電気回路ⅡC

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気回路ⅡC
科目番号 23021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 4th-Q 週時間数 4
教科書/教材 電気回路、金原粲、実教出版
担当教員 春山 和男

到達目標

①ひずみ波に多数の正弦波交流が含まれることを理解し、説明できる。
②ひずみ波の電圧・電流の実効値や電力について理解し、説明できる。
③電気回路において生じる定常状態とは異なった特別の現象(過渡現象)について理解し、説明できる。
③RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1ひずみ波に多数の正弦波交流が含まれることを説明できる。ひずみ波に多数の正弦波交流が含まれることを3/4程度説明できる。ひずみ波に多数の正弦波交流が含まれることを3/5程度説明できる。ひずみ波に多数の正弦波交流が含まれることを説明できない。
評価項目2ひずみ波の電圧・電流の実効値や電力について説明できる。ひずみ波の電圧・電流の実効値や電力について3/4程度説明できる。ひずみ波の電圧・電流の実効値や電力について3/5程度説明できる。ひずみ波の電圧・電流の実効値や電力について説明できない。
評価項目3RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を3/4程度説明できる。 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を3/5説明できる。 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
非正弦波交流をひずみ波と称する。前半においては、ひずみ波の特徴を理解し、ひずみ波による電力などを学習する。
 例えば電流が流れていなかった回路に急に起電力を加えた場合や、今まで加えていた起電力を急に取り去るような場合には、既に学習してきた定常状態とは異なった特別の現象(過渡現象)を呈する。後半においては、この現象について学習する。
授業の進め方・方法:
(ひずみ波)
 まずはフーリエ級数展開の公式を学習する。その後、練習問題を解き、様々な波形のフーリエ級数展開を行う。最終的には、ひずみ波の実効値やひずみ波電圧・電流による電力・皮相電力と力率について学習する。
(過渡現象)
 RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答やRLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴について学習する。
注意点:
(ひずみ波)
 この講義では、ひずみ波といっても周期的なものだけに限定している。きちんと仕組みを理解すれば、全く難しくないと思う。
(過渡現象)
 理論を学ぶ上では、スイッチをONにしたときには一瞬でONになり、OFFにしたときには一瞬でOFFになるとしていたが、実際にはそうはならない。特にLやCがある場合は顕著である。これらを学ぶことで、より現場に近い現象を学ぶことになる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 1週 導入・ひずみ波交流
2週 フーリエ係数の求め方(公式の導出)
1週
・講義の位置付けを説明できる。
・フーリエ級数について概要を説明できる。
2週
・フーリエ級数の公式の導出方法を説明できる。
10週 3週 フーリエ係数の求め方(1)
4週 フーリエ係数の求め方(2)
3週
・矩形波のフーリエ級数を求めることができる。
4週
・パルス波のフーリエ級数を求めることができる。
・据歯状波のフーリエ級数を求めることができる。
11週 5週 フーリエ係数の求め方(3)
6週 ひずみ波の実効値、ひずみ波電圧・電流による電力
5週
・三角波のフーリエ級数を求めることができる。
・半波・全波整流波のフーリエ級数を求めることができる

6週
・ひずみ波の実効値を求めることができる。
・ひずみ波の瞬時電力を求めることができる。
・ひずみ波の有効電力を求めることができる。
12週 7週 ひずみ波の皮相電力と力率
8週 定期試験
7週
・ひずみ波の皮相電力と力率を求めることができる。
8週
・ここまでのまとめとして試験を実施する。
13週 9週 過渡現象
10週 RL直列回路(直流)
9週
・過渡現象とはどういうものか概要を説明できる。
10週
・RL直列回路に直流電圧を印加した場合の過渡現象を説
明できる。
14週 11週 RL直列回路(交流)
12週 RC直列回路(直流)
11週
・RL直列回路に交流電圧を印加した場合の過渡現象を説
明できる。
12週
・RC直列回路に直流電圧を印加した場合の過渡現象を説
明できる。
15週 13週 RC直列回路(交流)
14週 RLC直列回路
定期試験
13週
・RC直列回路に交流電圧を印加した場合の過渡現象を説
明できる。
14週
・RLC直列回路に直流電圧・交流電圧を印加した場合の
過渡現象を説明できる。
16週 15週 定期試験
16週 試験返却
15週
・学習の確認として試験を実施する。
16週
・学習事項全体のまとめを行う。また授業アンケートを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価小テストポートフォリオレポート合計
総合評価割合600020020100
基礎的能力3000200050
専門的能力3000002050
分野横断的能力0000000