1. 技術者としてのキャリアパスを理解できる.
2. 地球の内部・大気と海洋・生物に関する知識を理解できる.
3. 公害・環境汚染が与える影響を理解できる.
4. 政治・経済・文化・宗教の観点から他国・他地域の特徴を理解できる.
概要:
第2学期および第4学期開講
技術者リテラシーⅠは,現代の技術者が有するべき知識・素養の修得を目指す科目であり,その内容は多岐にわたる.ライフサイエンス,アースサイエンスでは大気と海洋と生態系等を学び,これらの知識をベースとして公害,食糧技術,再生可能エネルギー等の地球規模で取り組むべき諸問題に目を向ける.技術者倫理や異文化・多文化理解では,グローバルに活躍する技術者としての視野を広げることを目的とする.また,未来志向性では,自らの技術者像を確立するとともに,本校における学修内容との関連性の理解を目指す.
本科目は1年生で15回,2年生で15回の授業を実施するが2年次までの履修をもって1単位を認定する.
授業の進め方・方法:
本講義では知識を深めるのはもちろんだが,得た知識の実問題への適用や環境問題における地球規模の視点を必要とする.また,ワークショップでは自らの思考を言語化するとともに,他者の考え方を理解・咀嚼し,議論する能力が求められる.最終的に,グローバル化を前提とした技術者として活躍するための「幅広い視野」を身に付け,技術偏重に陥ることなく,地球環境の保全や他国の文化・宗教等の尊重を前提とした視点・能力を身につけることにある.
注意点:
従来型の座学のように,教員から降ってくる知識を吸収するのみという受け身型の学習を想定していない.上記に示したように,知識と実問題を結び付けるため,それらの関連性に常に注意を払い,知の構造化を図って欲しい.また,ワークショップでは自らの意見を積極的に開陳するとともに,各テーマに沿った議論を深めて欲しい.以上の意識を持って取り組むことで,自らの視野を広げられるとともに,一般科目・専門科目を学ぶ必要性を理解でき,自らのキャリア形成に役立てることができると確信している.
本科目は1年生で15回,2年生で15回の授業を実施するが2年次までの履修をもって1単位を認定する.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
【初年次教育】 開講挨拶/高専制度について/高専で何を学ぶ? |
高専制度および在学中のロードマップを理解できる.
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2週 |
【初年次教育】 高専生手帳: スケジュール管理・タスク管 |
スケジュール管理・タスク管理の重要性を理解し,自己管理能力を高めることができる.
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3週 |
【初年次教育】 テクニカルライティング(レポートの書き方・答案の書き方・ノートの取り方) |
宇部高専卒業後のキャリアパスについて理解し,今後の学生活動の指針にできる.
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4週 |
【初年次教育】【キャリア教育】 キャリアパス:進学・就職パスの紹介,職種と最終学歴の関係,今後の学生生活の指針 |
宇部高専卒業後のキャリアパスについて理解し,今後の学生活動の指針にできる.
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5週 |
【アースサイエンス】 ・地球の概観 ・地球の内部と活動(1) |
太陽系の構造,惑星の公転軌道および自転・公転方向,地球を構成する大気と水,陸地および海底の大地形とその形成について知識を得る.
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6週 |
【アースサイエンス】 ・地球の概観 ・地球の内部と活動(1) |
地球の内部構造(地殻,マントル,核),マグマの生成と火山活動,および地震と断層運動の関連を理解できる.
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7週 |
【アースサイエンス】 ・地球の内部と活動(2) ・大気と海洋 |
プレートテクトニクス,地震活動と地殻変動,大気圏の構造・成分の知識を得る.
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8週 |
【アースサイエンス】 ・地球の内部と活動(2) ・大気と海洋 |
大気圧,大気の熱収支(太陽放射と地球放射),大気の大循環(緯度毎の熱収支)と気象現象,海水の運動(潮流,高潮,津波)について理解できる.
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2ndQ |
9週 |
【環境・安心・倫理】 ・日本の公害問題の歴史 ・日本における4大公害 |
アースサイエンスの知識をベースに大気汚染が我々の健康・生活に与える影響を知り,日本における4大公害を事例として具体的な公害問題を把握できる.
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10週 |
【環境・安心・倫理】 別子銅山における公害解決の取り組み |
別子銅山:亜硫酸ガスによる大気汚染(煙害)が農作物に与えた影響を把握できる. 住友電気工業:植林による自然再生の取組を理解できる.
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11週 |
【環境・安心・倫理】 宇部市の公害対策「宇部方式」 |
科学的調査データおよび産官学民の話し合いに基づく公害発生源対策,自治意識に基づく公害対策について歴史を学ぶことができる.
