電気機器Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気機器Ⅱ
科目番号 24027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 2nd-Q 週時間数 4
教科書/教材 森本雅之 著:よくわかる電気機器(第2版)(森北出版)
担当教員 碇賀 厚

到達目標

科目の到達目標は、以下の3項目である。
①同期発電機の原理を理解し、等価回路により出力式を導出して特性を算定できる
②同期電動機の原理を理解し、等価回路により出力式を導出して特性を算定できる
③直流機の原理を理解し、等価回路により出力式を導出して特性を算定できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1同期発電機の原理を理解し、等価回路により出力式を導出して特性を算定できる同期発電機の原理を理解し、等価回路により出力式を説明できる同期発電機の原理を理解し、出力式を説明できる同期発電機の原理を説明できない
評価項目2同期電動機の原理を理解し、出力式を導出して等価回路により特性を算定できる同期電動機の原理を理解し、等価回路により出力式を説明できる同期電動機の原理を理解し、出力式を説明できる同期電動機の原理を説明できない
評価項目3直流機の原理を理解し、等価回路により出力式を導出して特性を算定できる直流機の原理を理解し、等価回路により出力式を説明できる直流機の原理を理解し、出力式を説明できる直流機の原理を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期の電気機器Ⅱでは、同期機と直流機、並びにコンピュータで制御される回転機を学習する。
同期機には同期発電機と同期電動機があり、回転子の構造により突極形と円筒形、また界磁方式により巻線型と永久磁石型に分類される。この回転子構造による特性の違いを理解する。
直流機は、電源の直流電圧を調整すれば容易に制御できるため、古くから機械の動力として使われている。近年では、保守性の問題から中大容量では交流機への置き換えが進んでいる。しかし、蓄電池を電源として発電所設備の非常用動力として現在も使われている。励磁方式による特性の違いを理解する。ブラシによる整流作用と電機子反作用は重要ポイントである。最近の家電製品や電気自動車の動力に採用されているブラシレスモータはコンピュータで速度・トルク制御される。直巻直流電動機は、交直両用電動機として単相交流電源でも駆動でき、ユニバーサルモータとも呼ばれる。
※実務との関係
この科目は、電機メーカーで回転機やパワーエレクトロニクス関連機器の設計開発と生産管理を担当していた教員がその経験を活かし、電気機器の原理と特性について電気主任技術者に必要な知識を講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
毎回の授業で評価項目毎に理解度を評価する演習問題を実施するので、これを復習課題として活用すること。
科目の評価項目に沿って、目標到達レベルを評価するための、理解度テスト・中間試験・期末試験を実施し評価割合により総合評価する。
また、過年度に学習した電気磁気学と電気回路を応用した科目であるので、これらの科目を再度自学自習すること。
電気機器は難しい科目であるが、わかりやすく図と式を効果的に示したものを教科書に採用している。
なお、電気主任技術者資格試験には、教科書だけではなく参考書により専門的理解を深めてもらいたい。
参考書:宮入庄太 著:大学講義 最新電気機器学(丸善)
さらに、科目で学習した電動機と発電機の特性について、実機で確認する機器実験に取り組んでもらいたい。
注意点:
成績評価について、理解度テスト、小テスト、期末試験の3回に分け、総合評価割合に示すようにそれぞれ重みづけします。
クラス全体の目標到達度が低い場合を除いて、再試験は実施しません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 同期発電機の原理と構造
同期発電機の理論
三相巻線に生じる誘導起電力を説明できる
同期発電機の出力式を等価回路とフェーザ図により説明できる
10週 同期発電機の運転
まとめと理解度テスト
内部相差角(負荷角)と出力の関係を式と図を用いて説明できる
同期発電機の用途を説明できる
11週 巻線型同期電動機
永久磁石同期電動機
同期電動機の出力式を等価回路とフェーザ図により説明できる
マグネットトルクとリラクタンストルクの発生を説明できる
12週 リラクタンスモータ
ステッピングモータ
リラクタンスモータの原理を説明できる
ステッピングモータの原理を説明できる
13週 まとめと小テスト
直流機の原理と構造
同期電動機の用途を説明できる
直流機の起電力定数と等価回路により出力式を説明できる
14週 ブラシによる整流作用と電機子反作用
直流電動機の運転特性と励磁方式
ブラシによる整流作用と電機子反作用を説明できる
励磁方式による運転特性の違いを説明できる
15週 直流機の始動、制動、速度制御
ブラシレスモータと交流整流子電動機
直流機の運転方法を説明できる
ブラシレスモータと交流整流子電動機の原理を説明できる
16週 期末試験
試験返却とまとめ

直流機の用途を説明できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4前9
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4前9
直流機の原理と構造を説明できる。4前13
同期機の原理と構造を説明できる。4前9

評価割合

期末試験小テスト相互評価態度ポートフォリオ理解度テスト合計
総合評価割合602000020100
知識の基本的な理解30100001050
思考・推論・創造への適用力30100001050
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000000
総合的な学習経験と創造的思考力0000000