微分方程式

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 微分方程式
科目番号 24019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 1st-Q 週時間数 4
教科書/教材 「新 微分積分Ⅱ」 高遠 節夫 他 著 (大日本図書)
担当教員 服部 勝己

到達目標

1. 基本的な微分方程式の型を判別でき,一般解および条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.
2. 自然科学や工学に関する簡単なモデルに基づいて,それらを記述する微分方程式および適切な条件を導出することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 基本的な微分方程式について,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しく求めることができ,専門分野への応用ができる. 基本的な微分方程式について,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しく求めることができる. 基本的な微分方程式について,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で求めることができる. 基本的な微分方程式について,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で求めることができない.
評価項目2 専門分野に関する簡単な数学モデルについて,現象を記述する微分方程式および適切な条件を正く導出することができる. 自然科学に関する簡単な数学モデルについて,現象を記述する微分方程式および適切な条件を正く導出することができる. 自然科学に関する簡単な数学モデルについて,現象を記述する微分方程式および適切な条件を正しい手順で導出することができる. 自然科学に関する簡単な数学モデルについて,現象を記述する微分方程式および適切な条件を正しい手順で導出することができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 運動する物体の位置や速度・加速度,あるいは回路を流れる電流の変化の様子などを調べるとき,対象となる物理量を表す関数のみならず,その導関数を含む方程式,すなわち微分方程式を解くことが必要になる.
 1階の基本的な微分方程式についての求積方による解法,および2階までの線形微分方程式の性質と解法について講義する.
授業の進め方・方法:
 各回の講義中に使用した自学習の演習・練習課題プリントを講義終了時に回収する.
 課題プリントは演習課題の評価後に直ちに返却するので,練習課題を完成させ次回の講義開始時に提出すること.
 練習課題返却後に解答例を掲示する.
 課題プリントの提出遅延は減点となるが,公認欠席の場合は出席可能となった授業日までの提出遅延を認めるので,公認欠席の場合も必ず提出すること.
注意点:
 一般科目の数学で履修した基礎知識に基づき発展させた内容を扱うので,関連科目で履修した知識の修得が不十分な場合は講義に関連する事項の過去の知識の確認・復習が重要である.また講義後に理解が不十分な箇所があれば十分に復習し,曖昧な箇所を残したまま次回の講義に臨むことの無いよう留意すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1回目
 第4章 §1 1.1 微分方程式の意味
 第4章 §1 1.2 微分方程式の解

2回目
 第4章 §1 1.3 変数分離形 (1)
1回目
 曲線族の方程式からパラメータを消去して微分方程式を導くことができる.
 理論や仮説に基づいて,工学的な現象に関する微分方程式を導くことができる.
 与えられた関数が解であることを証明でき,指定された条件を満たす特殊解を定めることができる.

2回目
 変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる.
2週 1回目
 第4章 §1 1.3 変数分離形 (2)

2回目
 第4章 §1 1.3 変数分離形 (3)
1回目
 変数分離形の微分方程式について,条件を満たす特殊解を求めることができる.

2回目
簡単な工学的な現象に関する微分方程式を導くことができる.
3週 1回目
 第4章 §1 1.4 同次形

2回目
 第4章 §1 1.5 線形微分方程式 (1)
1回目
 変数変換により,同次形の微分方程式を変数分離形に直して解くことができる.

2回目
 定数変化法を用いて,1階非斉次線形微分方程式を解くことができる.
4週 1回目
 第4章 §1 1.5 線形微分方程式 (2)

2回目
 第4章 §2 2.1 微分方程式の解
 第4章 §2 2.2 線形微分方程式 (1)
1回目
 工学的現象に関する微分方程式に適切な条件を与えて解くことができ,その現象を説明できる.

2回目
 与えられた関数が解であることを証明でき,初期条件や境界条件を満たす特殊解を定めることができる.
 一般的な2階線形微分方程式の解の性質に関する基本的な計算ができる.
 
5週 1回目
 第4章 §2 2.2 線形微分方程式 (2)

2回目
 第4章 §2 2.3 定数係数斉次線形微分方程式
1回目
ロンスキアンを用いて,関数の線形独立や線形従属が判別できる.
 ロンスキアンを用いて,関数の線形従属が判別できる.
 線形独立な解や特殊解を用いて,線形微分方程式の一般解を構成することができる.

2回目
 特性方程式を解くことにより,2階定数係数斉次線形微分方程式を解くことができる.
6週 1回目
 第4章 §2 2.4 定数係数非斉次線形微分方程式 (1)

2回目
 第4章 §2 2.4 定数係数非斉次線形微分方程式 (2)
1回目
 斉次方程式の解の項と重複しない特殊解を用いた未定係数法により,2階定数係数非斉次線形微分方程式を解くことができる.

2回目
 斉次方程式の解の項と重複する特殊解を考慮した未定係数法により,2階定数係数非斉次線形微分方程式を解くことができる.
7週 1回目
 第4章 §2 2.5 いろいろな線形微分方程式 (1)

2回目
 第4章 §2 2.4 いろいろな線形微分方程式 (2)
 第4章 §2 2.5 線形でない2階微分方程式
1回目
 1階連立線形微分方程式を解くことができる.
 簡単なオイラー型の斉次微分方程式を解くことができる.

2回目
 定数変化法が必要なオイラー型の斉次微分方程式を解くことができる.
 階数降下法を用いて, 線形でない簡単な2階微分方程式を1階微分方程式に直して解くことができる.
8週 1回目
 定期試験

2回目
 試験答案の返却・解説
 アンケート実施
1回目
 これまでの範囲から出題された定期試験の問題が解ける.

2回目
 試験で間違った箇所を確認し訂正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前1,前2,前3,前4
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3前6,前7
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3前10

評価割合

定期試験自学自習の演習問題自学自習の練習問題合計
総合評価割合602020100
知識の基本的な理解20101040
思考・推論・創造への適用力2010535
汎用的技能200525