機械製造業概論

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械製造業概論
科目番号 0056 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 南野 郁夫,德永 敦士,宇部興産機械株式会社 従業員

到達目標

1.製造業の一連の流れを理解し,まとめることができる.
2.専門科目との関係性を理解し,専門科目の知識の必要性を考えることができる.
3.職務選択をより身近なものとして捉えることができ,学んできたこと,学ぶべきことを整理することができる.

ルーブリック

優れた到達レベルの目安良好な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
製造業の流れ受注を受けてから引き渡し,アフターサービスまでの一連の流れを理解し,また各項目の内容を詳細にまとめることができる.受注を受けてから引き渡し,アフターサービスまでの一連の流れを理解し,また各項目の内容をある程度まとめることができる.受注を受けてから引き渡し,アフターサービスまでの一連の流れをまとめることができる.受注からアフターサービスまでの流れをまとめることができない.
専門科目との関わり働く上での専門知識の必要性を,製造業の一連の流れにおける項目と関連付けて考えることができる.働く上での専門知識の必要性を考えることができる.働く上での専門知識の必要性をある程度考えることができる.働く上での専門知識の必要性を考えることができない.
学ぶべきことの整理学ぶべき事を整理し,具体的な行動計画を立てて行動し,それをまとめることができる.学ぶべき事を整理し,意識して取組むべきことを考えることができる.学ぶべき事をある程度整理できる.学ぶべき事の整理ができない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(4) 説明 閉じる
教育目標 (A)④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
宇部興産機械株式会社の従業員の方々に,受注から設計・製造を経て,納入・アフターサービスに至るまでの一連の流れを15回に分けて講義いただく. 機械製造業における業務の流れを具体的な事例で理解することにより,機械工学科で学ぶ専門知識がどの様に活かされるか,また将来の職務選択にむけて学ぶべきことをより具体的にイメージする事を目的とする.
授業の進め方・方法:
機械工学を専攻する学生にとって機械工学科で学ぶ知識や技術が実社会でどのように活かされるかを知ることは非常に重要である.本講義では宇部興産機械株式会社の従業員の方々を講師に招き,リレー形式で受注からアフターサービスに至る業務内容を講義いただく.なお,本講義の評価は毎週提出するレポートによる.
注意点:
初日の授業はスーツを着用のこと.毎週A4で1枚のレポートを提出のこと.
以下に,担当教員のメッセージを記します.
機械工学科の皆さんが興味をもたれると思われる機械製造業について、 その一つの形態として「個別受注生産型」である宇部興産機械(株)の業務の流れを紹介します。 夫々の業務の役割と、それらの繋がりを理解することにより、将来の職務選択にむけて自ら学ぶべきことをイメージして積極的に行動できる学生に育って欲しいと思います。(宇部興産機械株式会社)
この講義はお客様から受注を受け,設計・製造し引き渡し後のアフターサービスに至るプロセスを学ぶことが出来る非常に貴重な講義です.実際に企業の方から半期を通して機械製造に関する講義を受けることは,これまで学んできた専門科目の意味を理解することに繋がるものになります.積極的に授業に参加し,また質疑応答を通して将来のビジョンを明確にしましょう.(徳永敦士)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工場見学 宇部興産機械の企業情報(製作機械・組織とその業務内容の概略,各組織の人員数・期待される学生像など)を知る.
見学した職場の業務の雰囲気、従業員の業務取組態度・服装・道具などを知る.
2週 工場見学 宇部興産機械の企業情報(製作機械・組織とその業務内容の概略,各組織の人員数・期待される学生像など)を知る.
見学した職場の業務の雰囲気、従業員の業務取組態度・服装・道具などを知る.
3週 営業、事業企画 事業方針(手段、数値)に基づく営業戦略の実際と受注後の設計、製造、納入、アフターサービスに至る事業活動全体の流れを学ぶ
4週 設計(成形機) シリーズ機での見積~受注~設計~製作検証の一連の流れを理解する
5週 設計(産機・橋梁) 個別生産機種での顧客仕様の実現をする設計の流れを学ぶ
6週 生産計画
原価管理
受注した機械を実現する手順と、原価積算の方法を理解する
7週 購買 汎用的な部品や加工用素材の入手、協力メーカとの関係、納期管理等他社メーカや下請け企業から購入する業務の概要を学ぶ
8週 製造(成形機) 機械加工、組立など製品実現における実際のプロセスの概要を学ぶ
2ndQ
9週 製造(産機・橋梁) 大型製缶製品の切断、曲げ、溶接、機械加工、組立など製品実現における実際のプロセスの概要を学ぶ
10週 検査~出荷 製品、部品の各種検査や不適合品管理方法など品質保証の概要としくみを学ぶ
11週 モノづくり 製造技術を伝承していく当社独自のモノづくり道場を紹介と技術の伝承の大切さ学ぶ
12週 サービス 納入した機械製品の故障修理、予備品供給、クレーム処置、改造等アフターサービスの重要性を学ぶ
13週 知財 自社の技術を守り、利益を確保し、他社との交渉で優位に立つ戦略の重要性を学ぶ
14週 技術開発 既存機種の要素技術改革、新機種開発、ソリューション活動など開発業務の概要を学ぶ
15週 環境安全 製造現場の安全を確保し、生産活動における環境保全の大切さとしくみを学ぶ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。3
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。3
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
知識の基本的な理解5050
思考・推論・創造への適用力5050