歴史B

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 歴史B
科目番号 23004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 『現代の歴史総合』久保文明、中村尚史編(山川出版社)
担当教員 小山 桂佑,小川 泰治

到達目標

1. 「社会事象の歴史的な見方・考え方」を、日本史及び世界史の主に近現代以降の通史を扱うことを通して身につける。「社会事象の歴史的な見方・考え方」とは、社会事象を捉える際に働かせる次の5つの視点である。
①時系列に関わる視点(時代・年代など)
②諸事象の推移に関わる視点(展開・変化・継続など)
③諸事象の比較に関わる視点(類似・差異など)
④事象相互のつながりに関わる視点(背景・原因・結果・影響・関係性・相互作用など)
⑤現在とのつながり
2. 近代以降の日本の姿とその変遷を日本史及び世界史の両面から捉えることで、欧米諸国やアジア諸国との関係性を理解し、現代日本の国際的な立ち位置をその歴史から考察することができる。
3. 「社会事象の歴史的な見方・考え方」を身につけた上で、歴史研究の基本手続き(①根拠となる歴史史料に基づき史料批判→②史実の究明→③歴史の解釈)を体験することを通して、現在の常識や価値観を相対的に捉える視座を獲得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限のレベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1第二次世界大戦に至るまでの世界情勢について論理的かつ詳細に説明できる。第二次世界大戦後に至るまでの世界情勢について論理的に説明できる。第二次世界大戦に至るまでの世界情勢について説明できる。第二次世界大戦に至るまでの世界情勢について説明できない。
評価項目2第二次世界大戦に至るまでの日本外交について論理的かつ詳細に説明できる。第二次世界大戦に至るまでの日本外交について論理的に説明できる。第二次世界大戦に至るまでの日本外交について説明できる。第二次世界大戦に至るまでの日本外交について説明できない。
評価項目3冷戦期の世界および戦後日本の動向と、現在生じている諸問題について論理的かつ詳細に説明できる。冷戦期の世界および戦後日本の動向と、現在生じている諸問題について論理的に説明できる。冷戦期の世界および戦後日本の動向と、現在生じている諸問題について説明できる。冷戦期の世界および戦後日本の動向と、現在生じている諸問題について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高専生と関わりの深い科学や技術を切り口に、日本史及び世界史の主に近現代以降の通史を扱う。必要に応じて画像資料や映像資料を活用する。
授業の進め方・方法:
授業は、演習→講義→小レポート作成の順に展開する(グループワーク中心の授業回もあり)。授業冒頭の演習では、前回の授業内容の復習を行う。毎回の授業終盤に作成する小レポートでは、提示された課題に加え、当該授業で扱った内容に対する自身の“気づき”を記載し、提出する。質問が生じた場合も、小レポートに記載すること。翌週の授業冒頭で回答をクラス全体に共有する。
注意点:
授業の冒頭では、当該授業終盤に各自で作成する小レポートのヒントを提示する。当該授業において働かせる「社会事象の歴史的な見方・考え方」を意識した上で、授業に参加すること。
授業中は担当教員から積極的に発問を行うことで、双方向にコミュニケーションを取りながら授業を進める。グループワークはもちろん、演習や小レポートの作成など学生が主体的に行う活動もあるため、積極的に授業に参加すること。
定期試験では知識問題に加え論述問題を出題する。論述問題は、授業毎の小レポートの蓄積により回答できるような課題を設定し出題する。よって授業毎の小レポートは、定期試験の論述問題対策にあたり参照できるよう保管すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、第二次世界大戦の展開、国際連合と国際経済体制 シラバスの内容について理解する。第二次世界大戦に至る背景を理解し、戦後世界への影響を考察することができる。国際連合の特徴について理解する。
2週 占領と戦後政策、日本の独立と日米安全保障条約、冷戦の始まりと東アジア諸国の動向 第二次世界大戦後の世界経済秩序の形成について理解する。日本の国際社会への復帰の経緯を理解する。冷戦構造の成立の背景について理解する。
3週 冷戦下の地域紛争と脱植民地化、軍拡競争から緊張緩和へ、アジアのなかの戦後日本 冷戦が第二次世界大戦後に独立・建国した国々にどのような影響を及ぼしたかについて理解する。米ソの宇宙開発競争や核軍拡の展開について理解する。戦後日本と東アジアおよび東南アジア諸国との関係について考察することができる。
4週 石油危機、市場開放と経済の自由化 石油危機と日本の高度経済成長の終焉について理解する。プラザ合意以後の貿易自由化について理解する。
5週 冷戦の終結とソ連の崩壊 東アジア諸国での社会主義体制の解体と、ソ連崩壊について理解する。
6週 現代の東アジア 中国の経済発展と日本およびアジア諸国との関係について考察することができる。
7週 振り返り これまでの学習内容を振り返る。
8週 期末試験・期末試験返却 期末試験を行い、返却し、解説する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3後1
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3後1,後2,後3,後4,後5
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3後6
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

期末試験小レポート・発問合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100
専門的能力000
分野横断的能力000