機械工作法Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 機械工作法Ⅱ
科目番号 0051 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 前半:「機械工作法Ⅰ」朝倉・橋本著(共立出版)*機械工作法Ⅰで使用したもの/後半:「機械工作法」 佐久間・斉藤・松尾著 (朝倉書店)
担当教員 後藤 実

到達目標

械工作法は加工素材を固体として扱い、大別すると(Ⅰ)材料非除去加工と(Ⅱ)材料除去加工に分類できる。第一学期では、非除去加工の後半(押出し加工、引抜き加工、圧延加工、転造加工、せん断・曲げ加工、絞り加工)と溶接法(溶接の概要、アーク溶接、ガス溶接、特殊溶接法、抵抗溶接法、圧接とろう付、ガスおよびアーク切断)について理解し説明できることを目標とする。第二学期では、除去加工(機械加工の目的と金属の切削機構、切削工具、と石およびと粒による加工)について理解し説明できることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1塑性加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた適切な塑性加工の行程が立案できる。塑性加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた工作法の選択ができる。塑性加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解し説明できる。塑性加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失が理解できず説明できない。
評価項目2溶接技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた適切な溶接法の行程が立案できる。溶接技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた溶接法の選択ができる。溶接技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解して説明できる。溶接技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失が理解できず説明できない。
評価項目3切削加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた適切な機械加工の行程が立案できる。切削加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた切削条件の選択ができる。切削加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解して説明できる。切削加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失が理解できず説明できない。
評価項目4と粒加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせた適切なと粒加工の行程が立案できる。と粒加工技術に関する専門用語やプロセスおよび得失を理解した上で、製品や目的に合わせたと粒加工法の選択ができる。と粒加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失を理解して説明できる。と粒加工技術に関する基礎的な専門用語やプロセスおよび得失が理解できず説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第一、第二学期開講
機械工作法Ⅱの第一学期は非除去加工を学び第二学期は除去加工について学びます。
一般に切削加工やと粒加工などの除去加工は材料のムダが多く製造コストが高くなる反面、工作精度は高いことが理解でき、非除去加工と除去加工のそれぞれの長所をバランス良く組み合わせた工程を実現することで、安くて高性能な製品を早く大量に作ることが可能になることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
第一学期では、機械工作法Ⅰで網羅されていない各種の塑性加工や溶接法について学習を深る。一般に非除去工は材料のムダが少なく安くて大量生産に適する一方、工作精度が良くないことを理解する。
第二学期では、切削加工の概要と各種加工条件の役割について理解すると共に、実際の切削機構を二次元切削模型を使用して解析的に理解することで、工学的なモデルを使った理論解析の方法を学ぶ。また、と粒加工でも、解析モデルを用いて研削機構を理解する。
注意点:
授業を受ける前にシラバスで講義内容を確認し、教科書の該当する箇所を予め予習しておくこと。
授業中は板書に集中するのではなく、なぜそのような工法や材料を用いるのか自分の頭で考えること。
授業中に生じた疑問点はその時間のうちに質問し、解決すること。
また、講義を受けた後の復習は教科書だけではなく、参考書等も用いること。
不明な点は教科担当に積極的に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 圧延加工
(塑性加工1)
圧延加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
2週 押出し加工
(塑性加工2)
押出し加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
3週 引抜き加工
(塑性加工3)
引抜き加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
4週 管材加工
(塑性加工4)
管材加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
5週 転造加工
(塑性加工5)
転造加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
6週 せん断・曲げ加工
(塑性加工6:プレス加工1)
せん断・曲げ加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解し説明できる。
7週 絞り加工
(塑性加工7:プレス加工2)
絞り加工の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
8週 第一学期中間試験
2ndQ
9週 溶接の概要
(溶接1)
溶接の概要と加工原理、および他の接合法との得失を理解して説明できる。
10週 アーク溶接法
(溶接2)
アーク溶接法の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
11週 ガス溶接法
(溶接3)
ガス溶接法の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
12週 抵抗溶接法
(溶接4)
抵抗溶接法の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
13週 特殊融接法
(溶接5)
特殊融接法(テルミット溶接、エレクトロスラグ溶接、電子ビーム溶接、レーザービーム溶接、プラズマアーク溶接)の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
14週 その他の接合法(圧接・ろう接)
(溶接6)
圧接・ろう接の概要と加工原理、および工業的応用事例を理解して説明できる。
15週 第一学期末試験
16週 試験返却・解答解説と前期のまとめ 試験解説により,間違った箇所を理解する。前期
の学習事項のまとめを行う。
後期
3rdQ
1週 機械加工の概要
(機械加工1)
除去加工の概要について理解して説明できる。
2週 切削加工の概要
(機械加工2)
切削加工の概要と加工原理について理解して説明できる。
3週 構成刃先と切削温度
(機械加工3)
構成刃先の生成・消滅と切削温度の関係について説明できる。また、切削機構の理論解析に用いる二次元切削模型について理解して説明できる。
4週 工具形状とせん断角
(機械加工4:切削機構の解析Ⅰ)
二次元切削模型を使って、切削比および工具形状とせん断角、せん断速度および切りくず速度の関係を理解して説明できる。
5週 切削抵抗
(機械加工5:切削機構の解析Ⅱ)
二次元切削模型を使って、せん断抵抗と垂直抵抗、および、摩擦力と垂直力と、主切削抵抗および背分力との間の関係を理解して説明できる。
6週 切削力の測定と切削方程式
(機械加工6:切削機構の解析Ⅲ)
切削力の測定と切削方程式について理解して説明できる。
7週 切削油剤
(機械加工7)
切削油剤の作用と効果および種類について説明でき、切削方程式を用いて切削油剤の作用機構を説明できる。
8週 第二学期末試験
4thQ
9週 切削工具の形状と切削工具材料
(機械加工8)
実際の切削工具形状と工具材料について理解して説明できる。
10週 工具摩耗と仕上面粗さ
(機械加工9)
工具摩耗の要因について理解して説明でき、仕上面粗さの概要について説明できる。
11週 と粒加工の概要
(と粒加工1)
と粒加工の概要と加工原理および、と粒とと石の基礎について理解して説明できる。
12週 研削加工の基礎
(と粒加工2)
円筒プランジ研削の基礎を理解し、と石周速とと粒切込み深さの関係を説明できる。また、と石摩耗について説明できる。
13週 研削加工の精度と表面損傷
(と粒加工3)
研削条件および研削液の種類と寸法精度の関係および、研削面の表面損傷について理解して説明できる。
14週 精密表面仕上げ加工
(と粒加工4)
精密表面仕上げ加工について理解して説明できる。
15週 第二学期末試験
16週 試験返却・解答解説
科目の総まとめ
授業改善アンケートの実施
試験解説により,間違った箇所を理解する。
学習事項の総まとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
知識の基本的な理解500000050
思考・推論・創造への適用力3000002050