熱力学A

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学A
科目番号 0146 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 例題でわかる工業熱力学
担当教員 德永 敦士

到達目標

本講義では熱力学の概念を説明し、(1)熱力学の第一法則、熱力学の第二法則、(2)理想気体の状態変化、および(3)熱機関の効率について理解できることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一法則、第二法則を説明でき、計算できる。熱力学の第一法則、第二法則が計算できる。熱力学の第一法則、第2法則が説明できる。熱力学の第一法則、第二法則が説明できない。
評価項目2理想気体の状態変化、およびカルノーサイクルを計算、説明できる。理想気体の状態変化を計算できる。理想気体の状態変化を説明できる。理想気体の状態変化が説明できない。
評価項目3熱機関のpv線図、Ts線図を図示でき、効率が計算できる。熱機関のpv線図、Ts線図を図示でき、行程を説明できる。熱機関のpv線図、Ts線図を図示できる。熱機関の行程が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期開講
授業の進め方・方法:
熱と仕事の基本的な考え方を理解させる。少数の基本公式のみを用いて、さまざまな熱機関の効率や熱の出入りについて、自分で計算できるように講義と演習ををおこなう。まず気体の状態方程式を説明し、次いで、熱力学の第一法則、第二法則を説明する。次にカルノーサイクルを説明する。
注意点:
熱力学では、自然界における物質の状態変化とその変化の方向に関する自然法則を学び、熱の仕事への変換、熱の有効利用など、多様なエネルギー形態と熱的作用との相関を学習する。工学的な応用系との関連に留意しつつ、エネルギーの保存およびエネルギーの質的変化に関する基礎概念の理解に重点を置いた講義を行なう。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 熱力学の導入 熱力学とは何か、系・物質の状態とエネルギー、SI単位系、エネルギーの保存則について理解する。
2週 閉じた系の熱力学第一法則 熱と仕事、内部エネルギー、第一法則の記述法について理解する。
3週 開いた系の熱力学第一法則 工業仕事、エンタルピー、第一法則の記述法(第二表現)について理解する。
4週 理想気体 理想気体の状態方程式、理想気体の比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーについて理解する。
5週 理想気体の状態変化 理想気体の等圧、等容、等温および断熱変化について理解する。
6週 熱力学第一法則の演習 理想気体と熱力学の第一法則についての演習を行う。
7週 中間試験 中間試験を行う。
8週 中間試験の解説 試験の解説を行う。
4thQ
9週 カルノーサイクル 動力サイクルと冷凍サイクル、熱効率と成績係数について理解する。
10週 熱力学の第二法則とエントロピー 可逆サイクルと不可逆サイクル、エントロピー生成について理解する。
11週 エントロピー変化の計算および演習 固体・液体および理想気体のエントロピー変化の計算法について理解する。
12週 最大仕事とエクセルギー 第一・第二法則から得られる最大仕事、エクセルギーの記述法について理解する。
13週 熱力学第二法則の演習 熱力学の第二法則についての演習を行う。
14週 総合演習 演習を行う。
15週 期末テスト 期末試験(全範囲)
16週 期末試験の解説 試験の解説を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力20201000050
専門的能力500000050
分野横断的能力0000000