電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 24028 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「電子回路(第2版・新装版)」 桜庭一郎、猪耳忠共著 (森北出版)
担当教員 岡本 昌幸

到達目標

1.トランジスタを含む増幅回路に対し、hパラメータを用いた小信号等価回路を求め、電圧利得や電流利得を計算することができる。
2.バイアス回路を含む増幅回路に対し、直流等価回路および小信号交流等価回路を書くことができる。
3.帯域増幅回路の中域周波数特性を求めることができる。
4.発振回路の発振条件を説明できる。
5.オペアンプを用いた演算回路の動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1 小信号等価回路所望の特性を得るために抵抗やバイパスコンデンサ・カップリングコンデンサの値を設計できる。小信号等価回路において利得および周波数特性が解析できる。トランジスタを含む増幅回路に対し、hパラメータを用いた小信号等価回路を書くことができる。トランジスタを含む増幅回路に対し、hパラメータを用いた小信号等価回路を書くことができない。
評価項目2 バイアス回路バイアスの安定係数を考慮して自己バイアス回路における回路定数を設計できる。バイアスの安定係数を求めることができる。バイアス回路を含む増幅回路に対し、直流等価回路および(小信号)交流等価回路を書くことができる。バイアス回路を含む増幅回路に対し、直流等価回路および(小信号)交流等価回路を書くことができない。
評価項目3 帯域増幅回路ミラー効果を理解し、帯域増幅回路の総合的な周波数特性を求めることができる。帯域増幅回路の高域、低域周波数における等価回路を理解し、周波数特性を求めることができる。帯域増幅回路の中域周波数特性を求めることができる。帯域増幅回路の中域周波数特性を求めることができない。
評価項目4 回路LC及びRC発振回路の特徴を説明でき、設計できる。LC発振回路の発振条件を説明でき、設計できる。発振回路の発振条件を説明できる。発振回路の発振条件を説明できる。
評価項目5 オペアンプを用いた演算回路オペアンプを用いて各種演算回路を設計することができる。オペアンプを用いた各種演算回路の動作を理解し、入出力関係を導出することができる。オペアンプを用いた演算回路の動作を説明できる。オペアンプを用いた演算回路の動作が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基本的なアナログ電子回路について学ぶ。トランジスタを含む増幅回路に対し、hパラメータを用いた小信号等価回路を導き、回路動作を求める方法を説明する。また演算増幅器(オペアンプ)を用いた各種演算回路について学ぶとともに、演算増幅器などの集積回路の内部回路について学ぶ。
授業の進め方・方法:
各種回路の説明を行った後、例題を用いた回路動作の解析を行うとともに、演習問題を解く。
注意点:
この科目は学習単位科目のため、事前・事後学習として毎回レポートを課します。
電子回路の理論について深く理解するためには,テブナンの定理や4端子回路網など電気回路の理論を再度復習することが重要となる。電子回路の教科書で理解できない箇所は,過年度に学習した電気回路の教科書を参考にするなどして当該科目の学力向上に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路の基礎 ・ダイオードの特性が説明できる。
・バイポーラトランジスタ・FETの特性が説明できる。また、FETの4端子等価回路が説明できる。
・バイポーラトランジスタの4端子等価回路が説明できる。
2週 増幅回路の基礎 ・FETおよびバイポーラトランジスタのバイアス回路が説明できる。また、バイアスの安定係数が求められる。
・等価回路を用いたFET、バイポーラトランジスタ増幅回路の動作量の求め方が説明できる。
3週 帯域増幅回路 ・帯域増幅回路における中域周波数特性が説明できる。
・入出力容量を考慮した高域周波数特性が説明できる。
・結合容量を考慮した低域周波数特性が説明できる。
・ミラー効果と帯域増幅回路の総合特性が説明できる。
4週 周波数選択増幅回路 ・LC並列共振回路の性質が説明できる。
・単一同調増幅回路の電圧利得が説明できる。
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 負帰還増幅回路 ・負帰還増幅回路の利得、利得の安定化、周波数特性の改善法が説明できる。
2週 発振回路① ・帰還の安定性及び発振条件について説明できる。
3週 発振回路② ・LC発振回路の動作原理を理解し、コルピッツ発振回路を設計できる。
・移相形RC発振回路を設計できる。
4週 オペアンプの基礎1 ・理想オペアンプの性質が説明できる。
・反転増幅回路と非反転増幅回路が説明できる。
5週 オペアンプ応用回路1
・加算回路、減算回路が説明できる。

6週 オペアンプ応用回路2 ・微分回路、積分回路が説明できる。
7週 オペアンプ応用回路3 ・アクティブフィルタが説明できる。
8週 まとめと振り返り 本科目のまとめと振り返りを行う
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前1
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前2,前3
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前2,前3
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4前2,前3
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4前2
演算増幅器の特性を説明できる。4後4,後5,後6
演算増幅器を用いた基本的な回路の動作を説明できる。4後5,後6,後7
発振回路の特性、動作原理を説明できる。4後2,後3

評価割合

試験発表相互評価態度レポート課題その他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000