伝熱工学B

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 伝熱工学B
科目番号 15008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 2nd-Q 週時間数 2
教科書/教材 JSMEテキストシリーズ 伝熱工学 日本機械学会
担当教員 德永 敦士

到達目標

1.ステファンボルツマンの法則を理解し,放射伝熱の計算ができる.
2.相変化伝熱の熱伝達率の計算方法について理解する.
3.熱交換器の設計に必要な熱交換量,修正係数を理解し,簡単な熱交換器の設計ができる.

ルーブリック

優れた到達レベルの 目安良好な到達レベルの 目安最低限の到達レベルの 目安未到達レベルの 目安
放射伝熱プランクの法則,黒体の定義を説明でき,ステファンボルツマンの法則に基づいた解析ができる.黒体の定義を説明でき,ステファンボルツマンの法則に基づいて熱輸送量を計算できる.ステファンボルツマンの法則を用いた計算ができる.ステファンボルツマンの法則を用いた計算ができない.
相変化伝熱沸騰曲線を説明でき,膜状凝縮の熱伝達率,沸騰熱伝達の実験式を利用した計算ができる.沸騰曲線を説明でき,膜状凝縮の熱伝達率,沸騰熱伝達の実験式を利用したいずれかの計算ができる.沸騰曲線を説明できる.沸騰曲線が説明できない.
熱交換器修正係数を用いた熱交換器の設計ができる.向流型,並流型の熱交換器の設計ができる.熱交換器の熱交換量の計算ができる.熱交換器の熱交換量の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE (C) 説明 閉じる
教育目標 (E)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギーの保存則と熱エネルギーの輸送,さらにはエネルギーの利用システムに関する基礎を学ぶことを目的とする.なかでも熱輸送の基礎理論の修得を目指し,熱伝導,熱伝達,放射伝熱の伝熱三形態を中心として講義を展開する.
授業の進め方・方法:
この授業では,式の導出や問題の解答は積極的に学生に取り組んでもらう.その導出の中でポイントとなる伝熱の知識を示していく.内容は熱の伝わりを考えることであるが,目に見えないためイメージしづらい側面がある.そこで身近な熱現象を紹介しつつ,イメージできるように工夫したい.
注意点:
エネルギー保存則と熱エネルギーの輸送やエネルギー利用の基礎を学ぶ科目になります.機械設計では熱管理の技術は必要不可欠であり,技術者にとって最も重要な知識になります.熱輸送の基礎理論を習得することを目標に,熱伝導,熱伝達,放射伝熱の伝熱三形態を中心に展開します.熱力学と水力学,流体力学の知識が必要になるため,しっかりと復習しておいてください.

近年,エネルギーに関する問題が様々取り上げられており,太陽光発電や燃料電池などのクリーンエネルギーが注目されています.しかし,発電所が完全になくなることは現実的ではなく,引き続き利用されることが想定されます.本講義では発電に用いられる熱交換器の設計手法はもちろん,家屋の断熱技術などを学ぶことができます.身近な熱現象と講義の内容をリンクさせ,熱管理の知識を習得してください.

学期内に成績を再評価する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 放射伝熱の概念と基本法則 放射伝熱,ステファンボルツマンの法則について理解する.
10週 放射伝熱の計算法 形態係数について理解する.
11週 放射伝熱の計算法 放射熱交換について理解する.
12週 相変化伝熱 試験問題の解説を行う.
過冷度,過熱度の意味を理解する.
核沸騰,膜沸騰,実験整理式を理解する.
13週 相変化伝熱 ヌセルトの凝縮理論について理解する.
膜状凝縮,滴状凝縮の違いを理解する.
14週 熱交換器における伝熱 熱交換器の設計に必要な伝熱量の計算について理解する.
15週 熱交換器の設計法 熱交換器の設計手順,伝熱量の計算について理解する.
16週 期末試験
総括
試験を行う.
試験問題の返却・解説を行う.
この授業について総括する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体層流と乱流の違いを説明できる。4
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合502030100
知識の基本的な理解30202070
思考・推論・創造への適用力2001030