微分積分ⅡC

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 微分積分ⅡC
科目番号 13007 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 4th-Q 週時間数 4
教科書/教材 「新微分積分Ⅱ改定版」 高遠節夫他著(大日本図書)
「ドリルと演習シリーズ微分積分」(電気書院)
担当教員 柳原 宏

到達目標

(1)簡単な関数について,2次までの偏導関数を求めることができる.
(2)合成関数の偏微分法を利用して,偏導関数を求めることができる.
(3)偏導関数を用いて,基本的な2変数関数の極値を求めることができる.
(4)2重積分の定義を理解し,簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる.
(5)極座標に変換することによって2重積分を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1偏導関数の定義を理解し,2次までの偏導関数を正確に求めることができる.偏導関数の定義を理解し,2次までの偏導関数を大きな間違いなく求めることができる.偏導関数の定義を理解し,2次までの偏導関数の基本的な計算ができる.偏導関数の定義を理解できず,2次までの偏導関数を求めることができない.
評価項目2合成関数の偏微分法の意味を説明でき,偏導関数を正確に求めることができる.合成関数の偏微分法の意味を説明でき,偏導関数を大きな間違いなく求めることができる.合成関数の偏微分法の意味を説明でき,偏導関数の基本的な計算ができる.合成関数の偏微分法の意味を説明できず,偏導関数を求めることができない.
評価項目32変数関数の極値について説明することができ,偏導関数を用いて正確に求めることができる.2変数関数の極値について説明することができ,偏導関数を用いて大きな間違いなく求めることができる.2変数関数の極値について説明することができ,偏導関数を用いて 基本的な計算ができる.2変数関数の極値について説明することができず,偏導関数を用いて求めることができない.
評価項目42重積分の定義を理解し,累次積分に直して正確に計算することができる.2重積分の定義を理解し,累次積分に直して大きな間違いなく計算することができる.2重積分の定義を理解し,累次積分に直して基本的な計算ができる.2重積分の定義を理解できず,累次積分に直して計算することができない.
評価項目5極座標変換の意味を説明でき,それを用いて正確に計算することができる.極座標変換の意味を説明でき,それを用いて大きな間違いなく計算することができる.極座標変換の意味を説明でき,それを用いて基本的な計算ができる.極座標変換の意味を説明できず,それを用いて計算することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では2年次既習の解析学の発展として,応用上重要な多変数関数の微分法について学ぶ.特に2変数関数の微分法および積分法を扱う.数学の応用を考える時,変数が2つ以上ある状況は極めて多い.その際,基本となるのがこの講義である.2変数関数の扱いは,基本的に1変数の場合と同様である.しかしながら,2変数特有の注意すべき点も多くあり,新しい現象をしっかりと学んで欲しい.
授業の進め方・方法:
2年生から学んできた微分積分も佳境を迎える.我々は3次元空間(時間を入れれば4次元空間)に暮らしている.そのため,微分積分を実際に活用する場合,変数が2個以上の場合がほとんどである.1変数の微分積分との違いをしっかりと見極めて,正しい理解に努めてほしい.偏微分,重積分は特別目新しい概念ではない.今までに勉強してきたことの積み重ねである.2年生の微分積分を苦手に感じている人は,これがラストチャンス.微分積分をしっかりと自分のモノにしてほしい. この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習としてレポートや小テストを実施する.詳細は授業中に説明する.
注意点:
この科目で扱う内容は,今後学ぶ数学や物理および専門科目に直接使われるものであるため,内容をしっかりと身につけることが必要となる.そのためには,授業の予習・復習を欠かさず行い,問題集を活用して自発的に問題演習に取り組むことが重要となる. また,今までに学んだ数学の内容が基礎となるので,しっかりと復習し,弱点を克服しておくことが肝要である.
継続的な学習の確認として小テストを実施する.小テストを実施するときは事前にアナウンスをするのでしっかりと勉強すること.なお,小テストの試験範囲は問題集から指定する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 第1回:ガイダンス. 偏微分(1)(教科書 pp.30-32)
第2回:偏微分(2)(教科書 pp.32-33)
・シラバスから,学習の意義,授業の進め方,評価方法を理解できる.
2変数関数の概念を理解できる.
・2変数関数の極限値,連続性を理解し,それらを求めることができる.
10週 第3回:偏微分(3)(教科書 pp.34-36)
第4回:偏微分(4)(教科書 pp.37-39)
・偏導関数を理解し,求めることができる.
・接平面を理解し,求めることができる.
11週 第5回:偏微分(5)(教科書 pp.40-42)
第6回:偏微分(6)(教科書 pp.45-47)
・合成関数の微分法を理解し,計算することができる.
・高次偏導関数を理解し,計算することができる.
12週 第7回:偏微分(7)(教科書 pp.48-49)
第8回:偏微分(8)(教科書 pp.50-51)
・極大・極小を理解し,それらを求めることができる.
・極大・極小を理解し,それらを求めることができる.
13週 第9回:重積分(1)(教科書 pp.64-66)
第10:重積分(2)(教科書 pp.67-68)
・2重積分の定義を理解できる.
・2重積分の定義,性質について理解できる.
14週 第11回:重積分(3)(教科書 pp.69-71)
第12回:重積分(4)(教科書 pp.72-75)
・2重積分を計算することができる.
・2重積分を計算することができる.
15週 第13回:重積分(5)(教科書 pp.76-77)
第14回:重積分(6)(教科書 pp.80-82)
・体積を求めることができる.
・極座標を用いた2重積分の計算をすることができる.
16週 定期試験
答案返却

・試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3後9,後16
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3後10,後16
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3後11,後16
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3後12,後16
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3後13,後14,後16
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3後15,後16
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3後15,後16

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合602020100
知識の基本的な理解【知識・記憶,理解レベル】405550
思考・推論・創造への適応力【適用,分析レベル】105520
汎用的技能【論理的思考力】105520
態度・志向性(人間力)【自己管理力】05510