設計製図・CADⅢ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 設計製図・CADⅢ
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「設計製図」林洋次,他著(実教出版)
担当教員 後藤 実,山﨑 由勝

到達目標

前期の到達目標レベルは,簡単な機械要素のスケッチを行い,
(1)機械要素の簡単な実物モデルの主投影図と補助的な投影図の選択ができ,基準を基にした基本的な寸法記入法を理解し使用できること
(2)フリーハンドで描いたスケッチ図を元にJIS規格に基づいた投影法・寸法記入法がなされた製作図が作成できることである.
後期はJISに規格化された簡単な機械について,
(3)強度評価と材料選択を通じて,JISの検査基準を満たすように基礎的設計を行い,設計書が作成できること
(4)設計書を元に製作図がCADにより作成できることである.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1機械要素の簡単な実物モデルの投影図の適切な選択と,基準を基にした基本的な寸法記入法を十分に理解し使用できる.機械要素の簡単な実物モデルの投影図の選択と,基準を基にした基本的な寸法記入法を十分に理解し使用できる.機械要素の簡単な実物 モデルの投影図の選択と,基準を基にした基本的な寸法記入法を理解し使用できる.機械要素の簡単な実物モデルの投影図の選択と,基準を基にした基本的な寸法記入法が使用できない.
評価項目2フリーハンドで描いたスケッチ図を元に,JIS規格に基づいた投影法・寸法記入法がなされた明解な製作図が作成できる.フリーハンドで描いたスケッチ図を元に,JIS規格に基づいた投影法・寸法記入法がなされた読みやすい製作図が作成できる.フリーハンドで描いたスケッチ図を元に,JIS規格に基づいた投影法・寸法記入法がなされた製作図が概ね作成できる.フリーハンドで描いたスケッチ図を元に,JIS規格に基づいた投影法・寸法記入法がなされた製作図が全く作成できない.
評価項目3右記の設計書は,規格と安全が考慮されている.右記の基本設計に基づき,設計書が作成できる.ねじ式ジャッキについて,強度評価と材料選択を通じて,JISの検査基準を満たすように基礎的設計ができる.ねじ式ジャッキについて,強度評価と材料選択を通じて,JISの検査基準を満たすように基礎的設計ができない.
評価項目4設計書を元にした部品図と組立て図がJIS規格を満たし,正確にCADにより作成できる。設計書を元にした部品図と組立て図がCADにより作成できる.設計書を元にした部品図と組立て図がCADにより概ね作成できる.設計書を元にした部品図と組立て図がCADにより作成できない.

