的な鋳造方案が立案できる。	鋳造加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた鋳造法の選択ができる。	鋳造加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解できる。	鋳造加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解できない。
評価項目2	塑性加工法の概要と得失および専門用語の理解に加え、製品や目的に合った塑性加工法の選択とその加工条件の基礎的な設定ができる。	塑性加工法の概要と得失および専門用語の理解に加え、製品や目的に合った塑性加工法の選択ができる。	塑性加工法の概要と得失および基礎的な専門用語を理解できる。	塑性加工法の概要と得失および基礎的な専門用語を理解できない。
評価項目3	鍛造加工技術の概要と得失および専門用語の理解に加え、製品や目的に合った鍛造法の選定とその基礎的な条件設定ができる。	鍛造加工技術の概要と得失および専門用語の理解に加え、製品や目的に合った鍛造法を選定できる。	鍛造加工技術の概要と得失および基礎的な専門用語を理解できる。	鍛造加工技術の概要と得失および基礎的な専門用語を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 （Ｃ） （立案能力）

教育方法等

概要:

この科目は企業で大型商用車用エンジンの生産技術と製造管理および先行開発を担当していた教員が、その経験を生かし、鋳造法と塑性加工の基礎および鍛造加工の各原理と応用事例について講義を行うものである。
機械工作法は加工素材を固体として扱い、大別すると（Ⅰ）材料非除去加工と（Ⅱ）材料除去加工に分類できる。２学年では、（Ⅰ）材料非除去加工のうち、鋳造法と塑性加工の基礎および鍛造加工について理解することを目的とする。

授業の進め方・方法:

機械工作法Ⅰは予習・復習が必要な学修単位です。各授業の前にシラバスに記載された授業内容を確認し、該当する教科書の範囲をあらかじめ予習レポートにまとめて授業に持参し、受講後に予習レポートにかかれていなかった内容や修正箇所を追加・修正した復習レポートとして指定の表紙を付け、次回の授業の始めに提出することとします。機械工作法Ⅰはこれから機械工学科で学習する専門科目の最初の科目になり、専門科目の単位取得には予習・復習が絶対に必要になるので、この機械工作法Ⅰで専門科目の学習のやり方を十分に身に着けてほしい。

注意点:

予習レポートの修正箇所は赤ペンで見え消しとし、予習レポートへの追記部分は赤字とすると良いでしょう。新たにページを追加する場合は通常の黒字で構いません。回収した予習・復習レポートは期末試験時に持込資料となるのでしっかりした内容のレポートにすること。授業中は板書に集中するのではなく、なぜそのような工法や材料を用いるのか自分の頭で考えること。授業中に生じた疑問点はその時間のうちに質問し、解決すること。不明な点は教科担当に積極的に質問すること。

授業の属性・履修上の区分

実務経験のある教員による授業

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	4thQ
		9週	第1回機械工作法の概要　第2回鋳造の概要	機械工作法全体の目的と分類について理解し、鋳造をはじめとしたそれぞれの工作法の位置付けについて理解できる。鋳造法の概要について理解できる。
		10週	第3回模型の作成　第4回砂型に必要な性質と分類	鋳造法の代表例である砂型鋳造について、砂型作成に必要な模型の種類と材料、および、模型作成の要点を理解できる。砂型に必要な性質と、砂型の分類法について理解できる。
		11週	第5回砂型材料　第6回鋳型の構造と鋳造法案	鋳物砂の構成、性質、粘結剤、添加剤、配合、調整および管理について理解できる。砂型の構造と各部の役割および鋳造法案について理解できる。
		12週	第7回造型作業　第8回溶解炉	造型作業の準備、手込め作業、造型機械と機械作業について理解できる。溶解炉の種類と分類法および長所・短所について理解できる。
		13週	第9回鋳造金属の溶解と鋳鉄の組織　第10回鋳込みと後処理	鋳鉄および鋳物用非鉄合金の溶解と、鋳鉄組織について理解できる。鋳込み作業の流れと注意事項、鋳込み後の処理について理解できる。
		14週	第11回精密鋳造法　第12回特殊鋳込み法	シェルモールド法、ロストワックス法、CO2プロセスの長所・短所と応用例について理解できる。ダイカスト法、低圧鋳造、遠心鋳造の長所・短所と応用例について理解できる。
		15週	第13回塑性加工の概要　第14回鍛造加工	金属の塑性変形と加工硬化を応力ひずみ線図によって説明でき、塑性加工の特徴および塑性加工法の分類について理解できる。鍛造加工の概要と鍛造加工の形式について理解できる。
		16週	第15回学年末試験　第16回答案返却・解答解説、全体の学習事項のまとめ 授業改善アンケートの実施	機械工作法Ⅰの内容を理解できる。試験問題の解説を通じて間違った箇所の正解を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類		分野	学習内容	学習内容の到達目標	到達レベル	授業週
専門的能力	分野別の専門工学	機械系分野	工作	鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。	4
				精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。	4
				鋳物の欠陥について説明できる。	4

評価割合

	試験	発表	相互評価	態度	ポートフォリオ	レポート	合計
総合評価割合	60	0	0	0	0	40	100
知識の基本的な理解	40	0	0	0	0	20	60
思考・推論・創造への適用力	20	0	0	0	0	20	40