電子工学A

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子工学A
科目番号 23022 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 3rd-Q 週時間数 4
教科書/教材 「電子デバイス工学(第2版)」 古川静二郎、荻田陽一郎、浅野種正 著(森北出版)
担当教員 仙波 伸也

到達目標

①原子、固体内での電子の基本的性質を理解し、金属・半導体・絶縁体の違いを説明できる。
②半導体の基本的性質を理解し、真性・n型・p型の違いを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1エネルギー帯と関連付けて金属・半導体・絶縁体の違い、特徴を説明できる。化学結合、結晶の形成、エネルギー帯の形成について説明できる。原子内での電子配置と化学結合の形式を説明できる。原子内での電子配置と化学結合の形式を説明できない。
評価項目2不純物密度とpn積一定の関係を用いてキャリヤ密度を求めることができる。各導電型のキャリヤ密度とフェルミ準位の関係を説明できる。キャリヤ(伝導電子・正孔)の形成と導電型(真性・n型・p型)の違いを説明できる。キャリヤ(伝導電子・正孔)の形成と導電型(真性・n型・p型)の違いを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
半導体デバイスは今日のエレクトロニクスには欠かせない存在です。多種多様なデバイスが開発され続けていますが、その理解にはまず半導体を知ることが大切です。この授業では半導体に関する基礎知識を学びます。
授業の進め方・方法:
補助プリント及び演習問題を補助教材として授業を進めます。
注意点:
 化学、物理の知識が重要です。必要に応じて復習してください。
 予習および復習をすることを心掛けてください。学習成果をレポートで確認しますが、必ず自分の力で解決するように努めてください。学習成果の評価には本試験の得点を加味します。
 クラス全体の到達度が低い場合を除いて、再試験は実施しません。実施する場合は、本試験の得点を加味します。
 授業中の携帯等、不必要な物の使用は禁止します。発見した場合は没収します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 電子と結晶①
電子と結晶②
原子内の電子の状態及び電子配置について説明できる。
原子の集合体である結晶及び結晶中での原子の結合、さらに結晶の種類及び結晶面について説明できる。
2週 エネルギー帯と自由電子①
エネルギー帯と自由電子②
原子内の電子の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーについて説明できる。
原子が集合して結晶を構成した場合のエネルギー帯形成について説明できる。
3週 エネルギー帯と自由電子③
半導体のキャリヤ①
結晶のエネルギー帯構造と電気伝導性の関係について説明できる。
真性半導体でのキャリヤの生成機構、および真性半導体と不純物半導体の違いについて説明できる。
4週 半導体のキャリヤ②
中間まとめ
不純物半導体でのキャリヤの生成機構について説明できる。
中間まとめとして試験を行う。
5週 キャリヤ密度とフェルミ準位①
キャリヤ密度とフェルミ準位②
半導体中のキャリヤ密度とフェルミ・ディラック分布関数について説明できる。
真性キャリヤ密度とフェルミ準位の関係について説明できる。
6週 キャリヤ密度とフェルミ準位③
半導体の電気伝導①
不純物半導体中のキャリヤ密度とフェルミ準位について説明できる。
半導体に電圧を印加した際のドリフト電流について説明できる。
7週 半導体の電気伝導②
半導体の電気伝導③
伝導型の異なる半導体の抵抗について説明できる。
キャリヤの拡散及び拡散による電流について説明できる。
8週 期末試験
振り返り
期末試験を行います。
試験返却後、振り返りを行います。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4後1
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4後2
原子の構造を説明できる。4後1
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4後1
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4後2,後3,後5,後6
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4後7
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4後3,後4,後7
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4後3,後5,後6

評価割合

定期試験中間まとめ相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合404000020100
知識の基本的な理解30300001070
思考・推論・創造への 適用力1010000525
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000055
総合的な学習経験と 創造的思考力0000000