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
実際の製造業の現場では,三次元の品物の形状を二次元の紙の上にフリーハンドで表現するスケッチは短時間に品物の形状を的確に描写して寸法を漏れなく記入することが求められます.
また,そのスケッチを元に作図される製作図は,実際に加工を行う人の立場に立って作図されなくてはならず,図面の出来・不出来が品物の納期や品質に大きく影響します.
本授業では,設計製図及び3D-CADを講義・実習を通じて学習します.
授業の進め方・方法:
前期はこれまで学んだ製図の決まりを座学で復習し,その後のスケッチと製作図の実習で実際に確かめながら身に着けてほしいと思います.
後期からの設計製図では,各自異なる仕様を与えられ,これを満たすように検査規格や,ねじ,材料その他多くの規格を参照しながら,主として機構と強度設計を行い,最終的に設計書を完成させます.製図はこの設計書を満たすように3D-CAD を用いて行います.設計書の確認,製図の検図を数次に渡り行います.
注意点:
初回の製図のきまりに関する講義内容はノートを取り,スケッチ製図や製作図を作成する際は持参すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週
スケッチの意義と方法(講義)
スケッチの意義と方法について理解できる。
2週 投影図の選択方法(講義) 主投影図・補助投影図の選択方法が理解できる。
3週 図形の表し方(講義) 様々な投影図、断面図、特殊な図示法を理解できる。
4週 基準の設定と寸法線の入れ方(講義) 機能を考えた加工基準の設定方法と寸法線・寸法
補助線・公差・表面性状の記入法が理解できる。
5週 トースカンのスケッチ①(実習) 製図の約束に基づいて、A3方眼紙にトースカンの構成部品の基本図形をスケッチできる。
6週 トースカンのスケッチ②(実習) 作図したスケッチに寸法・公差・表面性状を記入できる。
7週 スケッチを基にしたトースカン製作図の作成①(実習) 作製したスケッチを基に、作成図に必要な基本図形を製図できる。
8週 スケッチを基にしたトースカン製作図の作成②(実習) 製作図の基本的なレイアウトができ、必要な投影図や断面図が作図できる。
2ndQ
9週 スケッチを基にしたトースカン製作図の作成③(実習) スケッチを基にして寸法・公差・表面性状を記入したトースカン製作図を完成させることができる。
10週 マシンバイスのスケッチ①(実習) 製図の約束に基づいて、A3方眼紙にマシンバイス本体の基本図形をスケッチできる。
11週 マシンバイスのスケッチ②(実習) マシンバイス本体の内部構造を適切な断面図示により作図できる。
12週 マシンバイスのスケッチ③(実習) 作図したスケッチに寸法・公差・表面性状を記入できる。
13週 スケッチを基にした製作図の作成①(実習) 作製したスケッチを基に、作成図に必要な基本図形を製図できる。
14週 スケッチを基にした製作図の作成②(実習) 製作図の基本的なレイアウトができ、必要な投影図や断面図が作図できる。
15週 スケッチを基にした製作図の作成③(実習) スケッチを基にして寸法・公差・表面性状を記入したマシンバイス本体製作図を完成させることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ねじ式ジャッキの設計法(講義と演習)①
設計に必要な関連JIS規格,個人別仕 様書の配布と説明.
・自動車携行用ジャッキに求められる性能,特徴などを理解できる.
・ねじジャッキのJIS検査基準を理解でき,各部品の設計ができる.
2週 ねじ式ジャッキの設計法(講義と演習)②
各部品ごとの設計法を解説,それに従い設計し,設計書を作成(演習).
・解説した設計法に基づき設計ができる.
・配布した関連JIS規格の記載事項を理解し,各自の設計に利用できる.
3週 ねじ式ジャッキの設計法(講義と演習)③
各部品ごとの設計法を解説,それに従い設計し,設計書を作成(演習).
・解説した設計法に基づき設計ができる.
・配布した関連JIS規格の記載事項を理解し,各自の設計に利用できる.
4週 ねじ式ジャッキの設計法(講義と演習)④
各部品ごとの設計法を解説,それに従い設計し,設計書を作成(演習).
・解説した設計法に基づき設計ができる.
・配布した関連JIS規格の記載事項を理解し,各自の設計に利用できる.
5週 ねじ式ジャッキの設計法(講義と演習)⑤
各部品ごとの設計法を解説,それに従い設計し,設計書を作成,提出(演習).
・各自,仕様と検査規格を満たす設計書を完成させることができる.
・一般的な機械設計の流れが理解できる.
6週 製作図の作成実習①
設計書の返却と訂正,CADの復習,製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
7週 製作図の作成実習②
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
8週 製作図の作成実習③
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
4thQ
9週 製作図の作成実習④
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
10週 製作図の作成実習⑤
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
11週 製作図の作成実習⑥
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
12週 製作図の作成実習⑦
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
13週 製作図の作成実習⑧
製図
・設計書に基づきCADで作成できる.
14週 製作図の作成実習⑨
製図、検図
・設計書に基づきCADで作成できる.
・指摘事項を理解し訂正できる.
15週 製図の訂正(実習) ・指摘事項を理解し訂正できる.
・学習事項のまとめを行う.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ成果品合計
総合評価割合00000100100
知識の基本的な理解000005050
思考・推論・創造への適用力000002525
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力000002525