基礎材料強度学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 基礎材料強度学
科目番号 0051 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 教科書:材料強度学要論  小寺沢良一 著  (朝倉書店)/ 教材:初めて学ぶ基礎材料学 藤田和孝 他共著 (日刊工業新聞社)
担当教員 藤田 和孝

到達目標

材料の強さを本質的に決定している
(1)結晶塑性の基礎を理解し、利用できる(レベル3、適用)。
(2)転位論の基礎について知り、図解できる(レベル3、適用)。
(3)各種強化機構について、主として転位論を基礎としたメカニズムを考えることができる(レベル4、分析)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目 安(可)未到達レベルの目安
評価項目1右記に加えて、sc、bcc、fcc、hcp の秘密度を計算できる。元素・合金例を挙げ、転位とせん断ひずみの関係を表し、シュミット因子を図解できる。 右記の加えて、sc、bcc、fcc、hcpについてミラー指数を求めることができる。代表的な点(3個)、線(1個)および面欠陥(4個)を図示できる。sc、bcc、fcc、hcpの基本格子を図示できる。完全結晶のすべり抵抗を剛性率を用いて導きだせる。sc、bcc、fcc、hcp の基本格子を図示できない。完全結晶のすべり抵抗を剛性率を用いて導きだせない。
評価項目2右記に加えて、転位の応力場、転位のエネルギー、転位に作用する力、転位の増殖、転位の上昇、転位の交切と集積について計算と図解ができる。右記に加えて、すべり面とすべり方向はどういう面と方向か理由も含め図解できる。部分転位、拡張転位、積層欠陥、交差すべり、不動転位について図解できる。転位とは何かまたその役割を原子オーダーの絵を描き、図示できる。転位とは何かまたその役割を原子オーダーの絵を描き、図示できない。
評価項目3右記に加えて、 最大荷重点におけるひずみはひずみ硬化指数に等しくなることを考えることができる。右記に加えて、 析出硬化、マルテンサイト強化、ひずみ硬化について転位論的に考えることができる。強化に寄与する結晶粒界、溶質原子の役割、降伏現象、ひずみ時効を転位論的に考えることができる。強化に寄与する結晶粒界、溶質原子の役割、降伏現象、ひずみ時効を転位論的に考えることができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (C) 説明 閉じる
教育目標 (C)③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第3学期開講 
外力が同じでも機械を構成する部材の強さは,部材の材料が異なれば当然異なります。これは外力に対する材料の応答が材料ごとに異なるためであり,従って材料の強さを知るには力学的な面と材料学的な面の両面から学ぶ必要があります。材料強度学はこの両者の境界領域を対象としており,実用上極めて重要であり、理解できれば、材料の選択や破壊の解析に利用できる有益で面白い学問です。
授業の進め方・方法:
基本的に教科書にしたがって、パワーポイントを使い解説し、進める。
注意点:
 材料力学、材料学に関する基本的な知識が必要です。また簡単な微分積分、三角関数も必要です。暗記しなければならないこともありますが(たとえば、fccには金、銀、銅、アルミ、ニッケルなどがある)、基本的には理解することが重要です。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 結晶塑性の基礎
  格子欠陥
・点、線、面格子欠陥が理解できる。
2週 結晶塑性の基礎
  すべり変形,完全結晶のすべりと
  転位
・すべり面、すべり方向が理解できる。
・fccとbccのすべり面、すべり方向が理解できる。
3週 結晶塑性の基礎
  単結晶のすべり変形と双晶
・完全結晶のすべりに要する応力が計算できる。
・臨界分解せん断応力が理解できる。
4週 転位論
  転位の基本的な性質,
  結晶構造と転位
・2種類の転位があること、バーガースベクトル、転位の分解合体、交差すべりが理解できる。
・部分転位、拡張転位、積層欠陥の関係が理解できる。
5週 転位論
  転位の交切と集積
・転位を動きにくくするらせん転位同士の交切と転位の集積について理解できる。
6週 強化機構
  結晶粒界,亜結晶粒界
・結晶粒界、亜結晶粒界の強化機構を説明できる。
・ホールペッチ則を導出できる
7週 強化機構
  固溶硬化,降伏,ひずみ時効
・固溶硬化について説明できる。
・降伏、ひずみ時効を転位論で説明できる。
8週 定期試験、試験返却、まとめ
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】5015000065
思考・推論・創造への適用力【適用、分析レベル】2015000035
分野横断的能力0000000