到達目標
交流の電気信号による物理量(電圧・電流・インピーダンス・周波数など)の測定方法及び各種計測器の構造と動作原理等について学習し、電気・電子計測に関する理論や計測に必要な知識と手法を習得することを目標とする。
①交流の電気信号の実効値や平均値について説明できる。
②ブリッジ回路による測定について説明できる。また、その応用について検討できる。
③磁気の特徴を理解し、磁界の関係する測定方法について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 実効値及び平均値より、電気信号の波形を検討できる。 | 任意の交流信号の実効値または平均値を計算できる。 | 交流電圧または電流の実効値または平均値を説明できる。 | 交流の電気信号について、説明できない。 |
評価項目2 | ブリッジ回路において、平衡状態となる周波数を計算できる。 | ブリッジ回路において、平衡状態となる各インピーダンスの関係を計算できる。 | ブリッジ回路において、平衡状態となる基本式を立てることができる。 | ブリッジ回路による測定について、説明できない。 |
評価項目3 | 磁界の関係する測定方法について、電気磁気学等で学んだ知識を活かし、式を用いて説明できる。 | 磁界の関係する測定方法について、図を用いて説明できる。 | 磁界の関係する測定方法を6割程度説明できる。 | 磁界の関係する測定方法について、説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
前半は交流の電気信号による物理量やその測定方法について学習し、後半は各種計測器の構造と動作原理等について学習することで、実験実習等に活かすことができる。
授業の進め方・方法:
電気計測Ⅰでは、計測の基礎や直流の電気量に関する測定や抵抗の測定を学んできた。本科目では、それらの知識をベースとし交流の電気量に関する測定を中心に学習する。電気計測Ⅰと同様に電気工学実験実習で利用する計測技術を学習するため、ここで学んだ内容を実験実習の考察等で活かすことができる。
事前・事後学習の内容としてレポートを課す。授業の初めにレポート課題の内容について、プレゼンテーションしてもらうので自力で調べて内容を理解しておく必要がある。レポート提出については、期限を厳守すること。
注意点:
授業内容としては、原理等の基礎を取り組むので、授業時間内に理解できるようにしっかりと集中して、毎回必ずノートを取り、話を聞いてほしい。その場で解決しようという心意気が大切です。授業に出席している限りは、寝ないように、手を動かしながら、しっかり話を聞いてください。事前・事後学習用のレポートを活用し、自分で板書したノートと併せて勉強することで内容を身につけてください。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1回:交流の測定1 2回:交流の測定2 |
1回:平均値,実効値,波形率を説明し、これらを計算できる。,有効電力,無効電力,皮相電力,力率を説明できる。 2回:半波及び全波整流回路を説明できる。,ゼーベック及びペルチェ効果を説明できる。
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2週 |
3回:交流の測定3 4回:交流の測定4 |
3回:有効電力,無効電力,力率の測定原理とその方法を説明できる。 4回:電力量の測定原理を説明できる。
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3週 |
5回:インピーダンスの測定1 6回:インピーダンスの測定2 |
5回:インピーダンスを説明できる。,リアクタンス素子の損失を説明できる。,平行平板コンデンサの静電容量を計算できる。 6回:ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。
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4週 |
7回:インピーダンスの測定3 8回:小テスト |
7回:Qメータの原理を理解し、インダクタンスとキャパシタンスを計算できる。,位相の測定方法を説明できる。 8回:学修内容が身についている。
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5週 |
9回:波形計測1 10回:波形計測2 |
9回:オシロスコープの動作原理を説明できる。 10回:オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。
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6週 |
11回:周波数計測1 12回:周波数計測2 |
11回:周波数カウンタの原理を説明できる。,ウィーンブリッジによる周波数の計算できる。 12回:オシロスコープのリサジュ―図形を理解し、位相差を計算できる。
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7週 |
13回:磁気測定1 14回:磁気測定2 |
13回:ホール効果の原理を説明できる。 14回:磁気変調器を用いた静磁界測定の原理を説明できる。,磁化曲線を説明できる。
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8週 |
15回:定期試験 16回:答案返却・解答解説,学修事項のまとめ |
15回:学修内容が身についている。 16回:学修事項のまとめを行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | |
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | |
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。 | 4 | |
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。 | 4 | |
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
計測 | ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。 | 4 | |
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。 | 4 | |
電力量の測定原理を説明できる。 | 4 | |
オシロスコープの動作原理を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 小テスト | レポート | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 15 | 5 | 100 |
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】 | 10 | 10 | 10 | 0 | 30 |
思考・推論・創造性【適用、分析レベル】 | 30 | 30 | 5 | 0 | 65 |
態度・志向性(人間力) | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 |