工業力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工業力学Ⅰ
科目番号 0050 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「詳解 工業力学」入江 敏博著(理工学社)
担当教員 藤田 活秀

到達目標

機械工学で必要とする力学の基礎知識である物体の運動に関する基本法則を理解し,力学に関する基本的な問題を解くことができることを目標とする.
(1)力及びモーメントの概念が理解でき,説明できる.
(2)つりあいから反力や支持モーメントを求めることができる.
(3)重心の概念が理解でき,簡単な形状の重心を求めることができる.
(4)速度と加速度の概念及び力との運動法則が理解でき,説明できる.
(5)剛体の運動方程式を求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1二つ以上の剛体からなる系においてつりあい条件から反力や支持モーメントを求めることができ,応用としてトラス構造に作用する力を求めることができる.二つ以上の剛体からなる系において生じている力を図示し,つりあい条件から反力や支持モーメントを求めることができる.力の合成や分解を図で表現でき,単一の剛体に働く力のつりあいの計算ができる.力の合成や分解を図で表現できず,単一の剛体に働く力のつりあいの計算ができない.
評価項目2積分を用いて立体の複雑な形状の重心位置を計算できる.積分を用いて平板の複雑な形状の重心位置を計算できる.重心の意味を理解でき,平板及び立体(積分を必要としない簡単な形状)の重心位置を計算できる.重心の意味を理解できず,平板及び立体の重心位置を計算できない.
評価項目3向心加速度,向心力,遠心力の計算ができ,万有引力の法則から天体の運動の計算ができる.ニュートンの運動の3法則を説明でき,力,質量及び加速度の関係を運動方程式で表すことができる.速度・加速度の意味を理解でき,時間と速度・加速度・距離の関係を説明できる.速度・加速度の意味を理解できず,時間と速度・加速度・距離の関係を説明できない.
評価項目4積分を用いて立体の複雑な形状の慣性モーメントを計算できる.積分を用いて平板の複雑な形状の慣性モーメントを計算できる.慣性モーメントの意味を理解でき,平板及び立体(積分を必要としない簡単な形状)の慣性モーメントを計算できる.慣性モーメントの意味を理解できず,平板及び立体の慣性モーメントを計算できない.
評価項目5二つ以上の剛体からなる系において必要な力学法則を用いて微分方程式の形で運動方程式を立て,初期値問題として解くことができる.二つ以上の剛体からなる系において剛体の運動状態を整理し,必要な力学法則を用いて剛体の運動を計算できる.剛体の平面運動を運動方程式で表すことができ,剛体の運動を計算できる.剛体の平面運動を運動方程式で表すことができず,剛体の運動を計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (E) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第3・4学期開講
平面内に働く力とそれによって起こる剛体の運動について,平面での剛体の運動方程式を適用する方法を学習する.
授業の進め方・方法:
機械工学で必要とする力学の基礎知識である物体の運動に関する基本法則を理解し,力学に関する基礎的な問題を解くことができることを目標とする.
演習問題を解くことで運動に関する基本法則の理解が深められるように授業を進めていく.
注意点:
第1学年及び第2学年で学習した「物理」「数学」の内容を基本としているので,これらの内容を復習し十分理解しておく必要がある.また,各授業内容は継続的な内容であるため,各回の授業内容についてしっかりと予習・復習をすることが必要である.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力の表し方 力は大きさ・向き・作用する点によって表されることを理解できる.
2週 一点に働く力 一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき,合力と分力を計算できる.
3週 一点に働く力 一点に作用する多くの力の合成ができ,一点に作用する力のつりあい条件を説明できる.
4週 一点に働く力 第1週から第3週までの演習を行う.
5週 剛体に働く力 着力点の異なる2力の合成ができる.
モーメントの意味を理解し,計算できる.
6週 剛体に働く力 偶力の意味を理解し,力の移動と変換ができる.
7週 剛体に働く力 剛体に働く3力以上の力の合成ができる.
剛体に働く力のつりあいの計算ができる.
8週 剛体に働く力 反力の意味を理解し,計算できる.
支点の種類を理解し,支点の反力を求めることができる.
2ndQ
9週 剛体に働く力 簡単なトラスに働く力を節点法及び切断法により求めることができる.
10週 剛体に働く力 第5週から第9週までの演習を行う.
11週 重心と分布力 重心の意味を理解し,平板及び立体の重心位置を計算できる.
12週 重心と分布力 物体のつりあい(安定・不安定)を理解し,物体のつりあいが安定であるための条件を求めることができる.
13週 重心と分布力 分布力が作用したときの力のつりあいの計算ができる.
14週 重心と分布力 第11週から第13週までの演習を行う.
15週 定期試験
16週 試験返却・解答解説
まとめ
試験解説により,間違った箇所を理解する.
第3学期の学習事項のまとめを行う.
後期
3rdQ
1週 速度と加速度 直線運動での速度・加速度の意味を理解し,時間と速度・加速度・距離の関係を説明できる.
2週 速度と加速度 曲線運動での速度・加速度の意味を理解し,接線加速度と法線加速度が計算できる.
放物運動の計算ができる.
3週 速度と加速度 円運動を理解し,周速度・角速度・角加速度の計算ができる.
相対運動を理解し,相対速度の計算ができる.
4週 速度と加速度 第1週から第3週までの演習を行う.
5週 力と運動法則 ニュートンの運動の3法則を説明できる.
力,質量及び加速度の関係を運動方程式で表すことができる.
6週 力と運動法則 ダランベールの原理を理解し,慣性力を説明できる.
向心力と遠心力の意味を理解し,計算できる.
7週 力と運動法則 万有引力の法則を理解し,天体の運動の計算ができる.
8週 力と運動法則 第5週から第7週までの演習を行う.
4thQ
9週 剛体の運動 剛体の平面運動を並進運動と回転運動の合成として説明できる.
10週 剛体の運動 運動の第2法則(並進運動の方程式)と回転運動の方程式の対応について説明できる.
11週 剛体の運動 慣性モーメントの意味を理解し,並行軸の定理と直交軸の定理が理解できる.
12週 剛体の運動 平板及び立体の慣性モーメントを計算できる.
13週 剛体の運動 剛体の平面運動を運動方程式で表すことができ,剛体の運動を計算できる.
14週 剛体の運動 第9週から第13週までの演習を行う.
15週 定期試験
16週 試験返却・解答解説
まとめ
授業改善アンケートの実施
試験解説により,間違った箇所を理解する.
第4学期の学習事項のまとめを行う.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート自学自習態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80155000100
知識の基本的な理解【知識・記憶,理解レベル】80155000100
思考・推論・創造への適応力【適用,分析レベル】0000000
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000