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12週 |
【環境・安心・倫理】 環境と共生する企業のマネジメント |
企業の行ってきた公害対策の事例を把握できる.環境と経済のバランスを意識し,環境への配慮と企業の社会的責任の関連を理解できる.
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13週 |
【環境・安心・倫理】 公害問題に関するワークショップ |
4大公害,別子銅山,宇部方式を事例として公害問題に対するディスカッションを行い,グループ単位で意見をまとめることができる.
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14週 |
【初年次教育】【キャリア教育】 キャリア意識に関するワークショップ |
アースサイエンスおよび環境問題の学習を通して「企業の行う事業に対するイメージ」がどのように変化したか,また自らのキャリア形成にどのような影響を与えたか,を言語化できる.
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15週 |
【キャリア教育】 税金の使い方について |
税金とは「社会共通の費用をまかなう会費」であるということを学び,なぜ税金が必要か,また,税金が社会のためにどのように使われているかを理解できる.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
"【キャリア教育】 キャリアカルテ" |
自らのキャリアパスを検討し,今後の学生生活および卒業後の未来像を設計できる.
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2週 |
【ライフサイエンス】 ・生物の多様性と共通性 ・地球上の植生 |
地球上の生物の多様性・生物の共通性と進化の関係を把握できる.
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3週 |
【ライフサイエンス】 ・生物の多様性と共通性 ・地球上の植生 |
森林の階層構造(森林・草原・荒原の違い)・植生の遷移と仕組み・世界のバイオーム(=生物群系)とその分布・日本のバイオームの水平分布と垂直分布を知識として身につけることができる.
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4週 |
【ライフサイエンス】 ・生態系 ・人間活動と地球環境の保全 |
生態系の構成要素(生産者,消費者,分解者,非生物的環境)とその関係,生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて理解できる.
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5週 |
【ライフサイエンス】 ・生態系 ・人間活動と地球環境の保全 |
熱帯林の減少・生物多様性の喪失・有害物質の生物濃縮・地球温暖化(問題点,原因,対策)と人間活動が地球環境に与えた影響を把握し,地球環境の保全に必要な取組を理解できる.
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6週 |
【環境・安心・倫理】 食糧技術と宇部高専 |
世界の食糧問題および日本との関連を把握できる.また,植物工場と宇部高専の専門分野の関連を把握できる.
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7週 |
【ライフサイエンス】【環境・安心・倫理】 ライフサイエンスの学習内容と実問題との関連 |
第16~20回の講義内容を整理し,ライフサイエンスの分野と食糧技術との関連を理解できる.
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8週 |
【環境・安心・倫理】 再生可能エネルギー |
日本における再生可能エネルギーの割合・再生可能エネルギーの発電方法と蓄電方法に関する知識を得る.発電資源の確保の必要性を理解できる.
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4thQ |
9週 |
【技術者倫理】 環境倫理 |
グループ単位でのディスカッションを通して食糧問題・エネルギー問題を議論し,自らの意見を確立するとともに他者による異なる視点を受け入れることができる.
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10週 |
【環境・安心・倫理】 日本のエネルギー問題 |
日本におけるエネルギーの現状と原子力発電における高レベル放射性廃棄物とその処分方法を説明できる.
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11週 |
【技術者倫理】 水技術と宇部高専 |
・地球上の水の量について ・日本人が使っている水の量について ・仮想水(バージャルウォーター)について ・日本における水を作る技術と宇部高専の専門分野について ・今後の水ビジネス市場について
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12週 |
【キャリア教育】 女子学生のライフプラン |
女子学生向け,技術者向けライフプランについての講義を受け技術者としての自身のキャリアについて考える事ができる.
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13週 |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 |
様々な国や地域の経済的な持続発展に技術者として果たすべき役割について説明できる.
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14週 |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 |
様々な国や地域の特色を理解し,持続的発展に技術者として果たすべき役割とそれに伴う責任と行動について説明できる.
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15週 |
まとめ |
2年間に学んだ内容における取り組みを整理するとともに,グローバルに活躍する技術者に必要な素養や視野の広さを理解できる.
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。 | 3 | |
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。 | 3 | |
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 3 | |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 3 | |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 3 | |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 3 | |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 3 | |
地球上の生物の多様性について説明できる。 | 3 | |
生物の共通性と進化の関係について説明できる。 | 3 | |
生物に共通する性質について説明できる。 | 3 | |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 3 | |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 3 | |
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。 | 3 | |
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。 | 3 | |
世界のバイオームとその分布について説明できる。 | 3 | |
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。 | 3 | |
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。 | 3 | |
生態ピラミッドについて説明できる。 | 3 | |
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。 | 3 | |
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。 | 3 | |
有害物質の生物濃縮について説明できる。 | 3 | |
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 3 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |
企業には社会的責任があることを認識している。 | 3 | |