電気回路ⅡA

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路ⅡA
科目番号 23019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路」 高田 進 他 著 [実教出版]
担当教員 成島 和男

到達目標

1)インピーダンスの概念が把握できる。
2)正弦波電圧、電流の複素数表示を説明できる。
3)正弦波交流の複素表示を説明でき、これを交流回路の計算に用いることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1インピーダンスの虚数部は位相を表すこと、その物理的意味を明確に理解できる。インピーダンスの虚数部は位相を表すことを理解し始める。インピーダンスは複素数であることを記憶でき、計算することができる。インピーダンスと抵抗の違いが判らない等、インピーダンスの概念が全く把握できず、記憶もできない。
評価項目2正弦波と複素数の関係を物理的、数学的にはっきりと認識し、明確に理解できている。なぜ、正弦波を複素数で表示するかを理解し始める。正弦波から複素数に、また逆に複素数から正弦波への変換が計算できる。正弦波と複素数の関係が理解できない
評価項目3応用レベルの問題も解ける。テブナンの定理、、キルヒホッフの法則等の物理的背景が理解できている。教科書の例題レベルが理解でき、どのような問題を解いているかを明確にイメージできる。教科書の例題がかろうじて解ける。テブナンの定理、キルヒホッフの法則等を何とか使用できる。交流回路の計算ができない。直流の場合と全て同じように計算しようとする。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第1、第2学期に週に一回講義する。あらゆる電気工学の基礎となる交流理論を取り扱う。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。基礎項目を説明した後、例題を解く形式で進める。時折、授業の後半にレポートを課す。レポートは授業時間中に仕上げ、その日のうちに提出すること。
注意点:
電気回路ⅡAは、単相の交流を扱う。この分野は、電気工学のあらゆる分野の基礎となるため、しっかり授業を理解し、演習問題が解けるようにしてほしい。必ず復習を行い、完全に授業内容を理解すること。
なお、プリントは、あくまで補助教材である。補助教材のみ頼らず、教科書も使用のこと。
演習や試験はカンニングは厳禁である。行った場合は、少なくとも当該科目は零点となる。期末試験は、その期間に実施中の全ての科目が零点となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数と交流回路の記号法表示① 正弦波交流における電圧、電流、インピーダンスの複素数表示の物理的数学的意味について、特に、直列回路について理解できる。
2週 複素数と交流回路の記号法表示② 第一回に引き続き、正弦波交流における複素数表示の物理的数学的意味について、特に、並列回路や直並列回路について理解できる。
3週 問題練習① 第1回と第2回まで説明した内容について、総合的な問題練習を行うことにより、計算方法を習得できる。
4週 問題練習② 第3回で行った問題練習の解説を通じて間違った箇所を理解できる。
5週 交流回路計算の諸方法① 交流回路におけるキルヒホッフの法則について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
6週 交流回路計算の諸方法② 交流回路におけるミルマンの定理について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
7週 小テスト これまでの項目について小テストを行う。
8週 小テストの返却・解答解説
交流回路計算の諸方法③
テスト問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる。交流回路における重ね合わせの原理について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
2ndQ
9週 交流回路計算の諸方法④ 交流回路におけるテブナンの定理について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
10週 交流回路計算の諸方法⑤ 交流回路における共振現象について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
11週 交流回路計算の諸方法⑥ インピーダンスにおけるΔ-Y変換について理解でき、本項目における計算問題が解けるようになる。
12週 交流回路の記号法表示とオームの法則の数学・物理的意味 オイラーの公式を用いた、さらに深い電気回路上の問題の数学・物理的意味を理解できる。
13週 記号法による電力の計算 瞬時電力と平均電力の違いを理解でき、複素電力について理解できる。
14週 問題練習③ 第5回から第13回まで説明した内容について、総合的な問題練習を行うことにより、計算方法を習得できる。
15週 まとめと総合問題練習 これまでのまとめをし、総まとめの問題練習を行う。
16週 期末試験 期末試験を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。4
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。3
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80005015100
知識の基本的な理解5000001060
思考・推論・創造への適用力300000535
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0005005
総合的な学習経験と創造的思考力0000000