情報処理応用Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報処理応用Ⅱ
科目番号 15005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 よくわかる数値計算(戸川隼人他/日刊工業新聞社)
担当教員 德永 敦士

到達目標

第3クオーター開講
(1) 最小二乗法の説明が出来るとともに,近似曲線を求め,データを整理できる.
(2) 代数方程式や連立方程式の数値解を計算するプログラムを構築し,その数値解を解析できる.
(3) 微分方程式や積分の数値解を計算するプログラムを構築し,その数値解を解析できる.

ルーブリック

優れた到達レベルの 目安良好な到達レベルの 目安最低限の到達レベルの 目安未到達レベルの 目安
最小二乗法の計算ができる最小二乗法の各係数を導出でき,近似曲線を求め,データを整理できる最小二乗法により得られた近似曲線をグラフに図示できる最小二乗法の意味を理解し,係数の計算ができる最小二乗法の係数を求めることができない
代数方程式や連立方程式,積分,微分方程式を数値的に計算できるこれらのアルゴリズムを手計算によって解析できる.これらのアルゴリズムの内,3つを手計算によって解析できる.これらのアルゴリズムの内,2つを手計算によって解析できる.アルゴリズムが理解できておらず,手計算によっても数値解を求めることが出来ない
アルゴリズムをプログラミングすることができるこれらのアルゴリズムを,プログラムとして構築し,数値解を解析でき,誤差について検討できるこれらのアルゴリズムを,プログラムとして構築し,数値解を解析できるプログラミングのフローチャートなどを示すことで,プログラムを構築することができるアルゴリズムが理解できておらず,プログラミングができない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (C) 説明 閉じる
教育目標 (B)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
近年ではパソコンに代表されるコンピューターが大きな発展を遂げており,簡単な数値計算はノートパソコンでも可能になってきている.そこで,パソコンによる微分方程式などの数値解を求めるためのアルゴリズムを説明するとともに,C言語やFortranを使用したプログラミング演習を行う.
授業の進め方・方法:
授業では数値計算のアルゴリズムについて解説します.また,それを基にプログラムを作成し,実際に数値計算を行います.試験ではアルゴリズムを確認する内容を出題します.
注意点:
プログラミングの知識が必要です.十分に復習をしてください.また,数値計算はコンピューターを使って結果を求めるものですが,”何を”,”なぜ”解くのかという知識,結果の正誤は人間が判断する必要があります.物理学,数学の理解を深めておくことが必要不可欠です.

これまでに,学生のみんなは“数学的に求めることが可能”な問題について考えてきていると思います(収束しないや解が存在しないという例外もあるが).例えば,積分では積分の公式が与えられ,その公式を使えば問題を解くことができます.置換積分法や部分積分法などを使えば複雑な問題もある程度は解くことが出来るでしょう.しかし,これらの公式が使えないような問題と対峙した時,みんなはどうやってその問題にアプローチすればよいでしょうか?例えば,みんなが世界で初めてある現象を発見したとしましょう.それが5次の方程式だったとします.2次方程式までは解の公式で解けますがそれ以上では解析的にとくことが難しくなり,5次方程式は解くことができません.では解くことを諦めますか?実は数値計算を利用すれば,5次方程式の解を求めることができるようになります(厳密に言えば近似解ですが).他にも偏微分方程式の支配方程式も数値計算によって解くことができます.
この授業は,みんなの解法の武器を増やすことが目的です.微分方程式を解くことができれば,卒業研究も色々なアプローチが出来るかもしれません.プログラムを嫌がらずに積極的に取り組んでください.

学期内に成績を再評価する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 数値計算の概要
最小二乗法
数値計算の必要性を説明できる
数値計算における誤差について説明できる
最小二乗法の意味を説明でき,計算できる
2週 代数方程式の数値解法
ニュートン法,二分法のアルゴリズムを説明できる
3週 連立方程式の数値解法 ガウスの消去法,LU分解のアルゴリズムを説明できる
反復解法のアルゴリズムを説明できる
4週 数値積分法 台形則,シンプソン則のアルゴリズムを説明できる
5週 常微分方程式の数値解法
偏微分方程式の数値解法
オイラー法,ルンゲクッタ法のアルゴリズムを説明できる
簡単な差分式を立てることができる
6週 プログラミング演習 授業で学んだアルゴリズムの内一つをプログラムとして構築することができる.
7週 プログラミング演習 授業で学んだアルゴリズムの内一つをプログラムとして構築することができる.
8週 期末試験 期末試験を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを知っている。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
与えられた基本的な問題を解くための適切なアルゴリズムを構築することができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
任意のプログラミング言語を用いて、構築したアルゴリズムを実装できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4後4,後7
定数と変数を説明できる。4後4,後7
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4後4,後7
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4後4,後7
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。4後4,後7
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。4後4,後7
条件判断プログラムを作成できる。4後4,後7
繰り返し処理プログラムを作成できる。4後4,後7
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。4後4,後7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な理解50050
思考・推論・創造への適用力05050